Coolier - 新生・東方創想話

東方ジョーカー(後編)

2005/02/17 07:29:19
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東方ジョーカー(後編)

「夫婦じゃない二人」




魔理沙「・・・・・・・・・・・・・・・う、う~~ん」

気がつくと魔理沙は布団に寝かされていた。なぜか知らないが体中が痛い。

霊夢「あ、魔理沙気がついた?」

横を見ると霊夢が心配そうに見つめている。

魔理沙「あれ?・・・私どうしたんだ?」

霊夢「どうしたって・・・覚えてないの魔理沙」

魔理沙「う~~~ん霊夢と昼飯の用意をするとこまでは覚えているんだが・・・だめだそれ以降の記憶が無い」

霊夢(どうやら記憶を無くしたようね)

確かに変な毒きのこと霊夢最強のスペルカードのWアタックだ、生きてるだけでも儲けものだろう。

魔理沙「なあ霊夢、私どうしたんだ?気がついたら布団で寝てるし、それに体中が痛い」

霊夢「どうしたって、食事中に倒れたのよ(やば、白玉楼送りにしかけたこと、誤魔化さないと)」

魔理沙「え、うそ・・・」

霊夢「嘘も何も食事中に急にばたんて」

勿論嘘であるが、記憶が無い魔理沙はそれがわからない。

魔理沙「う~~ん・・・いつもは一日ぐらい徹夜しても平気なんだがな・・・」

霊夢「疲れがたまってたんじゃない、去年色々あったし」

魔理沙「そうかもしれん・・・じゃあ体が痛いのは」

霊夢「徹夜したことで、蓄積された疲労が一気にでたんでしょ(よし、うまく誤魔化せた)」

魔理沙「そうか?・・・そうかもな去年一年いろんなやつと戦ったもんな」

霊夢「そうよ、だから今はおとなしく寝てなさい、御飯は私が持ってきてあげるから」

魔理沙「すまんな霊夢、泊めて貰っているのに」

霊夢「気にしないでよ、私と魔理沙の仲じゃない」

そう言うと霊夢は戸を開け台所に向かおうとする。

霊夢「まってて、今ご飯作ってくるから」

と、扉を閉めようとしたとき不意に魔理沙が声をかけた。

魔理沙「・・・霊夢、ちょっと待て」

霊夢「ん、なに魔理沙(もしかして、思い出した?)」

魔理沙「あ・・・いや、何でかわからないが私も一緒に作った方がいいような気がしてな。」

実は夢想天生のショックで記憶は失われたかに見えたのだが心の奥底、本能と呼ばれるところが昼の惨事を覚えており
無意識に霊夢一人に御飯を作らせるなと警告を発しているのだ。

霊夢「え、ええいいわ一緒に作りましょう(よかった、やっぱり覚えてはいないようね)」

といっても霊夢自身、昼はちょっと悪戯が過ぎたな~と反省はしていた(前編参照)

