Coolier - 新生・東方創想話

少女達綺想曲

2010/07/23 00:49:32
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              少女達綺想曲



















幻想郷が出来て十数年。最初の頃は当たり前だが幻想郷独自の習慣と言うものが存在していなかったために、人間と妖怪の間でいざこざが頻繁に行われていたが、今はやっと落ち着きが見られ始めた。これは幻想郷の創始者である八雲紫をはじめとした、知識の深い妖怪たちによって諌められてきたからだ。
今でもいざこざは絶えない。しかし、最初に比べれば穏やかなものである。紫たちにも安堵感が漂い始めていた。そんなある日であった。



梅雨
外の世界の影響を受ける幻想郷はこの時期になると毎日が雨雲とのお付き合いだ。外の世界と完璧には隔離できないので、この時期には人間、妖怪どちらもなりを潜めてしまう。

「今日で十日連続ね」
紫は家の雨戸をあけて外の様子を確認した。行く筋もの線が激しく地面を打っているのが確認できる。そのために地面には大きな水溜りが出来ていた。というか軽く池の様になっていた。

「まあ、これは仕方ないかしらね」
毎日のように雨が降り、しかもそれが豪雨であるとすれば雨がくるぶし近くまで溜まっても仕方ない話である。
さて、と言いながら紫はスキマを開いた。そこから顔を覗かせてみるとそこもひどい状況になっていた。

「あら、外の世界もひどいことになっているわね」
どうやら紫は外の世界を見ているようだ。そちらも豪雨のせいか道が水に浸かっている。また家の中に水が入っているのも見える。家が流されていない分どうやら、マヨヒガはまだマシな方のようだ。

「とは言え、楽観もしていられないか」
紫はスキマを閉じ、立ち上がった。しわになった服を伸ばし、整えてから玄関に向かっていく。立てかけてあった愛用の傘を持ち、スキマを開いた。

「さて、人里の様子でも見に行きますか」
そう言って紫はスキマに入り込んでいった。














ところかわって中有の道。
豪雨のために水かさが増した三途の川が氾濫し、その水がここに入ってきたのであった。そのために道は脛まで満たされた水で溢れており、危険なためここには余り人がいなかった。あまりというだけであって、ここに享楽をしに来る人がいないというわけではない。道を歩く二人の人間は、その例外の方に当てはまっていた。

「いやー、まいったまいった。まさかこんなことになるなんてな」
「まったくだ。兎に角早く家に帰ろう。この分だと夜には帰れなくなるかもしれない」
ざぶざぶと水を掻き分けながら二人の男たちは足早に歩いている。まだ昼半ばであったが、墨汁のような黒い雨雲のせいでまるで夜のように感じられた。
急いで歩くも水が邪魔である。顔にぶつかる雨を袖で拭いながら歩いていると、前を歩いていた男が突然悲鳴を上げた。

「いてええええ!?」
「うわぁ!ど、どうした?」
前かがみにしゃがみこむ男を後ろの男が、心配そうに尋ねた。前の男は右足を押さえていたのでその足を見てみると、

「うん?なんだこりゃ」
ふくらはぎのところに小さな歯形があった。どうやら何かに噛み付かれたらしい。そこからじわりと血がにじんでいる。後ろにいた男は自分の袖を破くと傷のところにそれを巻きつけていった。

「とりあえず、これで我慢してくれ。今は何にも出来ないからな」
「ああ、すまねえ。十分だ。ちっ、それにしても蛇に噛み付けられたかな」
「まさか。蛇が水ん中いるわけねえ。とりあえず、今は早く帰ろうさ」
「そだな」
男は怪我をした男に肩を貸しながら、家路に向かって行く。災難だなと苦笑しながらこの場を立ち去っていったのであった。


















幻想郷の水がめとして活躍するのはこの霧の湖であった。
年中霧が発生していることからそう呼ばれている。ここは幻想郷にある川の全てが最終的に行きついている。
その湖には河童が住む。彼らの世界はこの湖の奥深くにある。そのためおいそれと手が出されない。彼らにとっては自然の要塞であった。

そんな湖は現在、多量の水によって半ば海と化していた。本来なら半刻程度で一周できるはずが、二刻あっても足りないほどの大きさとなっている。雨や氾濫した川の水や道に溢れた水も受け入れるためこのようになったのだ。先ほどの中有の道の水も例外ではない。

もちろん受け入れるのは水だけではない。倒壊した木や家、どこかの池か川にいた魚、死んだ生物の死骸なども集まってくる。まるでゴミ箱のようであった。
それでも湖は限界だと叫ばない。彼らには口がないからだ。ゆえに文句も言わずなんでも受け入れていく。


















「参ったことになっているわね」
紫は人里の上空で傘をさしながらスキマに腰掛けている。見下ろす先には水かきに勤しむ人や、倒壊した家の下敷きになっている人を救出する人、資材道具を持って山を目指す人などが確認できた。

