Coolier - 新生・東方創想話

トモテン

2010/06/13 13:50:11
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 人には生きる時間に限りは有るもの、そして時間は流れてゆくわ、それこそバターを塗った食パンを落としてしまったら塗った方が床に付く様に必然的な事。そのため限りなく僅かな時間を人は必死に生きてゆく……まあ例外もいるけどね

じゃあ時間が有って暇ならばどうするかしら?答えは簡単よ、暇があるなら潰せばいいじゃない

「と、言うわけでここに来た訳わ」
「よし帰れ」
「無茶言うわね、縄に巻かれた状態でここから出れたら、私は手品師ね」
「あら、やってみる?もっとも灰に成ってなら抜けられそうだけれど」
家に入った瞬間に人形にいきなり体を縄で絞められ巻かれるなんて経験ここ以外で、できないわね。まあ、そんな事をしたい人も……ああん、ちょっと癖になるかも……ってそんな事はどうでもいいのよ!

「ふふふ、そんな事を私に言っていいのかしら?」
「百害あって一利無しだと思うけど、というか燃やした位じゃどうにもならないわよね、あなた」
……あれ、そんなに私の評価って低いの?ちょっとはマシな事をした事も、例えば天候を色々弄ったり、神社壊したり、ふらふら動き回って衣玖に迷惑かけたり…………うん、自分で言うのもあれだけれど、ダメだこの天人

「そう言えば、なんで私の家に来たのよ、別に神社とか魔理沙の所でもよかったんじゃない?」
「甘いわね!それこそ家を掃除しようと予定を建て1時間で済まそうとするほどに甘い、家の掃除なんて、本が見つかれば何故か読んでしまい、アルバムが見つかれば昔を振り返り、ああ、あんな事があったな~とか、あいつはまだ元気かな~とか、そうそうこの人が初恋の相手だったんだ、とかなんやかんや合って3時間位掛かったりするのを予想しないほどに甘いわね、ここに来るのは初めから決まっていた事、そう!それこそあなたと出会う前から決まっていたような物、つまり運命よ」

「つまり、あみだくじね」
……よくわかったわね

「で、来た目的は二つあるのよ」
「あら、丁度私も二つあるわ、一、侵入者を追い出す、二、追い出した後に扉に結界を張る、この二つね」
「一、暇つぶし、二、人助けよ、私は」
「人助けって言うなら出て行きなさいよ」
「残念ね、私には目の前に鬼しか見えないわ……って、いたい!いたい!絞めないで!!」
う~ん、最近の若い子はキレやすいわね

「うう、一人で、のんびりと暮したいだけなのになんでこんなのが……」
「そこよ!」
「へ!?」
「こんな人が来ないような森の中で研究なんてしてたら友達なんてできやしない!」
「うっ!」
「質問しましょう!あなたの友達……そうフレンドは片手で数えられる位かしら!?」
「うぐ!」
「そう!友達が少ないのはフォーレストのインサイドに居るせいなのは確定的に明らか…………でも無いわね、魔理沙は多いいし……ま、まあ私はここに貴方の友達を増やす為に来たのよ」
「……却下できるかしら?」
「却下で」
明らかにめんどくさいのが来たな~って顔してるわね、だが、この天人一度決めた事は死んでも破らないわ

「一先ず、今まで一回も失敗した事の無いこの私に任せなさい!」
「今までやった事はあるの?」
「あら、信用ないわね一度もやった事無くて、こんな事を言うとでも思うのかしら?」
「ええ」
デスヨネー……まあ、もちろん無いけど
「ええい!家の中にいてもどうにもならないわ!外へ行くわよ外に!」
「仕方ないわね、先行ってるわよ」
いかにもしぶしぶと云った様子で外へ出て行く人形遣いを見ながら、さてどうやって増やそうかしら、やはりここは……って、あれ
「あのーアリスさん、縄が絞まったままなんですが、あれ、私を置いて行かないでー!」
ああん、振り向きもしないで飛んで行く所が素敵ね、具体的には私は縄に逆さまにされて家の扉の前に吊るされている、つまり

「……シマパン」
あ、小さく言ったのに聞こえたらしく戻ってきた……手に何か持っている様なあれは……松明?