霊夢「魔理沙が手伝ってくれるんならせっかくだしハンバーグでも作ろうかな」

魔理沙「お、珍しいなこの家で、和食以外がでるのは」

魔理沙には分かっている、この家で肉を使う料理が出るのはかなり珍しいことだという事を。

霊夢「ま、たまには・・・ね」

ホントは昼の惨事のささやかな罪滅ぼしの意味も込めてある。

魔理沙「じゃあ、行くか!」

そう言うと、魔理沙は立ち上がり霊夢と共に台所にむかっていった。





             少女料理中





霊夢「さッ食べましょ」

魔理沙「おうっ、もうお腹ぺこぺこだぜ。」

魔理沙のお腹が減っているのは昼御飯をきちんと食べられなかったこともあるのだが。

霊夢「では!」

霊夢&魔理沙「いただきます!」

もぐもぐ、もぐもぐ

パクパク、ずず~~

魔理沙「このハンバーグ美味いな」

霊夢「そうでしょ、貴重な食材を使っているからね」

魔理沙「ふーん、貴重な材料・・・か」

パクパク、モグモグ

ずず~~、ごっくん

以下略









魔理沙「あー美味かった」

そう言いながらケプッと可愛らしいゲップを出す魔理沙、今は食休みの時間縁側に座り、お茶をすすっている。

そこへ、食器を洗い終わった霊夢がきた、何やら手に持っているが、縁側から庭を見ている魔理沙は気づかない。

霊夢「魔理沙ー前香霖堂で売ってたカーネルってお菓子覚えてる?」

香霖堂は、古道具屋であるが、何処から仕入れるのか、たまに外の世界の物も売っている。

カーネルは、少し前に売っていたお菓子で、当時幻想卿で、大ブレイクしたお菓子なのだ。

太目の楕円を少し曲げたような形をしており、しお味やバターなどいくつかの味があった。

魔理沙「ああ、覚えてるぜ、あれは美味かったな」

と、ここで、魔理沙は霊夢の方を向く、そこで初めて霊夢が手に持っている事に気付いた。

霊夢の手には太めの楕円の形をした物がお皿いっぱいに載っていた。

霊夢「魔理沙、食べる?」

魔理沙「お、よくあったな、1つくれ」

と、霊夢は皿に乗っかっていた物を1つ魔理沙の口めがけてひょい投げる。

魔理沙「何味のやつだ?」

霊夢「これ、これはね」

ぱくと口でキャッチする魔理沙。

霊夢「カブトムシの幼虫」

幼虫、魔理沙の口の中で、うにうに


      一瞬の静寂


魔理沙「幼虫が!!幼虫が口の中でうごいてるーーーー!!!
うわあああああ!!
うわあああああああああああああ!!!!
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

霊夢「五月蝿い!」

ドゴシ

あまりのうるささに魔理沙の頭を後ろからぶん殴る霊夢。

その拍子に、魔理沙の口から幼虫が、ぺっと吐き出される。

魔理沙「けほ、けほ、・・・」

霊夢「あ~あもったいない、貴重な淡白元なのに」

魔理沙の口から吐き出された幼虫を見て声を漏らす霊夢。

魔理沙(貴重?・・・)

その言葉を聞いてふと魔理沙は気づいた事があった。

魔理沙「霊夢・・・ひとつ聞くが、食事のとき言ってたハンバーグに入れた貴重な材料って・・・」

霊夢「ええ、これ(カブトムシの幼虫)よ」

魔理沙「な、・・・っう!!」

衝撃的な真実を聞いた魔理沙は思わず嘔(略)した。

霊夢「ちょ、魔理沙大丈夫?」

魔理沙「はぁ、はぁ、・・・何食わすんだよ!!」

霊夢「ちょっ何怒ってんのよ、せっかく貴重な幼虫を入れたのに・・・」

魔理沙「貴重って、カブトムシの幼虫は食うもんじゃねぇ!!」

確かにカブトムシの幼虫は食べ物じゃない。少なくともハンバーグに入れて食べる人はを私は知らない。

霊夢「む、じゃあ聞くけど本来は、どう使う物なの」

いや、幼虫を使うといっている時点で変ですよ霊夢さん。

魔理沙「少なくとも食うもんじゃねぇ!」

霊夢「そうかしら?」

魔理沙「そうだよ!というか霊夢、お前はいつもそんなもんを食っているのか?」

霊夢「ええまあ、この神社周辺で取れる物は大抵食べたことがあるわよ」

そこまでいうと霊夢は懐から『霊夢の食べれる物リスト』を取り出し魔理沙に渡す。

魔理沙「霊夢これは?」

霊夢「これ、この周辺で取れる物の中から食べれる物を探し出しリスト化したのもよ・・・ほらここ」

魔理沙が中を見てみると目次の虫の項にちゃんとカブトムシと書いてあった。

魔理沙「・・・霊夢、ひとつ聞くがこれどうやって食えるか食えないかを調べているんだ?」

霊夢「どうやってって、一つ一つ食べて調べているけど」

その話を聞いて思わず意識が飛びかけるなる魔理沙。

霊夢「魔理沙大丈夫!どっか体の具合でも悪いの?」

魔理沙「(お前のせいだって)頼むから今度からは普通に人が食う物を食ってくれ」

心の底から懇願する魔理沙。

霊夢「でもね・・・それじゃあ生きていけないのよ」

なにやら意味ありげな言葉をはく巫女
というかこの口ぶりからするとどうやら一応、カブト虫の幼虫を普通は食わないと知っているらしい

魔理沙「(分かってて食わせたのか?こいつは)生きていけない?」

霊夢「ちょっと前に飢え死にしかけて・・・それからその本を作り出したのよ」

何やら、神社の食料事情が垣間見える一言である。

博麗神社は誰もお賽銭を入れないので、妖怪退治の仕事が無いときは、霊夢は収入ゼロになってしまう
幻想卿は一応通貨の概念があるので(人里、香霖堂限定だが)お金が無い=食べ物が買えないということになってしまうのである。