この惨事に紫は大きくため息をつく。当分眠れない日が続くだろうと思いながらスキマにもぐっていった。




幻想郷始まって以来の惨憺たる梅雨は計十五日も続いた。
死者も発生し、紫は改めて博麗大結界がもつ識別方法の加減の難しさに頭を抱えた。






















それから幾星霜
いまではすっかり穏やかになった霧の湖。
そこは昔とは異なっている印象が伺えられる。
まずは河童たちの移住だ。彼らは紫の提案により、天狗達と共に妖怪の山に住むようになった。今では彼らの住処だけが奥底に残っている。
二つ目に、紅魔館である。幻想郷が出来て、幾年が経ったある日に外の世界から引っ越してきたそうだ。今ではこの世界に慣れ親しまれている。

それでも変わらないのは霧が絶えないことだ。いつ来ても霧が発生するので散歩するには不便であった。
そんなところに一人の太公望が釣りをしていた。ここでは大きな獲物になると二~五尋程度の大物が釣れるというのが噂になっているので、それを釣ろうと太公望が絶えないのであった。もっと大きなものだと十尋だというがこれは嘘くさい。現に幻想郷縁起にもそう記されている。
ではこの太公望はどうかと言うと、

「あ~あ、今日はさっぱりだな」
びくの中は一尺にも満たない魚が三匹程度、釣れていただけであった。仕方なく帰ろうと太公望は釣り道具をしまおうと立ち上がると、膝に乗せたあった財布が湖に落ちていった。

「あっ、いけね!」
そういって急いで湖に飛び込む。落ちたことに直ぐに反応したので、見つかり次第、数秒で上がってこれるだろうと思える。しかし、一分経っても上がってくる気配はない。
それどころか一時間経っても湖から出てこない。
その日、一人の太公望が姿を消した事が人里に広がるのに数日も掛からなかった。

















「と言うわけなんだ」
「ふ~ん、太公望が消えたねえ」
博麗神社に腰掛けている二人――上白沢慧音と博麗霊夢――はお茶を飲みながら人里で出回っている事件を話していた。

「で、何か手がかりは?」
「いや、何も」
慧音は残念そうに首を横にふる。今回の話を聞いて慧音は調査に乗り出したのだが、何もえられずにいた。そこで霊夢に依頼をしようとここにやって来たのである。

「釣り道具が残っていたのでしょ?何か読み取れなかったの?」
「私はあくまで読むのは歴史だ。釣り道具がどのように使われていたかは歴史だから読むことは出来る。しかし、それを媒介にして人の残留思念は読めないよ」
「どう違うの?」
「歴史は事実。残留思念は思い。境界はきっちりあるさ」
「融通が利かないわねえ」
そこまで当てにしていなかったのか、霊夢の表情からはそれほど落胆の様子が見られない。休憩に名残を惜しみながらも霊夢はゆっくりと立ち上がった。

「ま、妖怪退治は巫女の務めだからね。ちょっと様子を見てくるわ」
「ああ、頼んだ」
慧音も立ち上がり、神社を後にする。

慧音は不安を抱えていた。本来、このようなことはあって当たり前なのである。なぜなら妖怪は人里以外は人間を襲ってもいいようになっている。ゆえに湖の出来事は妖怪の仕業だろうと推測していた。
しかし、問題は湖がある場所であった。湖は紅魔館の近くにある。紅魔館は幻想郷のパワーバランスの一角を担っているため、並の妖怪は近づかない。下手に事件を起こして紅魔館に睨まれるのを避けるためだ。よって並の妖怪の仕業とは考えにくい。
では、その紅魔館が事件を起こしたのか?それも考えにくい。なぜなら、紅魔館の主、レミリア=スカーレットと紫との間で人間は襲わないという条約が結ばれている。レミリアの性格上、反故にすることは考えにくい。よってこの線も無し。
他の線として、妖精の仕業も難しい。彼らは、悪戯はするが襲うなんてことは滅多にない。事故の線もない事はないが果たして………

「最悪なのは………」
レミリアの存在も恐れない、大妖怪の仕業の線がある。寧ろ慧音はこの線が濃いと考えていた。

「気を付けろよ、霊夢」
慧音は胸の辺りの衿を握りながら人里へ戻っていった。



















神社から出発した霊夢は寄り道もせずまっすぐに湖に向かった。
その道中慧音からの話を頼りに彼女なりに推測はしてみたものの、

「何にも起こらないわね」
そう呟いた。
起こらないと言うのは、事件の伸展とかという意味ではなく彼女の勘のことである。
この勘を頼りにいくつも異変を解決したのだが今回はさっぱり働かないようだ。
そうしているうちに彼女の周りに霧が立ち込めてきた。
問題の湖に到着したのである。

