Coolier - 新生・東方創想話

無名と紅魔館1

2010/05/03 00:41:02
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鈴蘭がたくさん咲いている。
はて、いつの間にこんなところに来たのだろうかと、少し考えてみる。
答えは・・・出てこない。
自分はいったい誰だったか・・・。
考えてみる。
やっぱり答えは出てこない。
ただ、ここの空気はなんだか懐かしいような、暖かいような感じであふれている。
これはいったい何なのだろう。
ヒュウ、と風が吹いている。


 ※     ※     ※


「お嬢様、これはいったい何事ですか?」
紅魔館のメイド、十六夜咲夜が目の前の奇怪な状況に、思わず声を上げた。
(ちなみにわかっているとは思うがお嬢様、とはレミリア・スカーレットのことである。)
「何って、花火よ!夏といえば花火と決まっているじゃない。」
「花火、ですか?」
(さらにちなむが、今はもう秋である。)
しかし、目の前に広がるそれは花火とは全くかけ離れているものだった。
目の前のものそれは・・・ナイフなどの食器類と、フランドール・スカーレットだった。
「霊夢の話によると、花火というものは空で爆発するものらしいわ。だから何か兵器の類なんだろうけど咲夜、ちょっと火薬持ってないかしら?」
どうやらこんどは霊夢に変なことを吹き込まれたのだろう。まったく。
しかしまた、
「なんで妹様が?」
「咲夜ひどーい。私はいちゃいけないのー?」
それまで一人でナイフで遊んでいたフランドールが会話に入ってきた。
「別にいていけないというわけでは・・・。」
「なんでなのー。説明してー。」
いささか腹を立てた様子だ。まったく面倒なことになったものだ。
フランは話を聞こうとしないし、レミリアはレミリアで何やら金属製の筒に食器類を入れ始めた。
「?!」
ふいに咲夜が何かに反応したように振り向いた。
「咲夜どうしたのー?」
フランのこえで咲夜は、吾に還ったようにフランに行った。
「なんでもありません。少し不思議な感じがしただけです。」
「変な咲夜ー」
さきほどの怒りもどこへ行ったのだろうか。フランはレミリアのもとへかけていった。
そこで、ふと窓の外を見る。
そこでは、風がやはりヒュウと吹いていた。


 ※     ※     ※


その男はただ歩いていた。
どこまで行っても鈴蘭が咲いている。
何なのだろう。何も思い出せないのか・・・いや、何か頭の中で一つ、ぐるぐると回っているような感じだ。
何だろうと思い必死に考えてみる。
そしてなにかが記憶から浮かび上がってきた。
それは、恐怖だった。



・・・まわりにいるのは、一面の人、人、人、人、人。
あるものは一人で、またあるものは複数で。
恋人と、友人と、家族と。
右には幸せそうな夫婦がいた。
左には絶望している学生がいた。
前にも、後ろにも幾百幾千もの人々がいた。
しかしそれ自体は何の恐怖でもない。
本当の恐怖は、視界に移る人々の意思が見えることだった。
そしてついに、男は・・・。


ここから先は、わからない。
この男が自分なのかそれとも、赤の他人なのかは、わからない。
そんな中、男は鈴蘭の中で何かに出会った。
巨大な腕に、長く伸びた爪、ここ幻想郷の中でも下位に位置する妖怪だがそんなことが分かるはずもない。
「ひい!」
男は、まるで、固まってしまったようだった。
一般人ならここで何の根拠もない幻想に逃げてしまうこともできたが、なにしろ、相手の意思が見えるのである。
もう、だめだ!
そう思って目を閉じた。
そこで信じられないことに、ナイフが飛んできたのだ。
すさまじい速さで、それも一本ではなく。
「なんなんだよ」
独り言を言ったつもりだった。
しかし、
「何だといわれても。人が馬鹿な妖怪に襲われていたら、ふつうは助けるものでしょう?」
正直驚いた。何せ微塵も悪意が感じられない人間が急に目の前に現れたのである。
驚かないほうが、異常ではないだろうか。
(彼女がきているふくは、あまり気にならなかった。)
だが男の脳内でやけに響く言葉があった。
『ようかい?今、妖怪と言ったのか?』
なぜそんな言葉に自分が反応しているのか。
「ようかい」
思わず口に出してしまった。
「その恰好からして里の人間だろうけど・・・。こんなところに来るものじゃないわよ?今みたいなのがうようよいるし。」
どうやら聞かれていなかったらしい。だが、これはチャンスだ。
人の集まる所に行けば自分が何者かわかるかもしれない。そうだ、だれか知っている人にでも会えば何か思い出せるかもしれない。
淡い希望を胸に、男は
「道に迷ってしまって、送って行ってくれませんか?」
「まあ、いいけれど。」
「すみません。」