魔理沙「前に飢え死にって・・・いつからだよ・・・」

霊夢「そうねぇ・・・たしか神社に来てから1ヶ月たっていたから大体・・・」

魔理沙「ちょっと待て霊夢、おまえは神社に来て早々飢え死にしかかっていたのか?」

霊夢「まあ、そういうことになるわね、祟り神がいるせいで里の人間が誰も参拝しないし、妖怪退治も年二・三回
ぐらいしか依頼が来ないから・・・」

そこまで聞いてで魔理沙はあることに気付いた
博麗神社の祟り神とは魅魔のことであるつまり・・・

魔理沙(霊夢が飢え死ににしかかったのは半分魅魔様のせいだったのか・・・もしかして!!)

ここまで考えて魔理沙は更にある事に気がついた。

魔理沙「なあ、霊夢」

霊夢「なによ、改まっちゃって」

魔理沙「おまえ一応、普通の人が食う物と食えない物の区別はついているんだよな?」

霊夢「え、まあ自信ないけど一応は」

魔理沙「じゃあ、さっきのは私がそんな物食べられないと知ってて入れたんだよな?」

霊夢「・・・」

魔理沙「おい、目をそらすな!」

霊夢「ちょっとは・・・悪いと思っているわよ」

魔理沙「やっぱりか、お前魅魔様のせいで参拝客が来ない恨みを私で晴らしていたな!!」

どうやら霊夢は魅魔のせいで里の参拝客が来ない恨みをのをここぞとばかり魔理沙に対して晴らしていたようだ。

魔理沙「まさか、私の昼の記憶が無いのも!」

霊夢「え、いや何もしてないわよ、食べれるか怪しいキノコを味噌汁に入れたりなんか・・・・・・あ!」

魔理沙「キノコ・・・まさか」

急いで本のキノコの項を見る、するとそこの目次に明らかに新しく書かれたページがある。

魔理沙「霊夢、このページのキノコを私に持ったのか」

霊夢「(やばい、記憶が戻ったら何を言われるか)魔理沙返して」

魔理沙「そうは行かないぜ」

本を取り返そうとする霊夢をかわして新しいページを見る。

  ○月×日床下で見つけたきのこ

  特徴  かさに人の顔がありうめき声をあげる

  味   魔理沙の話からするとまずくは無いようだ

  食用  × 食すと猿のようになる    


一瞬の沈黙。


魔理沙「・・・霊夢ひとつ聞きたいんだが」

霊夢「な、なによ」

魔理沙「お前、私を殺す気だったのか?」

霊夢「いや別に殺そうとまでは・・・」

魔理沙「ちょっとこれはやり過ぎじゃあないか?」

確かにそんなキノコをこっそりと食べさせるのは何らかの殺意がないと普通はしない。

霊夢「ははは・・・(よかった、夢想天生を当てた記憶は戻ってないようね)」

魔理沙「笑うな!」

霊夢「ごめん、魔理沙、その件に関してはちょっとは反省しているから」

魔理沙「ほんとか?」

霊夢「嘘じゃないわその証拠に、夕飯奮発してあげたでしょうが、貴重な材料も使ったし」

魔理沙「あれじゃあ嫌がらせと一緒だろ!!・・・じゃあさっき人の口に幼虫を投げ入れたのは」

霊夢「あ、あれは、形が似てるから気付かないかなっと思ったら本当に気付かないんで・・・つい、ごめん反省してるから」

魔理沙「ついっで済ますな!反省しているなら、もうちょっとちゃんとした態度をとれ!!」

霊夢「・・・態度って具体的に魔理沙は私にどうして欲しいの?」

魔理沙「え、ど、どうって・・・・・・」

どうやら、勢いで言っただけでどうするか具体的にどうして欲しいか考えてなかったらしい。

しばしの思案。