「さてと。確かこのあたりだったはずよね」
きょろきょろと頭を動かした場所を確認してみる。
すると事件が起こったままの状態になっている問題の箇所を発見した。

「ここね」
ふ~ん、と辺りを見回しても怪しい処は何もない。
持っていたお払い棒で頭をかいていると、向こうの方に人影が見えた。

「あれは………」
紅魔館の門番、紅美鈴が湖のあたりをうろついていた。
何か探し物でもしているのか頭を頻繁に動かしながら地面を見ている。
とそのとき向こうも霊夢のことに気づいたのか手を振ってきた。

「こんにちは、霊夢さん。今日は釣りですか?」
「ううん。今日はお仕事」
「あ~、例の……」
「そ。そういうわけよ」
どうやら美鈴事態もこの事件は知っているようだ。霊夢は一応紅魔館が関与していないか彼女に確認してみると、

「違いますよ。今回の事件はまったく関わっていません。むしろ私はお嬢様に調査するように言われたのですから」
美鈴も霊夢と同様に今回の事件を調査しているらしい。レミリアが首を突っ込んできたことに霊夢は意外な感じを受けたが、

(あ~、そう言えばあいつは安楽椅子探偵だったわね)
色々異変につっこむこともあることを思い出して納得した。

「もしかして今あんたが調査しているのは昼だからなの?」
「はい、その通りです。お嬢様からは夜になったら交代するからそれまでは宜しくといっていたので……まあ、仕事をサボる分には丁度良いですね」
「いいの、そんなにはっきり言って?」
「ええ、構いませんよ。だって咲夜さん、屋敷の中にいるからまったく聞こえてませんから」
あっはっはっは、と高らかに笑う美鈴に霊夢は地雷を踏んだな、と確信した。
後日、美鈴は咲夜にナイフの的当てにされたとかという話が流れたがいつものことなので気にすることはなかった。









二人で調査するも難航していた。

「これは困りましたねえ~」
「…………」
あたりを散策して一刻、何も進展がなかった。
調査に関すれば二人はエキスパートに分類される。
霊夢は驚異的な勘を、美鈴は自身の能力を使った気配の読み取りを駆使すれば十分な成果が挙げられると踏んでいたのだが、ここまで何もない。
仕方なく二人は休憩することになった。

「どうしますか、これから?」
「……そうね……一応当てはあるんだけど」
そう言って霊夢は行方不明になった太公望の残していった物を見た。
美鈴は感づいたらしく肩をすくめた。

「やめた方が良いですよ、おとりなんて。今度は霊夢さんが危ない目に合いますよ?」
「あら、誰が私がするなんていったかしら?」
「へっ?」
美鈴は呆けながら、霊夢を見ていると、不適に笑い出した彼女に嫌な予感がした。
美鈴は自分の指を自分の顔に向けると、

「私ですか?」
「もちろん」
霊夢は頷いた。その反応に美鈴はがっくりと頭を落としている。

「よく考えてみなさい。私は人間で、あんたは妖怪。加えてあんたは魔理沙のマスタースパークに何度も耐えたという実績付き。これであんたを選ばないなんてどうかしているわ?」
そうでしょ、といわんばかりに霊夢は本人に同意を求めてきた。

「……やるせない。この体が恨めしい。私も病弱だったらなぁ………」
「はいはい。たらればはいいの」
そう言って霊夢は立ち上がって美鈴の肩を励ますように叩く。
美鈴は少し悩みながらも体を起こして、釣り場に向かう霊夢の後に続いていった。















「さてどんなやつが来るかしら?」
「魚がですか、それとも犯人がですか?」
「両方よ」
美鈴は渋りながらも太公望が残していった釣竿で釣りを始めた。
今回、二人で調査して気づいたことだが犯人は恐らく湖にいるものだと思っている。
その理由として美鈴の能力にある。彼女の能力は気の読み取りだがその範囲は半端ではなかった。彼女が言うには湖の半分くらいまでの面積ならぎりぎりいけるらしい。そして太公望のいた位置は紅魔館よりである。即ち、彼女のテリトリー内である。
そこで、二人で推測を立ててみた。犯人は恐らく湖にいると。
美鈴は普段、気の範囲を湖に水平にしてそこから空に向かってドーム上に広げてある。そのため水中のことには普段意識が届いていないという。そのことからも犯人の居場所が特定できた。

ある程度自信はあったがまだ断定は出来ない。そのためのおとりである。
ちなみに美鈴は釣りをしながら気の範囲を練っており、今は湖の中にまで意識を伸ばしている。霊夢は彼女の隣で休憩中。

「一応何が起こるかわからないので、用意だけはしておいてくださいね」
「あ~、分かってるわ」
そう言いながらも霊夢は何もしない。美鈴は苦笑しながら糸の先を見ていた。



