Coolier - 新生・東方創想話

第一回幻想郷バレーボールカップ 其の一

2010/04/14 15:14:36
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スポーツネタです。




ある日の博麗神社での宴会中
「まあ、なんだかんだ言って幻想郷で一番強いのって紅魔館よね。咲夜」
「はい。勿論ですとも」
主人と従者の何気ない会話が全ての始まりだった。
「あらあら大した自信ね。この永遠亭を差し置いて最強を語るなんて」
そのやりとりに偶然近くに座っていた輝夜が絡む。
「ふん、何を言ってるの。永遠亭に居るのは詐欺兎、座薬兎、医者、ニートじゃない。どうやったらこの紅魔館が負けるのかしら」
「あら。紅魔館なんて、カリスマの欠片も無い幼女に、気が触れてる幼女、時止める以外何も出来ない人間、喘息の魔法使いに、存在意義の無い門番しかいないじゃない。まだ八雲の式の猫が五人居る方が使えるじゃない」
二人の間に流れる空気がどんどん不穏なものになっていく。更に
「蓬莱山輝夜、「まだ」使えるとは、私の橙に対する侮辱か?」
藍が入ってくる。
「あらそれ以外にどう解釈するの?ま、主人の隙間妖怪があれじゃあ、仕方ないわね。白玉楼の食いしんぼお姫様と揃って使えないじゃない」
「言ってくれるじゃないか・・・・」
空気がどんどん悪くなる。
「幽々子様が使えない?聞き捨てならないですね」
「これに関しては私も不本意ながらそこのニートに賛成ね。貴方ウチに来た方がいいんじゃない?」
妖夢がレミリアを睨む。
「まあまあ、止めないか。折角の宴会の席だ。楽しむべきだろう」
神奈子が止めに入る。が、
「黙れ年増」
「黙れババア」
「帰れ」
「仕切ってんなよ」
酔っ払い達に口々に罵られる。
「なんだと・・・・」
「大体巫女は霊夢だけで十分よ。貴方のとこの巫女なんていらないわよ。私が血を有効活用するぐらいしか使い道ないんじゃない?」
「黙って聞いていればよくも・・・・」
ミイラ取りがなんとやら、といった状況になっていた。
「そこまで言うなら、この場で誰が最強か決めようじゃないか」
良識のある藍からいつもなら有り得ないような言葉が出る。
「いいじゃない。まあ、最強の種族吸血鬼の前には全てが無力だろうけど」
「不老不死は伊達じゃない。そのことをたっぷりと教えてあげる。」
「幽々子様を侮辱したこと、後悔させてあげます」
「神への侮辱、万死に値する」
各々スペルカードを取り出す。
「「「「「いくぞ!」」」」」
「行かないわよ!」
全員の顔に陰陽玉が直撃する。
「アンタ達、神社壊す気なら容赦しないわよ!」
霊夢が全身から物凄いプレッシャーを放ちながら現れる。
「まあまあ霊夢落ち着いて」
その隣に紫がスキマから現れる。
「これで落ち着けるわけ無いでしょ!アンタ達もバカなことやってないで戻りなさい」
霊夢がしっしという感じで手を振る。
それを見てそれぞれ元のところに戻ろうとする。
「でも興味あるわね。幻想郷最強」
その言葉に全員の足が止まる。
「紫、アンタまで神社壊す気?」
霊夢が紫を睨みつける。
「いいえ。何も弾幕だけが強さを決めるものじゃないわ。」
「じゃあ、何で決めるのよ?」
「これよ」
紫は懐からボールを取り出す。
「何よ、それ」
「バレーボールよ。外でそれなりには人気があるスポーツよ」
「で、そのスポーツでどうするのよ?」
気が付けば、宴会に参加している全員が紫に注目していた。
「大会を開くわ。一次予選のリーグ戦と、決勝トーナメントに分けて。最終的に優勝したチームが幻想郷最強よ。分かり易い、かつ神社も壊れない。それに」
紫は一度言葉を切り
「優勝したチームには豪華な賞品が付くわ」
その言葉に周りはざわめき出す。霊夢なんかは眼が\\になっている。
「さて、そうと決まれば準備ね。そこの鴉天狗」
「あややややや。なんでしょう」
「企画、立案は私がやるから広告宜しく。じゃ」
紫はスキマに消えた。