魔理沙「・・・じゃあ何か侘びの品をくれ」

つい収集家根性でそんなこと言ってしまう魔理沙、それが過ちだと気付かずに。

その言葉に霊夢は少し考え。

霊夢「・・・わかったわ」

一言、静かに言った。

魔理沙「お、今日の霊夢は物分りがいいな。で、何をくれるんだ?(個人的には陰陽玉当たりがいいぜ)」

それはいくらなんでも無理だと思うが。

霊夢「私を・・・今夜一晩私をあげるわ!!」

と、いきなりとんでもない事を言う。

魔理沙「な!おいそんな物貰っても私は困んっ!んん~~!!」

拒否の言葉を言おうとする魔理沙の口に霊夢は自分の口を押し付ける。

いわゆる接吻で魔理沙を黙らせた。

魔理沙「ん~~~~~~!」

コクン!

魔理沙「!!」

と口移しで何かを飲まされる。いつ口に含んだんだ霊夢?

魔理沙(な、何を)

ぷはっ!

魔理沙に何かを飲ませた所で霊夢が魔理沙から離れる。

魔理沙「ちょ、何を飲ませた霊夢!」

霊夢「言ったでしょ、今夜一晩私をあげるって、だから、魔理沙が私を貰えるようにする薬を・・・ね(はぁと)」

何やらさっきまでとは段違いの妖艶さを放つ霊夢、今なら魔界の神でも誘惑できそうだ。

魔理沙(くそ!体が・・・体が熱い)

特に股間が熱い。と言うか何やら違和感がある、本来無いものが有るような感じ。魔理沙にはこの感じに覚えがあった。

魔理沙「霊夢、もしかして私に飲ませた薬って永琳特製のあれか?!」

霊夢「そうよあれよ。ふふふ、魔理沙も何だかんだいって使って事あるんじゃない」

何の薬だろうか?永琳特製と言う時点で怪しさ満点であるが・・・

魔理沙「いや、それはアリスとちょっとあって、ってそうじゃない!」

霊夢「あら嫌なの?魔理沙は私のこと嫌い?」

と魔理沙の顔を至近距離で覗き込む霊夢。霊夢の目に近くで見られると心まで見られているような気分になるまりさ。

魔理沙「いや・・・あの・・・」

霊夢「ねぇ?どうなの?」

魔理沙「・・・・・・ない・・・ぜ」

霊夢「・・・聞こえないわ」

魔理沙「・・・じゃない・・・」

霊夢「もっとはっきり」

魔理沙「・・・嫌いじゃ・・・・・・ないぜ・・・」

霊夢「そう、ならいいじゃない」

魔理沙「そういう霊夢はどうなんだ?」

霊夢「さぁ、どっちだと思う?」

霊夢の質問に耳まで真っ赤に染まる魔理沙。

やや、あって。

魔理沙「・・・好き・・・・・・なの・・・か?」

喉から声を絞り出し震える声で答える魔理沙。

霊夢「ふふふふ・・・」

魔理沙の答えに何やら不思議な笑みを浮かべる霊夢。

魔理沙(う~~どっちなんだよ・・・)

魔理沙にしてみれば告白に近い、霊夢の答えを待って心臓が高鳴る。

少しばかりの静寂が訪れる












霊夢「ブーポン!!」

魔理沙「当たったんかはずれたんかどっちなんだよ!!」

霊夢「まぁいいじゃない、気持ちよければどっちでも」

これ以上ここいるとネチョになってしまうので朝までいったん離脱します。

魔理沙「な、おいそこのナレーションまて!!」

霊夢「魔理沙~~~(はぁと)」

魔理沙に覆いかぶさるようにしてくっつく霊夢。

魔理沙「うわ、くっつくな!離れろ!!だれか、だれか助けてくれ~~~~~~~~~!!!」

夜の闇に魔理沙の絶叫が響くが夜の静けさの前には無力である。

魔理沙(食われる、別の意味で霊夢に食われるーーーーーーー!!!)