普通、二人きりでいると時間がたてど何も変化が起こらないことに、気まずさを覚えるものだが、この二人は別である。
霊夢は誰に関しても深く干渉してこない。そのため気まずい雰囲気を感じることもない。
美鈴の方も気を操れるために相手に『別の気』を持たせる事が可能だという。例えば『眠気』を感じさせて眠らすなど。まあ、彼女の場合、霊夢が不干渉な人間であるということを知っているので、『気を配る』こともなかった。

「ああ、そう言えば……」
霊夢は美鈴の方を振り向いた。

「あんたとタッグを組むなんて珍しいわね」
「あ~、言われてみれば」
何とはなしに言った霊夢の言葉に美鈴は同意した。
お世辞にも普段から顔を合わすということはない二人だったが、今は一諸にいる。
その事が二人には不思議で新鮮に思えた。

「永夜の時は紫と組んだし、温泉の時も萃香や文だったしね」
「私は誰かと組むなんてことは滅多にありませんからね。しいて言えば外の世界にいたときにパチュリー様と手を組んだぐらいかな」
「へ~、意外ね」
「パチュリー様がですか?」
「そう。あんただったら咲夜とかなと思ったんだけど」
「それはないですね。彼女は完璧な人。対して私は凡庸。釣りあいませんよ。それに咲夜さんにはお嬢様がいますからね」
「なるほどね。まあ、いいけど……もしかして僻んでる?」
「おや、珍しいですね?」
「何が?」
霊夢は珍しいといわれて少し驚いた。何に対してか少し考えていると、

「霊夢さんが他人に対して興味を持ったことがですよ」
なるほど、と霊夢は頷いた。確かに珍しいことだと自分でも納得しているようだ。
先にも言ったように霊夢は基本的に干渉しない性格なので、人の関心にくいつく事は少ないのである。

「まあね、確かにあんたの言うとおりだわ」
「おや、認めましたね」
そう言って二人は笑い出した。
声をあげ、ひとしきり笑ったあと、美鈴は霊夢の質問に答えた。

「そうですね。僻みは全くないですね」
「どうして?」
「う~ん、言いにくいんですけど、私は一人でやっていけれるからだと思っているからです」
「……どういう意味?」
怪訝な顔で霊夢は美鈴の様子を伺った。そこには悲壮感や憂いなんて表情はない。作り笑顔もない。あるのは自然な笑みであった。

「言葉通りです。こう見えても私、長生きしている妖怪なんですよ。お陰で阿求さん達に『大妖怪』という称号を頂いちゃいました」
「…………」
「生きている間、一人でいることのほうが多かった。一人のほうが融通が利くしね。だからかな、私は誰かと手を組むよりも一人のほうがいいと思うわ」
「今の紅魔館が億劫だというの」
「いえ、そんなことはないですよ。私はあまり真面目とはいえませんがお嬢様には忠誠を誓っています」
「…………」
「程度の問題ですよ。どっちがいいかの、ね」
あ、これ内緒ですよ、と言って美鈴はウインクをした。霊夢は苦笑しながらも彼女について親近感を覚えた。














そうしてお互いが気まぐれにしゃべっているときに、美鈴の放つ気配に違和感を感じた。
霊夢の方も反応をしたので、気づいてくれたのだろうと彼女は思った。
美鈴は目を水中に向け凝視してみるものの良く見えないでいる。

「どうなの?」
「う~ん、確証は出来ませんが恐らく、ここから二十メートル近くにいますね」
「遠いわね。何とかならないかしら?」
「……やってみます」
美鈴は釣竿を右手で支えながら左手を水中につけた。
左手からは淡い光が出ているのがうっすらと見える。

「何しているの?」
「誘っているんですよ、私は弱い妖怪だという気をね」
美鈴は気を放つことで、自分の正体を相手に知らせようと試みている。
霊夢や美鈴のような強力な存在だと相手は警戒して近づかない可能性がある。それを回避するために微力な妖気を放っているのだ。
こうすることで相手に「自分は気配を消せないほど情けない妖怪だ」という情報を伝える効果がある。

「いいですねぇ。奴さん十メートル付近まで近づいてきましたよ」
「気をつけてよね。ここまで来たらあんたにも危険が近づいていることを意味しているのよ」
「心配無用です。私は魔理沙さんのマスタースパークに何度も耐えたという実績がありますので」
(要するにやられるつもりってことね)
美鈴の自信に霊夢は不安を抱きながらも水中にいる妖怪の方に集中していた。
霊夢は懐をまさぐり針とお札を用意する。
釣竿に掛かる、掛からないは別として、もしこちらに向かってきたら針で牽制する。しかる後に結界で奴の動きに制限をかける。
美鈴も恐らくはスペルカードが何枚かあるだろう、それを掛け合わせたら上手くいけるだろうと予測した。