「フフフ、天人の縄抜けショーね、お代は貴方の命でどうかしら」
「いやいや、私は何も見て無いですよ、ホントウデスヨ」
「あら、私は「見たか?」なんて聞いて無いわよ、聞いて無いのにそんな事を言うなんて……ねぇ」
あ~……うん
「すみませんでした」
「よろしい」
ふう、やっぱり人間素直が一番よね、悪い事をしたらすぐ謝るこれ鉄則!
……あれ

「あの~アリスさん、何か背中が熱いんですが?」
「せめてもの、心づかいよあそこで誤魔化したら正面から点けてたわよ」
どこで、間違えたのだろうか
「たぶん、ここに来た事からね」
さすができる女は声に出さなくても思考を読めるらしい
「いや、顔に出てるだけだから」



………………
…………
……



「で、結構飛んでるけど何処に行くわけ」
「ん~、もしも貴方が神社へ行こうと予定してたとしましょう。でも神社が無残にも何者か壊され無くなってたら違う場所に行くでしょ?」
「まあ、そうね」
「つまり」
「特に考えてないってわけね」
「…………ええ」
「というか、今更だけど友達なんているのかしら?付き合いとか大変じゃない?」
「じゃあ、逆に聞くわよ、私みたいに成りたいのかしら?」
「ごめんなさい、勘弁して」
なんとも清々しいほどの即答、反面教師という者かしら、あれ、とても青々とした空なのに雨かしら前が見ずらいわね……ううぅ

……ん、あれは
「そう言えばこの近くって人里らへんよね?」
「え?そうだけど、え~と、あそこが人里ね」
指を指した方を見ると少し目を細めればくっきり見える位の距離に人里が見えた
「で、何でいきなりそんな事を?」
「あそこあそこ」
「……ん~あれはルーミアね」
私が指を差す方向には小さな山が有り、一か所だけ丸い円状の暗闇ができている
「何か追いかけてるようにも見えるわね」
「たぶん、人里の子供だと思うわ」
「何でかしら?」
「ん」
ルーミアの居る位置から少しだけ指の方向をずらした所に
「あれは子供がいるわね…………って助けないと!」
と言うなり飛び去って行った……だけならいいのだけど
「あの、アリスさん、何で私まで?」
縄は解かれたのだが今度は糸で巻かれている。体を動かすには不自由が無いのだが、アリスが引っ張ったりすると問答無用に連行されるわけである

「私がルーミアの相手をするからその間に子供を人里まで連れて行って頂戴」
「いやいや、子供が一人で山に来るくらいだし理由があるんだって、それに山に来るって事はいざという事態を想定してると思うわ」
「あら、じゃあ聞くけど貴方の目の前で殺されかけてる子供がいたら見殺しにできる?」
「Exactly、伊達に空から毎日下界を眺めてたわけじゃないわ、何人者の人が妖怪に食べられる所を見てきたわ……だけど困ってるかわいい女の子がいたら助けてあげるそれが私よ!」
「変態ね」
「もっと言って頂戴」






山の中腹付近に黒い球体が浮かんでいたその球体から少し先に小さな女の子がかごを背中に背負って走っている

その二人の間に降り立ち

「ルーミアその子を襲うのをやめてくれないかしら、やめてくれたら後でご飯を振舞ってあげるわ」
「う~ん何とも魅力的な提案ではあるんだけれど」
グギュウルルゥと、黒い球体の中から腹の音と思われる音が響いて来た
「と、腹が限界でこれ以上待ちきれないんだよ」
「少し位待てないのかしら?」
ちょんちょんと手を突かれ小声で
「何やってるの時間を稼いでるんだから早くその子を連れて逃げなさい」
あ~そうだった
「ほら、背中に捕まって」
「え、は、はい」
「行くよー」
「え、えええええええええええええ!!」
初めて空を飛ぶのだろうか、驚くのも無理は無いと思うけれど、背中に背負っている状態で叫ばれたら……耳がいたいわ