                                                    合掌!




































朝、魔理沙が起きると霊夢は既に起きていた。

霊夢「おはよう魔理沙」

どうやらシャワーを浴びてきたとこらしい、ほのかに湯気が立っている。

魔理沙「え、ああ、おはよう霊夢」

霊夢「起きて早速で悪いけど体洗ってきてくれない?私はその間ここの掃除をしとくから」

魔理沙「わ、わかったわ・・・じゃないわかったぜ」

朝でぼうっとしているせいかはたまた昨晩のせいか、思わず昔の口調で答えそうになる。

そのまま霊夢に促されるまま浴室に行きシャワーで体を洗う。

魔理沙「あ~~~~ったくどんな顔してあいつに合えばいいんだよ」

そのまましばらくシャワーを浴びていると。

霊夢「魔理沙、何時まで入っているの?朝ごはんできたわよ」

と霊夢から朝ごはんの通達があった。

その言葉だけで魔理沙の心臓は早鐘を打つ。

魔理沙「わ、わりぃ。今でる」

霊夢「早くしなさい、じゃないと御飯冷めるわよ」

どうやら気付かないうちにずいぶん時間がたっていたらしい。

魔理沙が急いで浴室をで服を着て茶の間に行ってみると霊夢の言ったとおり朝ごはんは用意されていた
よく見ると霊夢の御飯は食べた形跡がない魔理沙が来るのを待っていたのだ。

魔理沙「わるいな、待たせたみたいで」

霊夢「いいのよ、そんなに待ってないし」

魔理沙「そうかならいいんだが」

一見普通に会話している様だが魔理沙の顔はずっと真っ赤なままで一度も霊夢の目を見て話していなっかった
そんな魔理沙を霊夢はやさしい顔をして見ている。

魔理沙「ところで、霊夢」

霊夢「何、速く食べましょ」

魔理沙「これ、何も入ってないよな?」

霊夢「大丈夫よ、今度こそ何もしてないわ・・・と言うより昨日ので疲れてそんなことする元気がないだけなんだけど」

魔理沙「そうか(元気があったらまた何かやるつもりだったのか?)」

霊夢「じゃあ、いただきましょう」

魔理沙「おう、いただくぜ」



パクパク、モグモグ
ずずーー、ごっくん

魔理沙(た、食べにくいぜ)

霊夢(ふふ、魔理沙ったらあんなに赤くなっちゃって可愛い)

食事は双方そんな事を思いながら一言の会話もなく進んだ。

モグモグ、ずずーー
パリパリ、パクパク



ピルルルルルルルルルルルル!!