「………拙いですね」
「何が?もしかして逃げてったの?」
「いえ、そうではありません。寧ろ近づいてきてますよ、急接近で」
だったら、と霊夢は言葉を続けようとしたが、口を閉じた。
美鈴の言わんとしている事が分かったからだ。水中には恐らく犯人であろうシルエットが霊夢にも見えた。だが本当に生物なのかという理解できなかった。

「美鈴……」
「ええ、分かっています。先ずは防御の方からお願いします。然る後に私が……」
「結構」
それを合図に水中から猛スピードで向かってきた犯人が空中に飛び出した。
まるで大砲の弾のように勢いよく飛び出てきたのは規格外の生物であった。
怪物級の大型魚といわれる大きさはここでは大体二~五尋程度といわれている。
しかし奴はそれを大きく上回る体格の持ち主であった。



全長およそ十尋。



それはまるで鯨のような大きさの妖怪魚であった。
霊夢はお札を彼女の前に座っていた美鈴の前に投げた。

「夢符『封魔陣』」
美鈴の前に光り輝く結界が現れた。
勢いよく飛び出してきた鯨はそれに頭からぶつかってしまう。
ぐしゃりとリンゴがつぶれたような音が響いたが鯨は叫びながらそれに構わずなおも突っ込んでくる。

「美鈴!」
「はい!」
美鈴は返事と同時に鯨の横に回りこみ、右手を引いて一瞬のうちに練った気をその手に宿し、スペルを唱えた。

「華符『破山砲』」
ズドッという鈍い音が鳴るも、拳は体の部分で止まっている。めり込んでいないことから相当の硬さを持つ皮膚のようだ。

「っつう……なんて硬さなのよ!」
「美鈴、左に!」
美鈴は霊夢の声に反応し目で確認する前に左の方へ飛んだ。すると鯨の大きなヒレのようなもので押しつぶしてきた。もし少しでも反応が遅れていたら潰されていただろう。
鯨は一旦、湖に戻ろうと体をひねらせた。しかし霊夢がそれを許さない。

「神技『八方鬼縛陣』」
霊夢は湖に入らせないように水面に結界を張った。
鬼をも縛るという結界だ、鯨なんかに壊されることはないだろうと踏んでの使用だ。

「とりあえず、水中に入らせないことには成功したわね」
「そうですね、でもどうして敵の方を縛らなかったのですか?」
「あいつはもう湖に入りそうだったわ。現に水の上の結界上にいるしね。もしそんな状態で奴を縛ったらどうなる?」
「行動できなくなる鯨さんはそのまま下に沈んでいくということでしょうか」
うんうん、と頷きながら霊夢はその場に座った。水中に入られてはこちらから攻撃できないのでこれが良策だったのだ。

「さて、私は結界の維持で動けないからあんたがどうにかするのよ」
「まぁ、そうですよね」
美鈴は結界の上に上り、鯨のほうと対峙した。
改めてよく見ると立派な大きさである。
鯨は本来海水でしか生きられないはずだが、なぜか淡水のここにいる。
まあ、いまはそれを置いといて、こいつをどうにかしなくてはならない。

「さて……」
美鈴は状況もう一度整理した。
おそらくこいつが犯人だというのは確定だろう。問題はどうやって退治するかだが恐らくは、大妖怪級のものだろうと予測する。
だとしたら、

「やっぱり弾幕出してきましたか」
どうやら賢さはあるらしい。ただのけだものかと思いきやいやはや、困ったものだと美鈴は唸った。
美鈴は弾幕ごっこが苦手である。
彼女の戦い方は接近戦を中心にしたものが多いために距離をとる弾幕ごっこは不得手であった。しかし、絢爛さは幻想郷でも指折りといわれているが、この場合はあまり関係ない。

「あ、美鈴。私を守りながら戦いなさいよ」
「ええ、分かっていますよ」
何も行動できない霊夢のために美鈴は霊夢の壁になりながら敵の弾幕を相殺していった。

(どうやら妖力だけなら大したものですが、うまく力が使えていませんね)
鯨のはる弾幕は一言で言えば稚拙なものであった。
フェイントも何もない、ただ力とスピードがあるだけで怖さが感じられなかった。
戦いにくいだけで勝機は見出せる。しかし、

「あいつ、固いんですよね」
問題は敵の強固な皮膚であった。一瞬の隙を衝いて接近戦に持ち込んで倒す。これが美鈴の勝機であったが、倒すのに時間が掛かる。これではもたつく間に霊夢に被害が及ぶし、その前に結界が持たないかもしれない。

(さて、どうしたものか)
美鈴は敵の攻撃を相殺しながらも自分が出来る手段を考える。手が疲れるし、頭も疲れるがやらなければならないというのは分かっていたから踏ん張る
そこで彼女はあの鯨が湖から出てきたときのことを思い出した。

(確かあの時、霊夢の結界にあいつは頭から突っ込んできたけどそこだけ音が違ったのよね)
体は鉄でも殴ったような音しかしなかったが頭だけは柔らかそうな音だった。
だとしたら危険ではあるがそこへ突っ込む価値はあると美鈴は思った。

