Coolier - 新生・東方創想話

人形―御遣い―第三話・街道

2005/03/26 05:46:04
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お店の前の小さな道に沿って飛んでいると、大きな道にぶつかった。
「ゥワーァ、オキィネェ」「ヒロイネー」
先ほどまで飛んでいた道の三倍はあるのかな?
これなら、馬車がすれ違っても十分隙間があるね。
「ア、ソダ」
ここで、御遣いの道順を思い出そう。
{森を抜けると、街道に出るから、そのまま道に沿って東に進む。
すると、湖が見えるから・・・}
「ホォラィ、コレェガ、カイドゥダテー」「コレガカイドウダネー」
確か、集落と集落を結ぶ大きな道って意味だったと思う。
鞄の中をゴソゴソと探して、アリスが入れてくれたコンパスを取り出す。
「クルクルー」「クルクルー」
赤い矢印が、クルクルと回り、北を指す。
じゃあ、東は向こうだね。
そういえば、この前アリスとお出かけした時にココを通って・・・
「ムコハ、メリィントサクゥヤノ、ォウチィダァヨネ?」
東を指差して、蓬莱に聞いてみる。
「ウン、メイリントサクヤノオウチダネー」
そっか、それなら・・・
「ジャ、コォコデ、ォヤァツニスゥル?」
丁度、平らな石がある。
あそこにシートを敷いて、どうかな?
「ウン、オヤツニシヨー」
上海がシートを取り出し、2人でそれを敷く。
そして、鞄から「おやつ1」と書かれた袋と、人形用の水筒を取り出す。
おやつの時間は10時と3時。
そして、昼食用袋には「ごはん」5個、おやつ袋には「ごはん」2個ときちんと小分けされて、
さらに予備と書かれた袋もある。
中には3個の「ごはん」が入っている。
アリスの過保護っぷりが伺える。

□■□■□

所変わって、怪しいお店、香霖堂。
「・・・突然居なくなったね」
「本当、さよならの挨拶すら無かったわね」
先ほど、御遣いに来ていたもう一人の客の話だ。
ずずッと、最後の一口を飲み干し、湯呑みを傍らに置く。
「まぁ、代金を払ってくれるだけ、誰かさんよりはマシだと思うよ」
パンパンと、袴に付着したせんべいの食べかすを払うと、小さな布袋を手に持って立ち上がる。
「それじゃ、霖之助さん、また来るわね~」
店を出ると同時に、店主に別れを告げる。
「あぁ、次の来店の際にはお金を持って来てくれる事を願ってるよ、霊夢」
霖之助と呼ばれた骨董屋の店主が、精一杯の嫌味を言って、見送る。
「それにしても、咲夜ったら、能力使うほど急ぐ用事なんてあったのかしら?」
ふわりと中空に浮く。
「まぁいいか、帰ってからの、ご飯が先かお茶が先か・・そっちの方が重要よね」
そのまま神社への道をゆっくりと進むのだった。
「ふぅ・・・」
強奪された品物を思い出す。
「あんなものを欲しがるなんて・・霊夢も女の子だなぁ。」
クククッと一人笑うと、部屋の奥に向かう。
鑑定していない骨董品がいくつかあるのだ。
品物にもよるが、日の光は骨董品の敵だ。
その為、この部屋には窓は無い。
その為、辺りが暗くなった事に、霖之助は気がつかないのだった。

□■□■□

今度は戻って街道にて。
ふらふら・・・
ふらふら・・・
昼間なのに、彼女の周囲は真っ暗。
そして、その少女の表情も暗い。
「うぅ、お腹が空いたよぅ・・・」
きゅるる・・・
可愛らしく、お腹が要求する。
「ぅぁー、どこかに落ちてないかな・・・人間」
ふらふら・・・
ふらふら・・・
「あ、・・・落ちてた」
目の前に、二つの姿が見える。
小さいけど、2人もいるなら十分だよね・・・
よ、よーし、食べられるかな?
急いで2人の背中に近寄る。
少女の口の端から涎が垂れそうになり、
それを袖でぬぐう。
「ねぇねぇ、」