突然音が鳴り響く。

霊夢「ん、何の音」

魔理沙「あ、わりぃ私の連絡用道具の呼び出し音だ」

音は魔理沙の上着からしていた。

霊夢「そんな物、何時手に入れたのよ」

魔理沙「いや、こないだアリスとパチェの三人で開発した」

と取り出した連絡用道具とはどう見ても電話の受話器だ。

霊夢「ふーん(意外と仲いいのね、三人とも)」

魔理沙「はい、こちら魔理沙だが、おおアリスか珍しいなお前が私に対してこの道具を使うなんて・・・」

どうやら、相手はアリスのようだ。

魔理沙「なに!・・・・・・・・・わかったすぐ行く」

急に険しい顔になる魔理沙、そこにさっきまでの赤顔っぷりはもう無い。

霊夢「どうしたの魔理沙?」

魔理沙「どうしたもこうしたも魅魔様が森で倒れているところをアリスに発見されたっていうんだ、しかもひどい
衰弱状態らしい」

そう言うと庭にで箒にまたがりアリス邸に向かおうとする。

霊夢「ちょっと!せめて御飯くらいは食べていきなさいよ」

そう言うと霊夢は御飯が入った魔理沙のお茶碗と箸を持ってくる。

魔理沙「今それどころじゃないんだよ!!」

霊夢「駄目よ、魔理沙このお米はね、里の人たちが1年間汗水たらして作ったお米・・・ではなく!!」

魔理沙「ではなく?」

何やらいやな予感がする魔理沙。

霊夢「某神社に住む祟り神(年齢不詳)が結界に閉じ込められ玄爺にどつかれ、号泣しながら作り続けたお米なのよ!!!」

魔理沙「魅魔様に何をさせてんだ、てめぇはーーーーーー!!」

思わず、ぶちぎれる魔理沙、もうさっきまでの和やかな雰囲気は微塵も残っていない。

霊夢「う、ばれた、遠まわしに言ったのに」

魔理沙「ばればれだって!どうも最近(紅魔卿~)姿を見ないと思ったらそんな事させてたのか!」

霊夢「こうでもしないと白い御飯が手に入らなくてね」

遠い目をする霊夢。

魔理沙「米がないなら私の家に来い少しぐらいならわけてやるから、だから魅魔様に・・・魅魔様にこんな事2度とさせるな!」

霊夢「え~~でも魅魔がいないとほかに作らせている野菜や果物、家畜が」

魔理沙「そんな事までやらせていたのか!!」

霊夢の言葉で魔理沙の怒りのボルテージがどんどん上がる。

霊夢「あはははは、ごめん」





ぷつん!

とその一言で魔理沙の切れてはいけない何かが切れた!

魔理沙「ごめん、ですんだら魔砲はいらねぇーー食らえ必殺『魔砲『ファイナルマスター・・・

霊夢「ちょ、魔理沙落ち着」

魔理沙 スパーーーーーク!!』

霊夢「キャーーーーー」

キュガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔理沙の放った怒りの魔砲は霊夢を彼方へと吹き飛ばす。

魔理沙「あばよ!貴様の事は生涯忘れないぜ」

殺したんかい!!