「………ふ~」
美鈴は相殺しながら器用に深呼吸をする。そして今まで以上に強度な気を練成していく。それは霊夢の目にもはっきりと見えるほど強度で綺麗な気の塊であった。

「覚悟決めたの?」
「ええ、まあ……恐らくは大丈夫だと思います」
「そ。ならとっとと宜しく」
美鈴はその言葉を聞くや、神速の如く鯨に向かう。接近中、一発も避けることはなかった。もし避けてしまうと後方にいる霊夢に当たってしまうからだ。
手や足に弾幕がぶつかり、その痕が残るも怯むことはなかった。自分に恐れを感じず向かってくる美鈴に、鯨は恐怖を感じ雄叫びをあげながら更に弾幕を増やす。

「無駄ですよ」
けれど止まらない美鈴は鯨に近づきそして正面に立って構える。

「覚悟を決めた私に誰も止められやしない!」
強度に練られた右手はまるで鋼のような輝きを放っている。
そして前に出していた左手を引き、右手を伸ばす。滑車の原理によって動かされた拳を相手の頭めがけて放った。

「三華『崩山彩極砲』」
腰をひねり足にも力をいれた美鈴と、その渾身の一撃を入れられた鯨。
まるで時が止まったようにお互い静止の状態から一歩も動かない。

「ふうううぅぅぅぅぅ」
ゆっくりと息を吐く美鈴は拳を頭から取り出す。抜くときにぐちゃりとトマトがつぶれたような不快の音が響いたが美鈴は顔色一つ変えない。
放たれた右腕は肘のところまで赤くなっており、その一撃の強さが語られているようだ。

「ご苦労さん。終わった?」
「ええ、終わりました」
「そう。なら悪いけど結界から下ろしてくれない。いつまでも維持できないし」
「ああ、そうですね」
美鈴は霊夢の指示通り、鯨を結界から引き摺り下ろし、近くの地面に横たわらせた。
十尋もある鯨を一人でひっぱった美鈴はかなり疲れたらしく、その場に座り込んだ。

「ふい~、疲れました」
「お疲れ、とりあえず後は私がやるから休んでて」
そう言って霊夢は鯨の傍に近づき、ぺたぺたとお札を貼っていった。
仮に動いた時のための予防のためである。













二人が出会ってからそれなりの時間が過ぎた。
湖には夕焼け色の太陽が移り、陽光が目に痛いくらい眩しい。
美鈴は左手で陽光を遮りながら夕日を見ていた。

「霊夢さん。もう少しで夜が来ますよ」
「分かってるわ。もうちょっとで来るから」
「来るって何がですか?」
霊夢はお札を貼った後、その場を動こうとせずじっと空を見ていた。
美鈴も彼女と同じ方向に目を向ける。
そこは藍と橙の境目があった。それを見ること数秒、一本の線がその境に沿って引かれる。
そして線は膨らんで面になり、そこから無数の目が凝視しているのが見え、美鈴は首を竦ませた。

「ああ、彼女ですか」
「ええ」
その面――スキマから一人の女性が現れた。
八雲紫である。

「こんばんは。探したわよ、霊夢」
「嘘言わないで、書置き残してあったでしょ」
「まあね。もし今日私が神社に行かなかったらどうしてたつもり?」
「それはないわ。こんな奇妙な事件が起こったのよ、あんたが食いついてくるに決まってるわ」
「ふふっ、確かに」
面倒くさがりで色々なことは式神である藍に任せる紫だが、異変には結構首を突っ込むタイプである。
そんなやり取りを見ていた美鈴は紫のほうへ近づいていった。

「こんばんは、紫さん」
「あら、あなたがいるだなんて珍しいわね」
「一応、館の管轄ですし、調査も命じられていたんでね」
「ふ~ん、貴方も大変ね」
「そんなことないですよ。紫さんの特訓で気の応用が増えましたし。お陰で楽できてますよ」
「そう、それは重畳よ、美鈴」
お互い微笑みあいながら、世間話をしている。そんなのどかなやり取りも霊夢の言葉で引き戻される。

「はいはい、おしゃべりはそこまで。紫、早速だけどこいつ、何もの?」
「あら、もう終わり?ま、いっか」
紫はう~んと唸りながら鯨の体を触りながら丹念に見て回る。
そして口に手を当て、首をかしげた。

「……ほんとにこいつがここにいたの?」
「…?ええ、そうだけど………」
「……ふむ」
神妙な顔つきのまま表情を緩めない紫に霊夢と美鈴は顔をしかめる。

「どうしたんですか、やっぱり分からないんですか?」
「いえ、違うわ。ただ何故この妖怪がここにいるのかなって気になってね」
「そうなの?だったらこいつは本来どこにいる奴なのよ」
「三途の川」
「「三途の川?」」
三途の川といえばここから遠く離れた中有の道の向こうにある川だ。
霧の湖は様々な川の終着点というのは知っているが、三途の川とは結ばれてはいない。
だから紫にとってこの妖怪がここにいるのが不思議なのだろう。

