Coolier - 新生・東方創想話

チカラの象徴と誕生日

2005/03/10 07:20:38
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気に入らない部分があったので、書き直しました。

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「おめでとうフラン、495歳の誕生日、おめでとう」
 そう言って、お姉様が私の頭を撫でてくれる。
 お姉様の手、暖かい……シアワセ
「うふふ、お姉様、ありがと」
 パチュリーも、美鈴も、お祝いの言葉をくれた。
 咲夜はケーキを持ってきてくれた。
 一年で、一番嬉しい日。
 でも、一年で、一番怖い、思い出の日。
 ケーキをフォークで突付きながら、あの日の事を思い出した。

◆◇◆◇◆


「おめでとうフラン、300歳のお誕生日、おめでとう」
 今日は私の300歳の誕生日。
「ありがとう、お姉様」
 お誕生日は、プレゼントのもらえる日。
 100歳の時は、自分のお部屋を貰った。
 200歳の時は、この杖を貰った。
 今日は、何を貰えるんだろ?
 お姉様がわざわざ私の部屋まで来てくれたんだ。
 期待に満ちた目で、お姉様を見る。
「フラン、プレゼントよ」
 そう言って、お姉様は、自分の手の平に傷をつける。
「お姉様?」
 手の平が真っ赤になる。
 突如、紅色の魔力を放出させると、手の平の赤と混ざり、紅色の光が棒状に収束する。
 まるで……槍の様。
「受け取りなさい。」
 そう言って私を見るその目は、とても冷たい。
「え…?」
 その魔力の槍を、
「ひだりかた」
 妹である、私に向かって、

 投げた。
 
 左肩に吸い込まれるように紅色の魔力の槍が突き刺さる。
 当たった衝撃で、骨も、周囲の肉ごと抉られる。
「ぇぐッ!? い、痛い、イタイ、いたいぃいいっ」
 左肩から鮮血と激痛が走る。
 私は抉られた左肩を抑えて、その場に蹲る。
「な…なんで! どうして? 私、なにもしてないよ? お姉様、なんで?」
 私は泣きながら、立ち上がり、お姉様に問う。
 今日は、お祝いしてもらえる日なのに、
 どうしてこんな痛い目に合わなきゃいけないの?
「……なにもしていないからよ」
 手に魔力を集め、収束。
 紅色の魔力の束に、うっすらと赤い液体が混ざる。
 お姉様の手のなかで、もう一本の魔力の槍が現れる。

「その杖を…傷をつける魔法の杖を与えたというのに、フラン、あなたは100年の間、なにもしなかったのかしら?」
 お姉様の目が、細くなる。
 私に、期待に裏切られたと、という落胆と、侮蔑の表情。
「ァ…ぅ……」
 痛さと、怖さで、膝がガクガクと震える。
「私は、運命操作を象徴するチカラ……全てを貫く槍を手に入れたわ……」
 狙ったものを必ず貫く。
 それは、指定されたモノの運命を「必ず貫かれる」と書き換える。
「フラン、あなたの能力は解っているわ……万物破壊。
その象徴たるチカラを見せなさい。」
 お姉様が、槍を肩に担ぐ。
「フランは出来る子、スカーレット家の次女……そうよね?」
 にっこりと笑みを浮かべると同時に、
「みぎもも」
 呟き、
 風切り音が鳴る。
 お姉様の腕は、振り下ろされていた。
「ヒッ!」
 私は無我夢中で、宙に飛んで槍から逃れようとする。
 だが、槍は速度を落すことなく、曲線を描き、当然の如く私の右足の腿に突き刺さる。
「ヒギッ!!!」
 貫かれた衝撃でバランスを崩し、無様に床に墜落する。
 腿に風穴を開けられて、床を転げる。
 私は無様にも、
「ひ、…い、イタイ、ぃや、…ご、ごめんなさい、お姉、さま、も、もぅ、やめッ…」
 涙で顔をグシャグシャにして、懇願する。
 お願いします、痛いです、こんなに震えてるんです、頑張ります、いい子でいます、だから、もう、
「……フラン、立ちなさい。」
「ひぃッ」
 冷酷なその言葉に、私は逆らう事も出来ず、血を撒き散らしながら立ち上がる。
「フラン……私をがっかりさせないで。」
 三度、槍を作り出し、呟く。
「……しんぞう」
「―――ッ!」
 ―――死。
 私の脳裏に浮かぶ一文字。
 そして、お姉様は、

 投げた。

 瞬間、何かが弾けた。
 プチン
「ウワァァアアアアアアァアアァァァアアッ!!!!」
 無我夢中で、
 全力で、
 杖を振る。
 かつて、「黒」と呼ばれた炎の巨人が振るった杖。
 「黒」と呼ばれた炎の巨人の持つ炎の剣によって世界に放たれ、全てを灰燼に帰したチカラ。
 そのチカラが、杖より放たれて、世界を焼いた剣を形成される。
 心臓に真っ直ぐ向かってくる魔力の槍を、その一薙ぎで破壊する。
 「必ず貫く」と決定された、運命すらも。
 