 ※     ※     ※


「あら、咲夜。遅かったのね。フランは眠っちゃったわ。」
「すみません。人助けをしていたもので。」
「まあいいわ。それで手に入ったの?あなたの言う花火は。」
しまった!完全に忘れていた。咲夜はかなり後悔した。
なぜかというと、あの人間を助けたせいで、買って帰ると言って出てきた本物の花火を買ってくるのを忘れていたのである。
これはもう残念としか言いようがない。
「申し訳ありません。じつは・・・。」
「まあ、そんなこったろうと思ったわ。」
しかし、ふと咲夜はおもった。
なぜ自分はあんなところにいたのだろうか。
花火を買うなら里に行くか、香霖堂にでも行けばすむことだ。なのになぜ。
なぜ自分は無名の丘になんか行ったのだろうか。
鬼の力でも使っていたずらでもされたのだろうか。
しかしそれだとあの状況は不自然すぎる。
いったいどうしたのだというのか・・・。
「咲夜!」
「!?」
気がつけば、後ろに魔法使いのパチュリー・ノーレッジが立っていた。
「もう咲夜?聞いてるの?さっきからムキュー、とした顔して。」
「申し訳ありません、パチュリー様。少し考え事を。・・・あの、何か御用ですか?」
「そうなのよ!まったく何も聞いてなかったのね。」
どうやらパチュリーは少し前から咲夜に話しかけていたらしい。まったく気がつかなかった。
「小悪魔がいなくなったの。咲夜、知らないかしら?」
「いいえ・・・。先ほどまで出かけていたもので。」
「そう。ならいいわ。ありがと。」
そういうとパチュリーは図書館へ戻ったようだ。咲夜もいったん自室へ戻って考えることにした。
まったく、風邪でも引いたのだろうか…。そう思って、
「少し、疲れているのかも知りませんね。」
少しだけ重く感じる足で、部屋へと戻って行った。


 ※     ※     ※


さきほど、町を出た。
つい先ほどまでの期待は、思いっきり裏切られた。
どうやら、自分を知る者は文字のとうり誰もいないようだ。
そして、もうひとつ発見があった。
自分が、里の人間とはきているものが何一つ同じではなかったことだ。
彼らは、和風の着物などを着ているものが多かったが、(もちろん、洋服のものもいた)自分は大きめのコートにチノパンと、かなり怪しげな恰好だ。
次々と疑問がわきあがってくる。
そして、その疑問はだんだんと孤独感へと変わっていった。
孤独に押しつぶされそうになりかけたその時。男にいいアイデアが浮かんだ。
「さっき助けてくれたあの人なら・・・。」
それは、まさに救いとも思えた。だが、どこにいけばいい?
里には、メイドさんを雇っていそうな屋敷も、店もなかった。
もうこうなったら、勘に頼るしかない。
自分を信じて前進あるのみだ!どのみちいつかはたどり着けるだろう。