「ちょっと気になるわね」
そういって紫は空中に線を一本引っ張った。
その線によって作られたスキマから一人の人間が落ちてきた。

「あたっ!?」
落ちてきたのは、昼前に神社で霊夢と話していた慧音であった。

「っつー………ゆ、紫殿これは流石に痛かったぞ」
落ちた場所が岩だったこともあり慧音はぶつけたお尻をさすりながら紫を睨んだ。

「ふふっ、ごめんなさい。早急に貴方に見て欲しいものがあってね」
紫は持っていた扇子を妖怪の方に指した。慧音はその妖怪の大きさに一瞬驚くも、あごに手を当てながらまじまじと見る。

「ふむ。こいつが件の妖怪か?」
「察しが良くて何より。実はこの妖怪の歴史を見て欲しいの」
紫は慧音にこの妖怪の奇妙さについてあらましを説明した。

「ん、わかった」
そう言って慧音は妖怪の頭に手を当て、目を瞑る。ぶつぶつと言葉にならない声が風に乗って三人の耳に届く。邪魔をせず彼女の様子を見ていると、

「ふむ、なかなか面白い経歴の持ち主のようだ」
どうやら妖怪の歴史が分かったらしく、慧音は面白そうに笑っている。

「こいつは紫殿の言うとおり三途の川にいた妖怪だ。まあ、もっとも生まれがそこなだけであって、実際のところこいつの生の期間はここのほうが長い」
「じゃあ、どうしてこいつはここにきたの?」
「こいつがここに来たのは幻想郷が出来て十数年経ってからだ。ある年、梅雨ということもあり、十五日間も連続して雨の日があったのだが、そのとき幻想郷は未曾有の氾濫にみまわれてな」
「ああ、あの時ね……」
紫はその言葉で当時のことを思い出したのか、顔をしかめた。

「それって私が、というか紅魔館はありました?」
「いや、それよりももっと前のときだ。その時に三途の川も氾濫し、水が溢れ中有の道に流れ込んだ。とは言え、水深は低かった。しかし、こいつは当時は一尺もない体長だったため三途の川から中有の道へ渡り、そしてここに行き着けたって訳さ」
「それからどうしたの?」
「当時はまだ河童がここで生活していたからな、河童に気づかれないようにひっそりと生きていたらしい」
「けれど、ここまで大きくなっているわ。どうやってもひっそりというのは難しいんじゃなくて?」
紫の言葉に二人も同意するように頷く。けれど慧音は首を横に振りながら説明を続ける。

「いや、可能だったんだ。実はその後、ある事があって河童は妖怪の山に引っ越すことになるのだが、それが拙かった。河童たちは必要最低限のものしかもって行かず、食料などは川の底の住処に残していったのだ」
「じゃあ、もしかしてこの鯨は河童の食料を食っていったという訳?」
「しかも、もしかしてかなりの量だったんですか?」
「二人の言うとおりだ。まあ、河童という生き物は技術とかその類しか必要としていないからな。だからこいつにとっては丁度言い餌場だったんだろう」
慧音は可笑しそうに妖怪の頭を軽く叩く。
霊夢はそれを聞いて大きくため息をつきながら肩をすくませた。

「霊夢、もしかして惜しいと思ったかしら?」
「………そこまで卑しくないわ」
「ハハハハ………まあ、それはさておき、分かってくれたかなこいつの歴史は?」
「うん。そこは分かったんですけど、何で今までこいつは誰にも気づかれなかったんでしょうか?」
美鈴は慧音の説明に納得するもまだ分からないところがあり、首をかしげている。

「ふむ、それについては体の神秘といっておこうかな」
「何でか分かるんですか?」
「もちろんだ。さっきも言ったようにこいつにとっては豊富な餌場があったのだがそれでも限界がある。食べるだけ食べたら周りには餌がなくなっていた。そこでこいつは眠りについたのさ」
「眠りですか?」
「ああ、眠っていれば消費は抑えられるし、気配も漏れ難い。この湖はざっと見たところ底なしに近いほどの深さだ。それだけの距離があれば気の能力者であるお前にも気づかれにくいだろう」
「確かに。もし慧音さんの言うとおりなら私では気づきませんね」
「美鈴がそういうのなら私でも難しいでしょうね」
紫は穏やかな表情で妖怪の方を見ていた。その表情にはこの妖怪が今まで気づかれなかったこととその経歴への尊敬なのだろう。