□■□■□

突然真っ暗になったと思ったら、背後からおかしなことを聞かれた。
「、あなた達は、食べられる人類?」
「ンゥーン、ジルィジャ、ナイィヨ」
くるりと振り向きながら、上海が応える。
私も、答えなきゃ。
「タベラレナイヨー」
「えぇー、みんな同じ事言うよぉ・・・」
がくりと、少女がうな垂れる。
ねぇ上海、この人だれだろうね?
「アナァタ、ダレェ?」「ダレー?」
名前を聞かれた少女が、うな垂れた首を元に戻し、
「私は、ルーミアよ、アナタ達はなんて名前なの?」
「シャハーイダァヨ」「ホライダヨー」
「上海と、蓬莱?」
「ゥン」「ウン」
ルーミアが、もじもじしながら可愛く
「上海、蓬莱、お願いしていいかなぁ?」
「ナニィ?」「ナニー?」
「・・・腕一本かじらせて」
「ダァメ!」「ダメー!」
「あぅ・・・じゃ、じゃあ、指でもいいか・・・」
くきゅるるるッ
セリフをさえぎって、お腹が直接要求しだす。
ねぇ、上海、ルーミアってお腹空いてるんじゃないかな?
「ォナァカ、スイテェルノ?」「スイテルノ?」
ルーミアは、音を聞かれたのが恥ずかしかったのか、頬を染めて
「・・・・うん、」
と、小さく呟いた。
お腹空くのは可哀想だね~
シートの上に出してたおやつを1個掴んで、
「タァベルゥ?」「タベルー?」
と差し出す。
「・・・・いいの?」
きょとんとした表情で、私達と、おやつを見比べる。
「ィヨー」「イイヨー」
「ありがとー・・・あむ、」
小さなグミを口に入れてよく噛む。
もぐもぐもぐもぐ・・・ごくん、
ルーミアの表情が段々影って行き・・
「・・・まずぅ・・・」
「ォイシィクナァイ?」「オイシクナイー?」
うーん、私達じゃあ味は判らないからなぁ・・
「ぅぅ、やっぱり・・・」
ルーミアがジリジリと迫ってくる
「指一本でいいから~」
私達に捕食者の手が伸びる
「「ヒ!!」」
ペシッ
伸びてきた手が叩かれる。
「ぃッたーぃ」
「こら!ルーミア、」
誰だろう?
「あ、霊夢」
ふよふよと、宙に浮きながら呆れ顔で腕組みをしている。
この人がレイム・・・
アリスの話に良く出てくる人物の名前だ。
「あんたねぇ、それ人形よ?」
「へ?」
目を点にして、私達を見るルーミア
「シャハイ、ニギョウダァヨ」「ホライモ、ニンギョウダヨー」
「えぇーーーッそんなぁ・・」
地面に膝を着いて項垂れる。
そんなに残念がらなくても・・・
「小人だと思ったのに・・・くふッ」
パタリと路上で倒れる
「ちょっと、どうしたの?」
くきゅるるッ
返事の代わりにお腹が鳴った。
「お腹がすいて立って訳ね・・・でも、人形は食べ物じゃないわよ?」
「ぅー、ニンギョウって、人ってつくから人の類でしょ?」
「そういえば、人類っていつも言ってるわね・・・
って、人形は遊ぶものなのよ?
知らないの?」
「・・・知らない・・」
む、と唸って、霊夢は腕を組んで考える。
「蓬莱だっけ?ちょっとじっとしてて・・・」
ゴソゴソと、手に持っていた布袋から、小さな赤いリボンを取り出し、
私の髪を一束纏めると、それに結びつける。
実は、先ほど香霖堂から強奪した品物だったりする。
普段着が巫女服なので、リボンでもお洒落しようと頂いてきたのだ。
「・・よし、ルーミア、見て」
「なぁに?」
「ほら、あなたそっくりでしょ?」
確かに、私はルーミアと同じ金髪で、おかっぱだ。
それに今は赤いリボンもついてる。
「うん、それがどうしたの?」
「こうやって、着せ替えたりして遊ぶのが人形なの。
それに、いくらあんたでも、自分そっくりなのは食べないでしょ?」
「うん、食べないよ」
「だから、この子も食べちゃだめよ?」
「ぅ・・・うん、じゃあ、こっちはいいの?」
と上海を指差す。
「ぅ・・・、あ!」
とっさに思いついた霊夢は上海の長い髪を纏めて、リボンを結ぶ。
丁度、霊夢と同じポニーテールになるように。
「いい、これは私。
私を食べようとすれば・・・判るわね?」
御札をちらつかせる霊夢。
「ぅ・・・うん、わかった・・・」
ルーミアがしょぼんと、落ち込む。
起き上がる気力もなくなったようだ。
「ぅー・・・、仕方ないわね・・・」
「ぅ?」
倒れたルーミアが、顔を少しだけ動かして霊夢を見る。
「掃除手伝ってくれるなら、お昼食べに来てもいわよ?」
ガバッっと身を起こし
「する!」
霊夢に縋り付いて即答する。
「・・・これでお茶の時間が増えるわ」
小さくそう呟くと、霊夢は私達を見た。
「ふぅ・・あんた達、アリスはどうしたのよ?
それに、いつものより大きい様な・・・」
やっぱりアリスの事知ってる!
「ァリィスハ、オゥチィ」「シャハイト、ホライハ、オツカイー」
「・・・ふーん・・・まぁ、御遣い頑張りなさい」
「ウン、ガバル!」「ガンバルー!」
励まされちゃったー
「ご・は・んーーー!」
動こうとしない霊夢に更にしがみ付くルーミア
「あん、・・ちょ、ルーミアどこ触ってるのよ!」
腰にしがみ付くルーミアに一撃突っ込んで引き剥がすと、霊夢は神社の方角に進み始める。
「わ、まってよー」
ルーミアが、慌ててその後を追いかけていった。
「イチャタァネェ」「ウン、イッチャッタネー」
霊夢、そっけない感じがしたけど・・・
「ヤァサシネェ」「ウン、ヤサシイネー」
アリスが、霊夢は人気者って言ってたけど、
なんとなく判る気がする。
じーっと、霊夢の去っていった方を見ていると、
「ホォラィ、カァタズケェスルーヨ」
あ、ごめんなさい、すぐ手伝うよ~
「ウン、カタヅケー」
広げたシートや水筒を鞄にいれる。
「ョシィ」「ヨシー」
さぁ、御遣いの再開だ!
「ィコー!」「ウン、イコー!」

三話の街道です。

蓬莱にリボン結んでルーミア人形!
+「普通な」霊夢×ルーミアな会話
+香霖堂
な内容です。

今回は蓬莱視点で

突然ですが次回予告

湖の近くまで来た人形二人。
そこでの次なる出会いは・・・?
第四話「湖畔」

なのですが、
春になる前に書きたい内容だったのですが・・4月はすぐそこにorz


EXAM
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コメント



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8.100シゲル削除
相変わらずほのぼのしてていいですねぇ♪
上海達のご飯は人形ようだから他の人(妖)が食べても味がしないんですねぇ。
次は誰が登場するのか楽しみです♪
頑張ってください。