Coolier - 新生・東方創想話

ある日の守矢家

2010/04/25 00:07:27
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ある日の平和の朝のこと、まだ皆が寝ぼけ眼で居る頃、守矢神社ではある異変が起こっていた。
いつもなら起きているはずの早苗が、何故か爆睡しているのである。昨日までならこの時間にはすでに皆より早く起きて朝食の準備をして、二人を叩き起しにくるはずなのに。
「お~い早苗どうした、起きろ~」
神奈子が耳元で叫ぶが早苗は起きず、諏訪子が起きてしまった。
「どうしたの~」
「早苗が起きないんだ」
「おかしいわね~普段なら私たちより早く起きて仕事している完全で瀟洒な従者なのに~」
「とりあえずさすってみるか」
二人は早苗の体をゆすった、しかし早苗は全く起きず。しかもヨダレまで垂らしている。
「わ~携帯電話だ~久しぶりだな~むにゃむにゃ」
「完全にお花畑の中だな」
神奈子は考えた。そうだ、こういう時は大きな声で起こしてやるのが一番だ。というわけで、神奈子が右側、諏訪子が左側に立ち、大声を上げて起こしてやることにした。
「早苗~朝だぞ~起きろ~起きないとお前が大事にしてるエイトフォー捨ててやるぞ~」
「学校に遅刻するよ~」
早苗、微動だにせず。
「これ、もしかして早苗何かの病気にかかったんじゃない?」
諏訪子が言った。
「そうだとしたら大変だ。早くお医者さんに来てもらわないと」
二人は急いで、竹林に居る永琳を呼びに行った。

***

 「う~ん、これはかなり重症ね。あなたたちがあまりにも早苗を大事にしないから、早苗の精神が向こう側に行ってしまっているわ。早くしないと、向こう側に行ったまま帰ってこなくなっちゃうわよ」
二人は青ざめた。
たしかに今まで私たちは早苗に頼りすぎていた。毎日の食事、洗濯、掃除、身の回りの世話を全てさせていた。そんな中早苗は妖怪退治や異変解決に東奔西走していたのである。そんな状況では、このようになってしまっても無理はない。
「一体、私たちはどうしたらいいのですか」
二人は口を揃えて言った。
「二人が早苗に頼らなければいいのよ。二人でも家事ができるってことを証明しないと。ずっと人の上にいたあなたたち神様には難しいかもしれないけれど」
二人は改めて周りを見回してみた。
流しには洗い物が散乱していて、ちゃぶ台には昨日食べた夕食の皿が置きっぱなしである。自分の部屋も様々なものが散乱して、足の踏み場もない。
早苗はこの荒廃した戦場の中で、孤軍奮闘していたのだ。
まず二人は自分の部屋を片付けることにし、それぞれ自分の部屋に向かって行った。

***

「すごい部屋ね~まず要らない物と要る物を分けないと」
そういえば二人とも部屋の掃除なんてしたことがなかった。いつも気がついたら早苗がきれいに掃除していたのである。
「しょうもないガラクタがいっぱいね。香霖堂に持っていったら喜びそうだわ」
二人は幻想郷に行く際、必要だと思うものを持ってきていたのだ。
テレビ、パソコン、携帯電話、その他もろもろの文明の利器…
しかし来て気づいた。幻想郷には電気が通っていないのである。
このような利器も、幻想郷ではただのトマソン(不要なもの)に化してしまった。
「ここに初めてきたときは本当に大変だったわね。でもそんな時に、私たちは早苗に頼りっきりだった…」
そんなことを言いながら部屋を掃除してしばらくたち、ようやく部屋は綺麗になった。
「そうだ、私たちがご飯を作ればいいんじゃないかしら」
確かにいつの間にか太陽は空高く昇り、二人にお昼の時間であることを伝えた。
「そういえば早苗はいつもどこで買い物をしているのだろう」
二人はそんなことも知らなかった。
とりあえず、二人は外にでて買い物が出来そうな場所を探してみることにした。

***

二人が道をとぼとぼ歩いていると、目の前に妖夢の姿が見えた。
「第一幻想郷人発見!早速聞いてみよう」
二人は急いで聞きに行った。
「どうしたんですか二人とも。いつもならこの辺で早苗さんと合う筈なのですが…」
二人は事情を説明した。
「…というわけで早苗が大変な状況なんだ。このへんで買い物が出来る場所を知ってるかい? 」
「それならこの先に紫がやってるお店がありますよ。聞いたところによると現世にある『すーぱー』なるものを参考にしたとか」
スーパーという単語は早苗からよく聞いていたので知っていた。何でもスーパーとは、そこで食料品、日用品、とりあえず生活に必要なものはすべて手に入る店らしい。
「そこに行けばすべて解決ね!さあ急ぐわよ! 」
二人は妖夢に礼も言わず、急いで駆け出していった。
てっぺんにあった日は、少し傾き始めた。