霊夢「・・・るびーばーーーっく」

あ、生きているようだ。何やら凄い遠くから霊夢の叫び声が聞こえる。

魔理沙「さ、早く魅魔様のところへ行かないと」

箒に載り魅魔が保護されているアリス邸に向かう魔理沙。

全速力で飛ぶ途中リグルやルーミアを引いた様だがそんな事にはかまってられない。









???「待ちなさい!」

魔理沙「だれだ、私は今忙しいって、げ!パチュリー」

声の主は動かない大図書館ことパチュリー・ノーレッジだ。隣には咲夜もいる。

魔理沙はパチュリーに(無理やり)借りた本を事故で全部吹き飛ばしてしまったので、慧音に無かった事にしてもらうまで
会いたくない人(?)物ナンバー1なのだ。

魔理沙「何か用か?あいにく私は今忙しいんだ、用なら後にしてくれ」

パチュリー「知ってるわ、魅魔がどこぞの紅白にこき使われて衰弱して大変だって」

魔理沙「なんでそれを知って、あっそっかお前もアレ持っていたんだっけ」

魔理沙達が開発した連絡用の道具は開発者三人全員に一つずつ作らていた、よってパチュリーも一つ持っている。

パチュリー「そうよ、アリスから連絡を受けてね、でももう大丈夫よ、さっき幽霊用の薬を渡してきたところだから」

魔理沙「ほんとか!」

どうやらアリスはパチュリーにも連絡していたようだ。

しかし、幽霊にも効く薬を持っているとは、100年間ひたすら本を読んでただけのことはある。

パチュリー「ええ、明日にでもなれば元気になるわよ」

魔理沙「ありがとう・・・恩に着るぜ」

ほっと胸をなでおろす魔理沙。パチュリーの薬はその膨大な知識に裏打ちされた確かな効き目をもっている。

パチェリー「気にしないで、私も魔理沙が慕っている人(悪霊?)を見てみたかったから・・・ところで魔理沙」

『ところで』のあたりから急に言葉に温度が無くなるパチュリー。

魔理沙「な、何だ?(なんかいやな予感・・・)」

パチュリー「・・・あなた、図書館から借りてった本、爆発事故を起こして全部吹き飛ばしたそうね」

魔理沙「げ、何でその事を・・・誰から聞いたんだよ」

パチュリー「昨日咲夜が、人里に買い物に行ったとき慧音に聞いてきたのよ」

魔理沙「(げ、あのやろう)だ、大丈夫だって今日慧音にあの爆発はなかった事にしてもらう約束になっているから」

そういいながら咲夜に向けて『このやろう』と視線を送るが咲夜は軽く受け流す、さすが完全で瀟洒な従者だ。

パチュリー「ええ、さっき見たときには既になかったことに成っていたわ、ついでに本も返してもらったけど」

魔理沙「ならいいじゃないか、じゃ私は魅魔様が心配だからこのへんで・・・」

パチュリー「だめよ、無かった事になったとはいえ1度私の本を消し炭にしてくれた例をさせてもらうわ」

魔理沙「そうは行かないぜ!」

箒にまたがりなおし逃げようとする魔理沙。

パチュリー「逃がさないわよ、咲夜お願い!」

咲夜「わかりました」

魔理沙「しま!!」



スペルカード:咲夜の世界



時が動いたとき魔理沙はロープで縛られていた、亀甲縛り・・・要するに俵の縛り方だ。

魔理沙「く、こんな物私の魔法で・・・」

パチェリー「むだよ、魔理沙。それは私特性の耐魔ロープ、魔法じゃ絶対に解けないわよ」

魔理沙「・・・くそ!ほんとに解けない」

咲夜「パチュリー様、私はこれで」

そう言うと、どこかに消える咲夜。どうやらこの為だけについて来たようだ。

パチュリー「ありがとう、咲夜」

誰もいない虚空に向かって例を言うパチュリー、まだ近くにいるのだろうか?

魔理沙「おい待てこら!!私をどうする気だ」

その横では、魔理沙が暴れている。

パチュリー「どうって、これを見ればわかるわよね?」

と魔理沙に1つのビンを見せるそのラベルに書かれているのは。

魔理沙「永琳・・・特製薬」

それを認識し、自分がたどるであろう未来を予測した瞬間顔から一気に血の気が引く。

パチュリー「さ、楽しみましょ、アリスも待っているわ」

そういいながら転移の魔方陣を展開するパチュリー。

魔理沙「おいこら待て!!私は魅魔様のところへ行かなくちゃいけないんだ」

パチュリー「魅魔からの許可なら取っているわよ、存分に楽しみなさいって」

魔理沙「嘘だ、魅魔様がそんな事・・・そんな事・・・・・・・・・言うな・・・(汗)」

そう、言う、何せ彼女は祟り神だから。魔理沙は祈る相手を間違えていたのだ。

魔理沙「・・・・・・く!」

パチュリー「わかったようね、魔理沙」

そこまで言った所でパチュリーは転移の魔方陣を発動させた。

                                                合掌!!









咲夜「さて、私も屋敷に戻らないと」

あんたも早く帰れ!




























おまけ
今日の紅魔館

レミリア「フラン~フラン~」

フランを呼ぶレミリアその手にはどこにあったのかポリバケツが抱えられていた」

フラン「なぁに?お姉さま?」

何やら、満面の笑みを浮かべているレミリア。

フラン「???」

レミリア「見て見て、立派なとぐろが手にはいったのよ(はぁと)」

そういってポリバケツを差し出すレミリア、それを見てフランは。

フラン「立派なとぐろって、蛇かうんこの2択じゃないのよーーーーー」

と言うと泣きながら走りだす、ドアを使わずに壁をぶち破りながら移動するパワフルな走りだ。

ドゴ!!・・・ドガ!!・・・ドギャ!!

こうして今日も紅魔館はフランドールの破壊音が鳴り響くのであった。

美鈴「あ、妹さぶべらぁ!!」

あ、中国が引かれた・・・

終わり
四コマ6本分をまとめるのは疲れました・・・orz

わかる人にはわかりますがこの作品はあの漫画のあの夫婦(おまけ以外)を元に作りました。

原作はもっと続きがあるんですが、さすがに東方で出産話はまずいかと・・・ではまた!



                                 次はメルポを元に何かできないかな?
かどまつ 一
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コメント



0.880簡易評価
23.90ミスターX削除
結界に閉じ込められた魅魔が、なぜ森に?

>全速力で飛ぶ途中リグルやルーミアを引いた様だがそんな事にはかまってられない。
>あ、中国が引かれた・・・
「轢いた」でないということは、服とか引っかかってそのまま連れまわしてたってことか?