「バレーボールカップ開催のお知らせ
メンバーを集めてバレーボールカップに参加しよう。
ルールは原則として、バレーボールのルール(参加申し込み後配られます)に則りますが以下の点が加えられます。
一、スペルカード及び能力の使用の制限(一セット一回まで)
二、飛行の禁止


総当りのリーグ戦(全チームと二回ずつ)の後、上位四チームが決勝トーナメントに進出。ホーム&アウェー方式の二回対戦を決勝まで行い優勝を決めます。優勝チームには「幻想郷最強」の称号と、豪華なプレゼントが!


参加申し込みは文々。新聞または八雲紫まで」


「仕事が早いわね。あのスキマ」
レミリアが新聞の広告を読みながら言う。
「で、参加するのね」
向かいの席に座るパチュリーが尋ねる。
「当然。紅魔館の威信にかけて必ず優勝よ」
「まあ、確かに紅魔館の主要メンバーだけで六人居るから一チームは作れるわね」
「なら、すぐにでも特訓を・・・・」
レミリアは意気込んで言う。
「待ってレミィ。私は喘息持ちだから戦力にならない」
「確かに」
「それに、誰かが怪我したときの控えや、リベロも必要になるかもしれない。まずは紅魔館の戦力分析とそれを受けてのメンバー募集をした方が良いわ」
動かない大図書館の名に相応しく冷静に考察する。
「なるほど。取り敢えずやることが一杯あるわけね。ところでパチェ」
「何?」
「バレーボールって何?」
パチュリーは思いっきりずっこけた。
「そんなことも知らずに申し込むつもりだったの?」
「ええ、そうよ」
「・・・・まあ、レミィらしいというか。五百年も生きていてバレーボールを知らないって、ある意味凄いわね」
「スポーツにそこまで興味無かったからかしらね」
確かにバレーボールはサッカーや野球に比べると知名度は低い。
「バレーボールってのは、まず六人でやるスポーツなの」
「ふんふん。それで?」
「六人でコートの中にきたボールを三回まで触れるの。三回目には相手のコートに返すわけだけどこのとき・・・」
レミリアがふと視線を上げるとパチュリーの後ろに咲夜が立っていた。
「咲夜、なにか用?」
パチュリーが喋るのを止める。
「はい。お嬢様、食事の準備が出来ました」
「そう。じゃあパチェ、歩きながらお願い」
「ええ。で、三回触るといっても一人が二回連続で触るのは駄目で・・・・」
三人は食堂へと向かった。




