Coolier - 新生・東方創想話

第一回幻想郷バレーボールカップ 其の二

2010/04/27 18:36:27
最終更新
サイズ
9.49KB
ページ数
1
閲覧数
839
評価数
5/20
POINT
1080
Rate
10.52

分類タグ


お待たせしました。次からはメモ帳使いますね。










場所は戻って紅魔館。夕食が終わり、全員が食堂で寛いでいる。
「パチェ、ルールは大体分かったわ。次はどうするの?」
「戦うにあたって、紅魔館じゃ人数が足りない。妖精メイドとかは今回は相手の強さを考えると力不足だろうから。だから、誰を入れるかを決めるべきだと思うわ」
パチュリーが紅茶を啜りながら答える。
「それには・・・・、このチームに必要かつ、紅魔館では補えない戦力を取り入れるわけだから、まずは今ここに居る面子のポジションを決めるのがいいわ」
「そう、なら私はレフトね。主がエースをやるのは当然でしょう」
「私もエースがいい~」
誰も反対するわけなどなく早々にスカーレット姉妹はレフトに決まった。
「で、他の皆はどうするの?」
この流れでは速やかに決まりそうな・・・・
「お嬢様のお役に立てるのならどこでも」
「仕事があるならどこでも」
「パチュリー様の分まで頑張れるならどこでも」
指定がゼロで逆に決まらなかった。
「私の場合、強いてあげるならセンターでしょうか」
咲夜が流石にまずいと思ったのか、希望を口にする。
「ま、そこそこ背もあるしいいんじゃないかしら」
「分かりましたパチュリー様」
これでレフトが二人、センターが一人決まった。
「残りは二人ね」
パチュリーが小悪魔と美鈴を見る。
「美鈴、立ってみて」
「?はい」
美鈴が椅子から立ち上がる。
「そのまま手を上に向かって、真っ直ぐ伸ばしてみて」
「こう、ですか」
万歳の状態に近い美鈴は元の身長と相俟って、かなり大きく見えた。
「センターね」
「え?私が咲夜さんと同じところを?」
「ええ。センターは、背が高いのが特に望ましいの。本に書いてあるわ」
「分かりましたっ!!頑張ります」
いい笑顔で答える美鈴。いつも不幸な目に遭っているだけに眩しい笑顔だ。
「で、小悪魔ね。」
残っているポジションは、ライト、セッター、リベロだ。小悪魔はそこまで背は高くない。そうすると、選択肢は自ずと絞られてくる。
「セッターかリベロね。練習して決めましょう」
「はい。パチュリー様の分まで頑張ります」
実に健気な使い魔だ。
「で、パチェ、あと二人必要なんでしょ」
「ええ。セッターかリベロが出来そうな器用なのが一人と、ライトが出来そうな背が高いサウスポーね。出来ればの話だけど」
「それなら取り敢えず、知ってる者の中で該当する者を挙げていくのはどうでしょうか?」
咲夜が提案する。
「それがいいかしらね」
「魔理沙左利きだよ。パチュリー」
待ってましたとお気に入りの人間の名前を出すフランドール。
「確かプリズムリバー三姉妹も全員左利きですね」
「向日葵畑のフラワーマスターも左利きね」
「覚り妖怪の妹と、三途の川の水先案内人もそうですね」
「思ったより出てくるわね。あとは、パパラッチ天狗くらいかしら」
宴会出席率百パーセントの紅魔館にはこれくらいはたやすい。
「この中からライトを選ぶとなると・・・・」
パチュリーが思案顔になる。
「魔理沙がいいな~」
フランドールの機嫌がよくなること及びムードメーカーであることを考えれば選択肢としては有りだろう。戦力としても人間とはいえ、弾幕ごっこで見せる身体能力を考えれば大丈夫だろう。
「ま、一人目の候補かしら」
パチュリーは羊皮紙を取り出し「魔理沙」と書く。
「次はオーケストラ三姉妹ね。あの三人は背が低いから頼むとしたら、リベロかセッターね」
「パチェ、でも一人だけ引き抜こうとしても他の三人も来るんじゃない?」
「・・・・それもそうね。じゃ、除外と」
誰も反対の声を上げない。フランドールに至っては窓の外を眺めている。
「あとは・・・・フラワーマスター?」
「流石にないでしょう。危険人物です」
「怖すぎますよ~」
「そもそも団体競技に向いてないんじゃない。あれは」
速やかに却下が決定。
「覚り妖怪の妹とサボり魔はどうかしら」
「元覚り妖怪の方は未知数ですからね~・・・・私としては死神の方がいいですね~」
「美鈴、それは仕事中に昼寝をする者同士気が合うからでしょう。」
咲夜からのナイフのような鋭い突っ込みが入る。
「そ、そんなことはないですよ」
と言いつつも美鈴は目が泳いでいる。
「まあ、確かに死神の方が強そうだけど、あれはかなりのサボり魔よ。ちゃんとやるのかしら?」
「そこは大丈夫よ。サボったらあの閻魔に言いつけるって脅せばやるわ。実際閻魔は何かをいい加減にやることを良しとはしないでしょうし」
「なるほど。じゃあ、二人目の候補かしら」
レミリアは羊皮紙に「死神」と書く。
「で、最後はあの天狗ね。身体能力を見る限り入れて損は無いわね」
「確かにそうね、レミィ」
文々。新聞を紅魔館は定期購読している為、紅魔館の住人は文とはそれなりに会う。
「じゃ、決定」
レミリアが羊皮紙に「天狗」と書いて最初の二人とあわせて丸で囲む。
「次はセッターかリベロが出来る器用な人材ね」
「紅白の巫女なんかいい気がします~」
「魔理沙のついでに人形遣いがついてくるかと」
空を飛ぶ素敵に貧乏な巫女と、何かと病んでる人扱いを受ける人形遣いの名が挙がる。確かに二人とも器用だ。
「寺の鼠なんかどうかしら」
その後、半人前の庭師に師匠と飼い主と部下に振り回される哀れな兎の名が挙がるが主がチームを組むだろうということで却下された。
「ま、候補はこんなところでしょうね。他のチームに取られる前に引き込みたいから交渉は早目がいいんじゃない」
「そうね。・・・・咲夜、美鈴」
「「はい」」
レミリアは二人の方を向く。
「明日天狗にチームがどうなってるか聞いて頂戴。その後、出来れば交渉に当たって」
「「了解しました」」
声がユニゾンする。
「よろしい。じゃ、もう決めることも無いだろうし解散」
その一言で各人動き出す。





