Coolier - 新生・東方創想話

かえるゲコゲコ

2010/05/01 08:47:51
最終更新
サイズ
5.56KB
ページ数
1
閲覧数
930
評価数
10/33
POINT
1900
Rate
11.32

分類タグ


私穣子は、静葉の妹である。
能力は豊穣を司る程度の能力、近くにいるだけで畑の作物を豊作にすることができる。
そのため人間達に毎年収穫祭に呼ばれる。

今年も私のみが呼ばれたので、今からでかけるところだ。

「いってらっしゃい」
「ゲコゲコ」

カエルを肩にのせた姉に見送られて。



私の姉は紅葉を司る程度の能力である。
文字の通り紅葉のための能力だから人間達に感謝されることは無く、収穫祭にも呼ばれない。
そんな彼女の二つ名は寂しさと終焉の象徴。
秋のために生きる私達にとって、これほど寂しい二つ名は無いだろう。
何しろ秋の始まりを告げるのが私であれば、姉は秋を終わらせるとしか見てもらえないのだから。
しかし私なら別の二つ名をつける。
カエルの王女様、と。


姉はカエルが好きだ、愛してると言っても良い。

「どうやったらぴょんきちとの間に子供産めるんだろう…」

とか言い出すぐらいに末期だ。
無理だから、私達卵なんて産めないから。
それにもし姉とカエルとの間に子供ができたとしたら。
静葉×カエルなのか、カエル×静葉なのが疑問な所だ。

姉とカエルがこんなにも仲良くなった原因は私の能力も関係している。
ような気がする。
私と姉が一緒に出かけ田んぼの作物を豊作にしているのを見ている時、一匹のカエルが姉の肩に乗り
ゲロゲロと鳴き始めた。

そうして姉はカエル好きになった。
あれ? 私関係してなくね?
元々姉は私だけ呼ばれる収穫祭のことを気にしてた節がある。
そのため秋の終わりとともに姿を消すカエルを同類と思ってしまい…
いやそれだけでカエルを愛するのも変な気がするが、他にも原因がある。

私達は攻撃能力を持たない。
そのため妖怪や人間に襲われても逃げることしかできない。
昔、妖怪達に襲われ逃げていた私達は途中ではぐれてしまった。
私はなんとか逃げ切ったが、姉の姿が見当たらない。
もしかしてやられてしまったのか、そう思い姉の姿を探すと
カエルがゲコゲコ鳴いていた。
そちらの方を向くと、姉がペットとして飼っているカエルがいた。
その時何故そんなことを思ってしまったかわからないが、そのカエルを見たとき私は

「私を呼んでる?」

そう感じて、鳴いているカエルを追いかけることにした。
後ろ姿からは

「来いよ、穣子。疑問なんて捨てて追ってこい」

そんな風に言ってるように感じた。
実際はゲコゲコとしか鳴いてないけど

そうして私が見失いそうになると立ち止まりゲコゲコ鳴き
追いつくとまた跳びはねていき、見失いそうになるとまた止まる。

そんな事を繰り返していると、怪我をして倒れている姉を見つけた。
なぜか周りに大量のカエルを引き連れ、大合唱となっていたためわかりやすかった。

幻想郷において、カエルの立場は低い
なにしろ力も無く、知能も無く、ただ数がいるだけだ。
妖怪の戦闘に巻き込まれて死に、暗闇妖怪に食べられたり、妖精に凍らされ殺されたり、今では弾幕勝負中に流れ弾で吹き飛ぶこともある。

そんなカエル達を唯一保護してるのが静葉だ。
どこが気に入ったか知らないが、姉はカエルが大好きだ。

倒れている静葉にかけよると、怪我をして気を失っていた。
周りのカエル達からは

「遅い」
「早く助けてくれ」
「早く安全な場所に」

そんな風に急かされてるな気さえする。
実際ゲコゲコとしか聞こえないがあながち間違って無いだろう。
怪我をした姉を抱きかかえ、家に向かう。
なぜかカエル達も付いてくる。

そんなことがあり、姉と私はカエルが好きになった。
といっても私はあくまでペットとしてカエルが好きなだけで。
姉のように

「ぴょんきちと結婚したい」
「でもぴょんさくもかっこいい」
「いやぴょんたはくーる」

とカエルを愛し結婚したいといい、私には同じカエルにしか見えないカエル全てに違う名前をつけているわけではない。
静葉の肩に居座ってるぴょんきちはなんとか見分けは付くが他のはわからない。

カエルに助けられてから姉は更に変になった。

「げこー」
「ゲコゲコ」
「げこー」
「ゲコゲコ」
「おねーちゃん、ぴょんざえもんが亡くなったんだって…」
「ゲコゲコ」

誰だよそれは。
結局一番愛してるのはぴょんきちになったらしく、ぴょんきちばかりを連れて歩いている姉は
時折ぴょんきちと会話している。
実際になりたっているかは知らないが、本当に会話をしているようだ。
本当のところどうなのか聞きたいが、謎の恐怖心に襲われ聞くことは止めた。