 私は目を疑った。
「素晴らしい…わ……」
 お姉様が、褒め言葉と供に、
 お腹を無くした上半身と、
 バランスを崩した下半身が、
 崩れ落ちる。
「お…ねえ、さ……いやぁああぁあああああああああああッ」
 私の一薙ぎは、向かってきた槍ごと、お姉様の胴を消し飛ばしていた。
 私は自分の怪我も気にせず、お姉様の元に駆け寄り、お姉様の上半身を抱き上げる。
「ごッ…ごごご、ごめ、なさッ、わたッ、わたし、グスッ、わざとじゃ、わざとじゃなッ、いの、
お、お姉様、い、イタイのも、が、我慢する、から、もう、喚かない、からッ、イイコでいるから、
ゆ、ゆゆ、ユるシテくダサィ、ユルシテ……」
 ガタガタと震えながら、怯えながら、私は謝罪する。
 オシオキが怖いんじゃない。
 叱られるのが怖いんじゃない。
 ただ、お姉様の妹で居られなくなるのが、怖い。
 何も知らない私に色々教えてくれるお姉様。
 外は危ないところだと、部屋をくれたお姉様。
 いけない事をすると、きつく叱ってくれるお姉様。
 そして、私を褒めてくれる時に、頭を撫でてくれるお姉様。
 そんなお姉様に嫌われたくない。
 捨てられたくない。
「何を許せばいいのかしら?」
 何事も無かったように、喋り始めるお姉様。
 お姉様は特に体が強く、丈夫で、頑丈で、
 スグに下半身をコウモリに変えて呼び集め、体を元通りにし、
 お姉様が手を伸ばす。
「ひッ」
 私は怯えて後ずさりしてしまう。
 また、槍で刺される?
 それとも……
「フラン……よくやったわ、おめでとう、」
 出した手で、怯える妹を優しく抱きしめる。
「ぇ……」
「さすが、私の妹ね。やれば出来るじゃない…」
 怯えを拭い去るように、優しく頭を撫でてくれる。
「……ぁ、」
 やっと、理解した。
 私は、お姉様の期待に応える事ができたんだ!
「ぅぅ……おねえさまぁぁああッ」
 私は、お姉様にしがみついて泣き出してしまう。
「ふふ、怖い思いをさせてしまったわね……」
「ふぇぇええぇ、ぐしゅ、お、おねぇさま、おこってない、の?」
「怒ってないわよ、フランがいい子だって、出来る子だって判ったんだもの、逆に嬉しいわ」
「よかったぁ……あ、あれ?」
 安心したせいか、緊張が解けてしまった瞬間、全身から力が抜けてしまう。
 傷は治りかけているけど、ヨロヨロな私を見て、
「ふふ、私が抱いて部屋までつれてってあげるわ。」
 言いながらお姉様が私をお姫様抱っこして持ち上げる。
「わッ……えへへ…」
 暖かくて、優しい……いつものお姉様だ……
「さ、ケーキが待ってるわ、お腹ペコペコ~」
 お姉様がおどけてみせる。
「ぅん、ケーキ、ケーキ、ケーキ~」
 

◆◇◆◇◆

「妹様、ケーキのおかわりは宜しいでしょうか?」
 咲夜が空になった私のお皿を見て、聞いてくる。
 あ……いつの間にか食べちゃってたんだ。
「うん、おかわり!」
「ふふ、フランは食いしん坊ね…」
 お姉様が、私を見て笑う。
「えへへッ」


 今日は私の誕生日。
 一年で、一番嬉しくて、一番怖い思い出のある日。
気に入らない部分があったので、書き直しました。
ついでに、タイトルも変更w
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フランは、極度なレミリアお姉様依存症だとオモイマス!
レミリアお姉様が正義、レミリアお姉様が命

北欧神話なスペカな話。

作中のレミリアが、魔力に血をブレンドさせてるのは、運命操作をより強くする為です。

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傷をつける魔法の杖=レーヴァティン
世界を焼き尽くした炎の魔剣=無銘
上記が、「黒」の意味を持つ炎の巨人スルトの武器。
必ず貫く槍=グングニル
上記が「激怒」の意味を持つ、オーディンの武器。
こっちは有名なので説明省略w

スルトは、神々の滅びの末路である「ラグナロク」の時に、
「支配」の意味を持つフレイと戦います。
フレイは、「独りでに巨人を倒す剣」とも、「勝利の剣」とも言われる無銘だが、最強の剣を持っていましたが、
巨人族の女と結婚する為にその最強の剣を失い、スルトのレーヴァティンに敗北します。

そして、一人生き残ったスルトは炎の魔剣で世界を焼き尽くし立ち去ります。

つまり、レーヴァティンと炎の剣は別々の存在なんです。
殆どの人が勘違いしてるはず。(多分zun氏も…
あと、グングニルは必中するから貫くんじゃなくて、必ず貫くから、必中なんです。
これも勘違いしてる人多そうです。

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多分回復しました。
某スレの皆様のおかげです。
どうもありがとうございました。

無駄なレスで消費したくないのでココでお礼をw

EXAM
exam0@hotmail.co.jp
http://homepage3.nifty.com/exam-library/
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コメント



0.940簡易評価
18.70名前が無い程度の能力削除
『レーヴァティンとスルトの炎剣が同一かつ別名の存在である』
と言う説も存在しますので、短絡的に『勘違い』と言い切るのはどうかと。
(この手の神話には全く違う形状の物を同一させる事が多いので)

また『レーヴァティン』の名称中に存在する『~ティン(テイン)』は
『杖(錫杖?)』の意を持つ、と言われていますが
同じく名称に『ティン』を持つ『ミスタルティン(ミストルティン)』は
刃物(少なくとも刃を持つ物)であったとも言われていますので、
一概に『こう』と決め付けるべきではないとも思います。