翌朝。
「おはようございます。咲夜さん」
「あら、おはよう美鈴」
咲夜が掃除をしようとしていた所にちょうど美鈴が来る。
「そういえば、昨日お嬢様が言っていたことは調べた?」
どうせ調べてないだろうと思い咲夜は尋ねてみる。
「調べましたよ」
ビシッ
咲夜の手からナイフが飛ぶ。
「貴方・・・・、偽者ね」
「えええええ!違いますよ~。正真正銘「紅美鈴」ですよ~」
ナイフを辛うじて避けながら美鈴は答える。
「そう・・・・なら、今週の合言葉は!」
「お嬢様最高!」
「よろしい」
毎週変わる紅魔館の従者の間での合言葉。部外者かどうかが一発で分かる。以前あった合言葉には「ぶっ飛ばせ黒白」、「咲夜はパッドではない」、「美鈴は中国」などがある。
「で、どんな感じになってるの?」
「こんな感じです」
美鈴は羊皮紙の切れ端を咲夜に渡す。



「出場決定チーム;三チーム
白玉ファントムズ キャプテン 八雲藍 監督 八雲紫
メンバー;八雲紫 八雲藍 橙 ルナサ・プリズムリバー メルラン・プリズムリバー リリカ・プリズムリバー 西行寺幽々子 魂魄妖夢

蓬莱スパークス キャプテン 八意永琳 監督 蓬莱山輝夜
メンバー;蓬莱山輝夜 八意永琳 鈴仙・優曇華院・イナバ 因幡てゐ 藤原妹紅 霧雨魔理沙 アリス・マーガトロイド