そんな静葉姉は人間に

「カエルを連れている変な神」
「げこーといってるのは可愛い」
「でも会話してるのはなんか怖い」

などと言われ愛されてるのか愛されてないのか微妙な所だ。
どちらにしろ収穫祭に姉が呼ばれることはない。

私自身は姉と、もれなく付いてくるぴょんきちと一緒に収穫祭に行きたい。
人間達は紅葉のことをどうでもいいと思っているようだが。
そんなわけは無い。
私達は秋を司る神だ。
私が秋を誕生させ、姉が秋を終わらせる。
姉がいなければ秋という季節は成立せず、秋が終わることなく冬を迎えるのだ。
こんなことになれば季節がぐちゃぐちゃになってしまい作物に大きな影響がでるというのに。

「おねーちゃんがいない間どうしようか」
「ゲコゲコ」
「そんな、朝から!」
「ゲコゲコ」
「あっでもそれもいいかも…」

後ろで姉がぴょんきちと会話しているが内容に関しては触れたくない。
何しろ最近になって私にもぴょんきちが言ってる内容がわかるような気がするからだ。

流石にカエルの言葉がわかるようになるのは、色々と終わってる気がする。
私はカエルの事はそれなりに好きだけど、愛してるってほどじゃない。
もしかして私ももうダメなのだろうか。

「姉さん」
「なに?」
「ゲコゲコ」
「私がいないからって朝からお酒なんて飲んじゃダメよ」
「うっ、なんでわかるのかなぁ…」
「ゲコゲコ」


私はまだ認めることができない。

「愛してさえいれば、種族を超えて意思疎通ができ、子供さえ産めるのよ」

姉が言っている理論通りであれば、私もカエルを愛していることになってしまう。
そんなことは断じて認めることはできない。

それにカエルと姉妹の三角関係って響きだけでありえない。
でも、ぴょんきちって姉がいってるようにちょっとおしゃべりなのが短所だけどかっこいい気がする。

ダメだ、ダメだ、落ち着け私。
カエルのことを愛するなんてダメだ。
そもそもカエルがかっこいいって一体何をいってるんだ、昨日のお酒がまだ残っているのか。
姉はもう手遅れだから仕方がないとして、私だけでもなんとか耐えなければ…。

「いってきます、姉さん、ぴょんきち」
「お土産楽しみにしてるよー」
「おれも楽しみにしてるゲコ」



じゃあ収穫祭に行きますか!
読んで頂きありがとうございます。

実は初めて書いた東方二次小説がこれでした。
今見ても自分が何を考えていたか理解できない、秋姉妹とカエルシリーズ。
不可解なことにこれシリーズ化して書いてました。


これかいたきっかけって
風神碌のボスの諏訪子→カエル 神奈子→蛇
二人とも冬は冬眠する生き物
つまり秋の生き物であり、冬眠ってさみしいよね
つまり寂しさと終焉の象徴の静葉とは仲が良いんだよ!

という自分で書いてて理解できない理論で形成されました。
しばらくはこういった書いたはいいけれど誰得作品を投下したいと思います。
秘密シリーズはちょっと書きため中です。ネタはいくらでも湧いてくるからあとは書くだけだ…。

誤字や指摘や評価をよろしくお願いします。

※誤字訂正しました。
ケチャ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1030簡易評価
1.80ぺ・四潤削除
作者自身が理解できない理論で俺たちに理解できるわけがねえwwww
何がどうなったらこんな話思いつくんだよww
「来いよ、穣子。疑問なんて捨てて追ってこい」このカエルベネットって名前じゃないのか?
静葉姉さん、服を全部脱ぎ捨ててぴょんきちにボディアタックすれば永遠に一緒に居られるよ!
7.80名前が無い程度の能力削除
い…今の僕には理解出来ない……
8.100拠点防衛型コンビニ店員削除
穣子ェ…
12.100奇声を発する程度の能力削除
ゲコゲコ。
13.100名前が無い程度の能力削除
最後に意思疎通できるようになってるのが怖ぇw
14.70賢者になる程度の能力削除
なんなんだよ……
どこまでもフリーダムだな貴方はww
16.70即奏削除
この静葉姉さん可愛過ぎるでしょう……!
おもしろかったです。
20.100名前が無い程度の能力削除
カエルに熱を上げてる静葉もちょっと引き気味ながらもやっぱりカエル好きな稔子も可愛い。
24.70ずわいがに削除
あ、静葉はカエルに対して穣子を指す時は「おねーちゃん」と言ってるんですね
ちょい混乱しました;w

ちょw作者は何考えてたんだww
32.100名前が無い程度の能力削除
最後のぴょんきちはきっと静葉の神徳かなんかを受けて神化してるんだそうに違いない。
いやあ、面白かったですゲコ