***

「ここがスーパーと言うところか、すごく広いのだな」
周りには野菜が整然と並んでいた。
「よくこんなところで毎日早苗は迷わずに買い物してるなー」
二人は配置が全くわからないので、近くにいる店員の式神に聞いてみることにした。
式神によるとこのまま道なりに行けば順番に野菜、魚、肉などが買えるという。
とりあえず二人はいつも早苗が作っているカレーライスを作ってみることにした。
これならある程度二人も必要な物は覚えている。一時間後、二人はなんとか買い物を終えた。
「疲れた~まさか買い物だけでこれだけ大変なんて」
「でも早苗はこの後料理とかもするんだよ!私たちも頑張らないと! 」
二人は春の暮れかけた道を、寄り添って歩いていった。
「さあうちに着いたわ!クッキングターイム! 」
二人は早速調理に取り掛かった。
「じゃあまず具材ね!今回買ってきたのはジャガイモ、人参、玉葱、ナス、ピーマン!なんでピーマンなんて買ってきたのよ!私はピーマン嫌いなんだから!しかもお肉忘れてるし! 」
諏訪子が怒った。
「それぐらい食べられないともともと少ない信仰がさらに減って、存在忘れられちゃうよ~」
「む~」
「じゃあまず野菜切るぞ~」
神奈子が勢い良く野菜を切り出す。それに負けじと諏訪子も野菜を切り出す。
「よし野菜を切り終えたわ!早速炒めるわよ!なんか野菜が不揃いだけど…」
「ええい一気に全部入れちゃえ~!とりあえずカレールーさえあればなんとかなるわ!カレーは魔法の調味料って誰かが言ってたもん! 」
少し野菜が焦げ始めた。
「やばっ!野菜焦げてきてる!早く水っ!水入れて! 」
「今度は沸騰してお湯が溢れてきちゃった!あっつっ!早く火を弱めないと!」
熟睡している早苗が、少し目が覚めてきたように見えた。

***

 日も暮れて、月が空を照らす頃、ようやく昼食、いや夕食が完成した。
「早苗起きて!夕飯ができてるよ!私たち頑張ったんだよ! 」
「これからは私たちも手伝うから!お願いだから戻ってきて! 」
その時、早苗の目が開いた。
「う~ん。うわ!いつの間にかこんな時間!急いで支度しないと!」
「いや、もう終わってるよ」
「私たちだってできるんだから!」
早苗は久しぶりにリラックスした顔をした。
「なんかすごく長い夢を見ていたような~すごい不思議な気分がします~」
夕食を食べ終えると、二人は早苗に聞いた。
「どうだった?私たちの作ったカレーの味は? 」
「まずちゃんと野菜が煮えてないです!形が不揃いだからこんなふうになったんです!あと水の量が多すぎです!今度私が作ってあげますから…」
ふと見ると、二人は疲れてすっかり寝てしまっていた。
「全くしょうがないんですから…」
早苗は二人のために布団を敷き、そこに寝かせてあげた。
今日もまた平和に、守矢家の一日は過ぎていった。

おわり
皆さんはじめまして、初めて投稿させていただく月時と申します。
月時と書いて「げっと」と読みます。
初めてSSを書いたので、いろいろ突っ込みたくなる点はあると思いますが、あたたかい目で見守ってください。
最後に校正作業に協力してくれた友人たち、本当にありがとうございました。
月時
private.square.izayoi@gmail.com
http://twitter.com/gettosan
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コメント



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6.100名前が無い程度の能力削除
早苗さん、エイトフォーなんて必要ないですよ!
私は貴女の香りだけでご飯3杯いけるとゆーのに、勿体無いw
10.70ぺ・四潤削除
早苗さんエイトフォー使うのはまだ早すぎる!
ああ、なんて勿体無い! あれ? もう書かれてる……

ちょっと待てwwカレーにピーマン入れるのか?
なんか早苗さんが戻ってきたのはこれ以上寝てると大変なことになりそうなのを察知したからに違いないww

ちょっと展開を急ぎすぎたような気がしました。もう少し状況が解るようにしたほうがいいかもしれません。
それから妖夢が紫を呼び捨てにしてるのがどうにも違和感がありました。
15.80ずわいがに削除
ええ守矢一家やないか。神奈子様も諏訪子様も頑張って、疲れて寝ちゃうなんて可愛らしい。
でもこれって早苗さん普通に寝てただけとちゃうん?永琳、ホントに早苗さんはなんか病気やっ……もしかして五月病?ww