ミステリアスマウンテン キャプテン 東風谷早苗 監督 八坂神奈子
メンバー;八坂神奈子 東風谷早苗 秋穣子 秋静葉 洩谷諏訪子 射命丸文 鍵山雛 河城にとり」



「今日は確実に妹様の機嫌が悪くなるわね」
咲夜は溜息をつく。
「・・・・そうですね。どうしましょう」
「ま、それは今日も来るだろう泥棒鼠になすりつけましょう。それはそうと、ブンヤも人形遣いも取られてるわね」
「はい。思ったよりも早くチームが出来てますよね。お嬢様は寝てるからパチュリー様あたりに知らせた方が良いですよね・・・・」
「私に何を知らせるの?」
二人の後ろから声がした。
「わお、パチュリー様。お化けかと思いましたよ」
「生憎と魔女だけどね。で、私に何を知らせるの?」
「こちらです」
咲夜が羊皮紙を渡す。
「フランの機嫌が悪くなるね」
そして咲夜と同じことを言う。
「それについては後で来る泥棒鼠に全てなすりつければ我々に被害は無いでしょう」
「そうね。美鈴、今日はあの鼠を通していいわよ」
「・・・・はい」
いつも魔理沙には酷い目に遭わされている美鈴だが、不機嫌全開なフランドールの相手をする魔理沙には同情した。
「で、これを見る限りライトは自動的に死神に、セッターもしくはリベロは巫女か寺の鼠ね。」
「はい。この状況を鑑みるにもう交渉に行ったほうがいいでしょうか?」
「・・・・そうね。私の独断でレミィには後で伝えることになっちゃうけれどその方がいいわ。取り敢えず死神と霊夢の所に行ってきて」
「「はい」」
そう言うと咲夜は博麗神社へ、美鈴は三途の川へと向かった。
「さて、私は読書の続きかしら」
パチュリーもその場から立ち去ろうとする。
「あの~」
すると、後ろから声がする。
「ここって紅魔館だよね?」
そこには、紅髪の死神がいた。
「そうよ。何か用?」
(美鈴・・・・ついてないわね)
距離を操る能力によって悲劇が起きた。
「ああ~、ちょっとばかり頼みたいことがあってね」
「言ってみて」
「ああ。今度バレーボール大会があるだろう。それについてなんだけど・・・」
パチュリーはその瞬間確信した。
「紅魔館のチームに入れてほしいの?」
「ああ。・・・・って、よくわかったねえ。もしかして覚り妖怪?」
「生憎と魔女よ。こちらとしても人数が足りなくて困っていたから大歓迎よ。特に貴方みたいに背が高いのは」
「お、それは良かった」
「立ち話もなんだし、図書館に来て頂戴。詳しくはそこで」
「そうさせて貰うよ」
二人は図書館に向かった。




同じ頃博麗神社にて。
「霊夢~居る~?」
咲夜の声が社務所に響く。
いつもなら外で掃除をしているか、縁側でお茶を飲んでいるかのどちらかだが今日はどちらにも居ない。
「どこかしら」
周りを見回す咲夜。
すると後ろに何かの気配が・・・・
ビシュッ
咲夜は後ろ手にナイフを投げる。
ガキンッ
しかしそれは叩き落される。
「流石悪魔の館のメイド長。いい腕だね」
誰も居なかった所に鬼が居た。
「お褒めに与り光栄だわ。でも、人の後ろにいきなり現れるってどういうつもり?」
前を向いたまま咲夜が尋ねる。
「特に意味はないさ。ただ・・・・」
瓢箪を傾ける。
「暇でね」
不敵に笑い、スペルカードを出す。
「やらないか」
「やらないわよ!」
横から極太の針が飛んでくる。
ザクッ
「全く。神社を壊す気なのかしらこの鬼は」
霊夢が憮然とした表情で腰に手を当てながらやってくる。
「で。咲夜何の用?」
「ええ、ちょっと長くなるけど貴方にはいい話よ」
「ふーん。ま、お茶出すから来て」
霊夢は半ば屍と化している鬼を引きずりながら縁側へ。
「で、なんなの。私にいい話って?」
咲夜は事情を話した。
「で、私にバレーボールをしろと」
「ええ」
「報酬は?」
「大会当日までの三食。優勝したらボーナスよ」
「乗ったああああああああああああ!」
交渉は滞りなく進んだ。
「そういえば、アンタもでるのよね?」
部屋の隅に居る鬼に霊夢は尋ねる。
「うん。天人のチームで」
「そう」
霊夢は針を手に立ち上がる。
「霊・・・・夢?」
「ライバルは一人でも少ないほうが良いわよね」
ビシュッ
「ひいいいいい」
「じゃあ、バイバイ」
「いやああああああああああああ」
この後博麗神社で悪魔に魂を売った巫女がどちらが鬼か分からないリアル鬼ごっこを繰り広げたのは言うまでもない。






