「子供逃げちゃったねー」
「ええ、逃げたわね」
「じゃあ、あなたは食べていい人類?」
「あら残念、人類は人類でも魔人よ」
と、言い終わると同時に球体がアリスに向かって走り出した
「ずいぶんと直線的な攻撃ね、上海!腹に穴を開けてあげなさい、空く腹が無ければ腹も減らないでしょ……しゃんはい?…………あ」
……家に忘れてた




………………
…………
……


青空の下人里へゆらーり、ゆらーりと飛びながら
「そう言えばそれ、薬草かしら」
「え、よくわかりましたね」
「わざわざ、危険な山まで入りそしてかごを襲われながらも捨てて逃げなかったと見ると、家に病気か怪我をしてる人がいるかどうかは知らないけど、それ以外無いでしょう」
「な、なるほど……あ、そう言えば」
「ん?」
「あの金髪のお姉さんって人里で人形劇をやっているんですよ」
「あ~そうらしいわね、え~とそれで」
「さっき人形持ってました?」
「あ」
今いる位置から人里までそう遠くも無い位置だが、今この間にもアリスが危険な目に合っていたらどうする?、かと言ってここで戻ったらこの子に危険が及ぶかもしれない、ならどうするか


答えは選ぶものでは無いわ、そう!選べないならどちらも選択すればいいじゃない、この子を守りながらアリスを助ける、なんとも完璧な天人ね私

「よし」
「戻るんですねわかります」
「……」
「顔に出てますよ、守ってくださいねお姉さん」
……そんなに顔に出やすいかしら


………………
…………
……





「あのーアリスさん」
「何かしら」
「そこら辺で許してあげてくれませんか?」

初めにルーミアに出会った位置に戻ると何故か、ルーミアの頭から足までブーツの跡がびっしりと付いている。前に見たことがあるような…………あ、思いだした、たしかアリスが天界に来た時に戦闘した時だったわね、たしか、先制攻撃よ!って勇んで走って切り裂こうとしたら、見えたのはブーツの裏、気がついたら10メートルは飛ばされていたわね。ならば遠距離よと思ったら弾幕を抜けて来てドゴッ!と音がしたと思ったら腹に重い一撃が…………ああ、あの時は結局人形使ってる所見てなかった気がする

「あ~これはやり過ぎたかしら……ね」
「明らかにやり過ぎだと思うわ」
……なんかぴくぴくしてるし
「え~と、薬草少し貰っていいかしら」
「あ、どうぞ」
「ごめんなさいね、アリスが少しやり過ぎた性で」
「いやいや、食われそうになったんだから仕方ないじゃない」
反論を流しながら薬草を千切り中から出てくる透明な液体を体に擦り付ける

「これで後は適当に放置しておけば勝手に治るわ、妖怪だしね、後は」
帽子を取って付いている桃をモキュッと取り、これを置いておけばいいでしょう

「あんたそれ、飾りじゃなかったの」
「寝る時に食べると丁度熟れてて美味しいわよ、毎日寝る前に食べてるわ、じゃあ帰りましょうか」
「うわー何かすごく釈然としないわ」


その後、人里へ女の子を送り、アリス家へふらふらと飛びながら

「そう言えば結局、友達がどうとか何とかはどっかへ行ったわね」
「ふふ、何を言ってるのかしら友達ができたじゃないとても素敵な友達がね」
「へ?どこにいるのよ」
「あなたの目の前にいるわよ」
「それってまさか」
「そう、私よ!」
「天子」
「アリス」