もう、三時間は歩いただろう。あの時の選択は間違っていた。
なぜ、いったん里に戻って人に訪ねたりしなかったのだろう。
そう、思いながらも歩みを止めないあたり、まだ、体力が尽きたわけではなさそうだ。
そして少し歩いたところで、一気に視界が開けた。
目の前には、すこし不気味にさえ思える真っ赤な館が。
男は、迷うことなく進んでいった。
目の前に大きな門が現れる。少し右に目をやると、どうやら門番らしき少女?が眠っていた。(ナイフが5~6本は刺さっていたがみえはしなかった。)
少しためらったが、意を決して門をくぐる。そして、広大な庭を横切って紅い扉にたどり着いた。
「すみませーん。誰かいませんかー?」
扉をたたきながら言うと、キイッと音を立てて扉が開いた。
入ってみると先ほどの人が驚いたような顔をして立っている。
「よくここに来れましたね。ご用件は?」
こうやって改めて見ると、かなりきれいなことが分かる。
顔立ちもきれいに整っているし、銀髪もその美しさをさらに強調しているようだ。
「ご用件は?」
もう一度言われて気が付く。そうだ、見とれている場合ではない。
「じつは・・・。」
今までのことを正直に話した。ついでに、今夜止めてほしいとも。
話し終えると、
「わかりました。お部屋にはすぐにお通しします。こちらへ。」
そういうと彼女は歩き始めた。
しばらく歩くと、すこし気まずくなってしまったので、何か話題でもないものかと思い名前を聞いていなかったことを思い出した。
「そういえば、名前をお聞きしていませんね。」
と、すこし緊張気味にいうと、彼女は、
「そうですね。わたしは、ここ、紅魔館でメイド長を務めています。十六夜 咲夜と申します。あなたは?」
しまった!そうだ。人に名前を聞いたら必然的に次は自分の番じゃないか。なぜそれに気がつかなかった。
偽名でも使って、ごまかそうかとも考えたが、言い名前が思い浮かばず、本当のことを言うことにした。
「じつは、何も思い出せないのです。」
そういうと咲夜は、
「そうですか・・・。」
また気まずくなってしまった。
他に話題はと思い、思い出した。扉が開いたときに、幾分か驚いたような顔をしていたことを。
これはラッキーだ(なにが?)と思いさっそく話しかける。
「そういえば、扉を開けた時なぜ驚いたような顔を?」
彼女によれば、いつもならお構いなしに壁を突き破ってきたり、自分ちのように入ってきたり・・・。
信じ難かったが話し方からすると本当のようだ。
かなり気まずくなってきてしまったがその時、
「つきました。」
助かった。のか?とりあえず部屋に入る。
部屋には、大きめのソファー、それからベッド。特に変わったところもなかった。(真赤なのは別)
「夜になりましたら、お嬢様にお会いになられますよう、お願いします。」
「あ、はい。」
「それでは。」
そう言って咲夜は出て行った。



さて、これからどうしようか・・・。
あれこれと考えているうちに、いつの間にか深い眠りに落ちて行った。


※     ※     ※


コンコン、コンコン、ドアをノックする音が聞こえる。
は!いつの間にか眠っていたようだ。
「よろしいですね?」
そう言ってドアが開いた。
「お嬢様がお呼びです。」
言われるがままに咲夜についていく。十分ほど歩く
そして、明らかにほかの部屋とは違う豪華さの扉が現れる。
ゴクリ、と唾をのむ。いったいこれほどの屋敷にすむ『お嬢様』とは、いったいどんな人物なのだろうかと考えたその時、
スウとドアが開いた。
みなさんはじめまして、新生ゆっくりです。予想以上に長引いてしまったのでいくつかに分けました。
続きは今頑張りまくって書いています。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。(・ω・)
新生ゆっくり
redastray@ac.auone-net.jp
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コメント



0.230簡易評価
13.無評価名前が無い程度の能力削除
他に言う人がいないので、とりあえず。
まず分けるほどの長さではないかと思います。
他の方のを見てもらえば分かると思いますが、
あなたの数倍は書いていても分けてることはありません。
次に三点リーダーの使い方がバラバラです。
・・・を使うのは止めたほうがいいかと。
そして台詞の中でですが、
括弧をつけるなら、
。はいらないかと思います。
最後にですが、
この創想話で、オリキャラを出すのは、
余程の実力がない限り、
あまり良いものではないですね。
誰がどのようなものを書こうと自由ですが、
とりあえず参考までに。
次回作もあるようなので、
フリーレスで。
次回に期待しております。
17.60ずわいがに削除
出だしはそんなに悪くないです。
もし続きがあればまだ読んでみたい気にはなります。

さて、男は何者なんでしょうかねぇ