「因みに起きた理由は?」
「気まぐれだ。たまたま湖の中を泳いでいたら人間がいたから食べた。それだけさ」
「紫みたいな奴ね」
「失礼ね。私はそこまで意地汚くないわ」
持っていた扇子で軽く霊夢をはたき、そして慧音のほうを向く。

「それじゃあ。人間の方に説明をお願いね」
「ああ、まかせろ。それではな、三人とも」
「さよなら、慧音さん」
慧音は自分の住む人里へと戻っていく。帰っていく彼女に美鈴は手を振っていた。
その後紫は妖怪の質量があまりにも大きいということもあってスキマ送りが出来なかった。そこで、紫は藍を呼び、彼女に解体を命じ、細切れにしてからスキマ送りをした。いつまでもここに置いておくと何かと影響が悪いからだという。そうして紫と藍も自分たちのところへ戻っていった。









「う~ん、やっと終わりましたね」
美鈴は手を天に突き上げ背伸びをする。小気味のいい骨の音が各所から聞こえる。

「そうね、とりあえず疲れたわ」
霊夢は使用した針やお札を確認しながら帰途の準備をする。
今日一日で異変を解決できたことに安心したのか、霊夢は安堵感で表情が緩んでいる。その顔に美鈴は暫く呆けながら見ていたが、霊夢と同様に表情を柔らかくする。

「なるほど。そういうのもありかもしれませんね」
「?何が?」
「さっき私言いましたよね。誰かといるよりも、一人のほうが良いと」
「ああ、言ってたわね。それで?」
「パートナーのそういう表情が見れるというのがタッグの利点だというのであれば、この関係も良いなって思いました」
「そっか……」
「今日は一緒にいてくれてありがとうございます。もしまたこのような事があったらお願いしますね」
「状況にもよるわ」
「ふふっ、お待ちしています。それではまた」
美鈴は片手を挙げ、手を振りながら紅魔館に戻っていった。霊夢はそれを見送りながら考え事をしていた。

(パートナーのそういう表情が見れるというのがタッグの利点だというのであれば、この関係も良いなって思いました)
「どんな表情だったんだろう」
霊夢はむにむにと自分の頬を触るが、なかなか思い出せずにしばらく佇んでいた。
けれど夜になり始めたので、ちょっとだけため息をつきながら霊夢もその場を後にした。
東方求聞史紀に「大物が釣れるが十尋程度は言いすぎ」と書いてあったので、それをネタに今回のお話を作りました。
ちなみに一尋は約1.5~1.8メートルです。

霊夢と美鈴のコンビはいかがだったでしょうか?

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アクアリウム
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コメント



0.1760簡易評価
3.90名前が無い程度の能力削除
美鈴と霊夢のペアはもっと増えるべきだと思うのです
4.100名前が無い程度の能力削除
それなりに楽しめました

なぜ慧音がスキマで落ちてきてすぐ話の内容を知ってたのかとかが気になりましたが、
美鈴がおったのでそれだけでよかですっw
8.90名前が無い程度の能力削除
このコンビは珍しい
16.100名前が無い程度の能力削除
短いながらも纏まっていておもしろかった
実はこのコンビ、結構好きなのよねw
18.100名前が無い程度の能力削除
霊夢と美鈴は結構性格が似てると思う。
実に良いコンビでした。
22.100名前が無い程度の能力削除
あー、意外と良いタッグ。
マイペースな割に、本気出したら強くて、それぞれの弱点を補い合える。盲点でした。

件の太公望氏にご冥福を……
25.90名前が無い程度の能力削除
話の流れのつくりがうまかったです
27.無評価アクアリウム削除
返信です。
>3氏
自分もそう思います。

>4氏
話を端折ってしまって申し訳ありません。
これからは可能な限り詳細を書いてきたいです。

>8氏
そうですね。バランスはいいと思ったのでこの二人を書いてみました。
違和感がないと思われれば幸いです。

>16氏
纏めるのが大変でしたがそういってもらえるとうれしいです。

>18氏
確かに似ていますね。普段抜けていたり、本気になったら怖いところだったり……

>22氏
このタッグは抜群です。もっと推奨するべきかと……
すいません、言い過ぎました。

>25氏
うれしい賛辞です。感謝!
28.100名前が無い程度の能力削除
面白かった、二人共マイペースそうだもんな
30.80名前が無い程度の能力削除
天則の美鈴っぽい、意外と気さくでマイペースな感じ。
霊夢とのコンビがいい味出してました。
38.100名前が無い程度の能力削除
マイペース同士、良いコンビですね。
この二人のコンビがもっと増えればいいのに、とか思ってしまいましたw
面白かったです。
41.90名前が無い程度の能力削除
基本はスタンドアローン、性質は淡白、気質はあっさり、それでいて両者とも『門』か『楽園』かの違いはあれど、『守る者』でもある。
こう考えると共通点を見いだせるコンビですね。
長生き故の底知れなさが垣間見える美鈴は大好きです。