  
どうも皆さんこんにちわ。この度はご迷惑をおかけしました。
よろしければ前回同様何点でも構いませんので評価の方をお願いします。
それと私事で申し訳ないのですが、最近身の回りが少しごたごたしていまして小説に割く時間がなかなか取れないでいます。ですから今後更新がかなり遅くなることが予想されますので予めご了承ください。
ピエロ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.640簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
あぅ、三姉妹が……

続編お待ちしてました。
ちょい短いのが残念だけど、その分次が楽しみ。
4.無評価名前が無い程度の能力削除
編集中って……
この人、投稿欄に直接書いてるのか……
5.無評価ぺ・四潤削除
おおっ!! バレーボールの続きが来た! って思ったらホントに途中かよ!!
マジで直接書いてるのか? 何かメモ帳とか使って書いてからコピーしたりのほうがいいですよ。直接だとスクロールとか重くて書くのも大変でしょうし。うっかり『戻る』とか押しちゃったりした日には泣くに泣けなくなりますよ!?
完成してからまた感想書き直します。
せっかくなので今のうちに。『役不足』は言葉の意味が真逆ですよ。
10.無評価名前が無い程度の能力削除
あるぇ?
加筆されてる!

ミステリアスマウンテンは素晴らしいメンバー構成ですね。
雛さま、応援に行きますよ~~!!
……でもルナサも応援したいのだが、困ったなぁ。
11.無評価ピエロ削除
4,5様 はい。信じられないかもしれませんがそうです。
次からはメモ帳使いますね。
10様 まあ、トレードという便利な制度がありますのでまだ分かりませんよ。
13.無評価名前が無い程度の能力削除
早まって点数入れてしまったんでフリーにて。

霊夢の鬼畜ぶりが頼もしい限りですね。
天人チームの残りメンバーは誰なのか楽しみだ!
てか、何チームあるのかな?
さとり様や慧音先生は出るのだろうか……
あと、蓬莱スパークスの監督とキャプテンの人選がイメージ的に逆なんだが、まぁいっか。
お忙しそうなところ申し訳ないのですが、なるべく早く続きが欲しいな~、とか言ってみるw
14.80名前が無い程度の能力削除
蓬莱スパークは、なんだかんだ言って人里に近い連中の集まりになってますね
15.90ぺ・四潤削除
おおう、続きが完成した。
サッカーとか野球もチームプレイですがある程度個人技な所もありますけど、バレーは本当にチームプレイですからね。
ネットを挟む分技もないと力だけでは攻撃もままならないですし、地道に点を重ねるから一発逆転みたいな強引なのも通用しないですし。
飛行と能力禁止で純粋な身体能力だけの戦いですから皆がどういう戦いをするのか凄い展開が楽しみです。
あとは地底チームとか寺チームとかか?
個人的にはてゐとナズーリンの狡猾なセッター対決とか面白そう。味方も対応できないほどのフェイントしまくったりとかww

ミステリアスマウンテンがなんかみんなブルマ穿いてきそうな気がするww
早苗さんは名札が胸に張られた体操服で、神奈子様は必死に止める早苗さんのお古を無理やり着て、諏訪子様はもちろんのこと秋姉妹も雛ちゃんも似合うし、にとりはブルマと思いきやスク水の上に半袖体操服の上を着て、空気読めない文ちゃんは一人スパッツでww
ところでサーブを受けるのを待ってる間の後ろ姿(ローアングル)っていいですよね。
16.100名前が無い程度の能力削除
最後の方の
「麗・・・・夢?」
になってますね~
19.70ずわいがに削除
やっぱチーム決めは大事よね。個人的には萃香が天人チームなのが一番嬉しかったv
20.無評価ピエロ削除
>13様
この小説では霊夢はとても貧乏な設定なので。キャプテンと監督に関しては確かにそうかも知れません。
ありがとうございます。一応続きが出来ましたのでそちらのほうもよろしくお願いします。
>14様
確かにそうですね。永遠亭周辺ということでチームを組んだからでしょうか。
>15様
はい。ミステリアスマウンテンを全員ブルマにするかどうかはまだなんとも言えませんが諏訪子様、神奈子様は確定してます。他に、スパッツという選択肢もありますのでよく考えて出していこうと思います。
確かに後姿(ローアングル)はいいです。ええ、ブルマなら丼3杯いけちゃいますよ。
>16様
ありがとうございます。修正しておきました。
>19様
そうでしたか。地獄という選択もありましたが、そうすると天子のチームが組みにくくなるのでこうしました。