「「大好きよ!!!」」

こうして二人はいつまでも仲良くなったとさめでたしめでたし……












「と言うのは、どうかしら?」
「無いわね、と言うかBAD ENDねこれ」
「どう見てもHappyENDじゃない」
現在、アリスの家で紅茶を飲みながら二人でくつろいでいる
「いや、だって帰る途中何も無かったし結局この友達大作戦が無駄になるのもあれだし、捏造してもいいじゃない」
「お前はどこぞの天狗か」

「ピンポーン」
「あれ、誰か来たみたいね、はいはいどちらさまー」
「アーリース!ご飯食べに来たよーそれと手当と桃ありがとねー」
「え、あれは私じゃなくて」
「さすがアリス、できる女は違うなー憧れちゃうなー」
この天人何を言ってるんだ
「ごっはん!ごっはん!」
家に入ってくるなり椅子に座りご飯コールをしてくる、手にフォークとナイフがあったなら確実に皿にチーン♪チーン♪と鳴らしているわね……っと簡易ながら食事ができたわ

「ほら、できたわよ熱いから火傷しないでね」
「「はーい!」」
……あれ
「何であんたまで食ってんのよ、そこの天人」
「ご飯は大人数で食べた方が美味しいと決まっているわ、その為腹が一杯でもルーミアを思い一緒に食べてるのよ」
「要するに食べたかっただけね」
「ええ」
「まあ、いいけど、それとルーミア人を襲うのはやめなさい……代わりにお腹がすいたらうちに来なさい、そんなに美味しくはないかも知れないけど、それなりに自信はあるわ」
「えーこんなに美味しいじゃん、これだったら人間なんて襲わずにここに来るよーそれにさっきその子を襲うのを止めたら、後でご飯を振舞ってあげるからって言ったから、あの子を襲わなかったんだよー」
「私は襲ったわね」
「アリスを襲ったらいけないとは言って無かったよ」
「……そうだったわね」

「ま、まあいいわ、人間は絶対襲わない事ね襲わなかったらご飯を振舞ってあげるわ」
「「はーい!」」
「天子あんたはお呼びじゃないわ」
「あ、やっと名前で呼んでくれたわ、これは友達の証かしら」
「絶対に違うわね」


それから、ご飯の時間になるたびアリスの家にルーミアが来る様になった
「はあ、仕方ないわね、ほら手を洗って席に着く」
と、めんどくさそうな顔をしているが嬉しい様だ、ご飯の時間近くになるとそわそわしている
「で、何で天子もいるわけ?」
「だから言ったじゃないご飯は大人数で食べる方が美味しいって」
「あー……まあいいか」
「ピンポーン」
「ほら着たわよ」
「アーリース!ご飯食べに来たよー」
八重歯を出しながらアリスに抱き付くように飛び着いて行った、とても仲がよさそうに見える……いや、見えるのではなくとても仲がいい……わね

「さて、めでたし、めでたしっと」
「何にか言ったかしら?」
「なんでも無いわよー」

さて、そろそろ次の友達探しをしましょうかしらね
「そう言えば困ってるかわいい女の子がいたら助けてあげるって言ったけど」
「あ~言ってたわね、あの子かわいかったわね」
「あれ、アリスに向けての言葉よ」
「ぶっ!」
わー、私の顔が紅茶で赤く染まってくー







てんし、そう!天使つまり天子はキューピットだったんだよ!
と言うわけで、第9作目 う~む、前作は読みにくいと今までの中で一番言われてたのう、今回はそれを踏まえ多少は読みやすく……なったと思いたい
醤油
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コメント



0.860簡易評価
10.100名前が無い程度の能力削除
天子が可愛いことが再認識できました。ありがとう。
11.100名前が無い程度の能力削除
ハチャメチャで面白かったです。ルーミアと天子の可愛さは有頂天。