「という訳で、紫様が是非審判を貴方に頼みたいとのことなんだ」
是非曲庁には珍しい客が来ていた。
「言いたいことは分かりました。確かに私は仕事柄から見ても審判に向いているでしょう。ただ」
そう言うと映姫は警戒の色を露わにする。
「あの八雲紫がただバレーボール大会をやって終わり。なんてことは無いでしょう?何を企んでいるのですか?」
「企んでいる・・・・か。紫様は随分と信頼が無いな」
「身に覚えがあるでしょう。それもかなり。そもそもこのような場に自分の式を代理で送る時点で何かやましい所があるように思えるのですが」
コンコン
ノックの音が響く。
「少しいいですか?」
「ああ。構わない」
「どうぞ、お入りなさい」
ガチャリ
「失礼しま~す。四季様~、今日のお勤め終わりました~」
赤髪の死神がちょうど仕事が終わったらしく入ってきた。
「そうですか。では小町、これから昼寝の分の仕事に入ってください」
「へ?」
「身に覚えがあるでしょう。今日も」
死神の顔が一気に蒼くなる。
「な、四季様。なぜそれを」
「簡単なことです。私がこの眼で見たからです」
「え?でもあたい、起こされてませんよ」
「起こしてませんから。当然でしょう」
小町は呆気にとられている。藍も然り。
「その・・・・あたい見限られたんですか?」
「いいえ。三途の川の水先案内人は生憎と人手不足ですから、それはありません」
「じゃあ、なぜ・・・・」
「私の説教の時間の分、貴方に働いてもらう方が効率がいいからです。それに貴方は終業の際には必ず私の所に来ますから、どうしてもというならそのときにたっぷりとすればいいのです」
小町の顔色が紙同然になった。
藍は納得したような表情になった。
「ということは・・・・四季様、あたいの労働時間は増えるんですか」
恐る恐る尋ねる小町。
「はい。貴方が寝た分だけいくらでも」
「そ、そんな~。四季様~、殺生な~」
「自業自得です。これを機に反省なさい」
バッサリ切り捨てる映姫。
「四季様~。どうか、どうかご慈悲を~。なんでもしますから~」
「いいえ。今回は許しません。貴方は少しいい加減過ぎる。心を入れ替え仕事に励むことが貴方に出来る善行です」
「うう~。お願いします四季様~。この通りです~」
小町はとうとう鎌を置いて土下座し始める。
映姫はふぅと溜息をついた後、藍を見なにやら思案顔になる。
「小町」
「はい?」
小町は土下座の体勢から顔を上げる。
「貴方の先程の言葉、なんでもする、ということですが嘘偽り有りませんね」
「はい!勿論」
「では小町、バレーボール大会に参加してきなさい」
「はい?」
小町は頭上にクエスチョンマークを浮かべている。
「死神を罰すると同時に紫様を監視するというわけか」
「その通りです。さすがは八雲藍。物分りがいいですね」
「・・・・あの~。四季様。あたいが八雲紫を監視するって一体?」
一人取り残されている小町に映姫は説明を始める。
「今度八雲紫がバレーボール大会を開催するのは知っていますね」
「はい」
「小町。貴方は八雲紫がバレーボール大会を開くだけで終わると思いますか?」
「まさか。あのスキマですよ。絶対何かやりますよ」
藍が苦笑いしている。
「そこで小町、貴方が監視するんですよ。八雲紫が何か不穏な動きを見せたらその場で止めなさい。幸い私は審判をやることになりそうですから早い段階で駆けつけられるでしょう」
「あの~、四季様。あたいがあのスキマを止めるのは・・・・難しいかと」
おずおずといった感じで小町が言う。
「当然です。簡単なことを罰でやらせては意味が有りません」
「うう~」
「労働時間を増やす方でも私は構いませんが」
「やりますっ!はい、喜んで」
大抵の妖怪なら間違いなく紫と相対するのを避けるはずだが小町は違った。根っからのサボり癖が彼女にそうさせたのだろう。
「さて、貴方はどうですか?」
「構わない。それで審判を引き受けてくれるのだろう?」
「勿論。あと、私としては小町を八雲紫のチームに入れて貰いたいのですが」
「済まないがそれは無理だ。紫様のチームは既に人数が揃っている」
小町が少しばかりほっとしたような表情を浮かべる。
「・・・・こちらの動きを読んでの行動ですか?」
「さあ、私もそこまでは与り知らない。確かにこれくらいのことは読んでそうな方だが」
「そうですか。では小町、チームの指定は特にしません。どこかのチームに属して八雲紫の行動を監視なさい」
「はい。じゃあ、あたいそろそろ行きますんで」
小町はそそくさと退室する。
「さて、私もそろそろ失礼させて貰うよ」
そう言うと藍も退室した。
「さて、ルールの確認をしないといけません」
映姫は一人になった部屋でバレーボールのルールブックを読み始める。
皆さん、はじめまして。初投稿させてもらいましたピエロと申します。なにかと至らない点が多いかと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございます。
スポーツネタでまだ出てないのをやろう、と思ってバレーボールにしました。
何点でも構いません、評価をお願いします。
ピエロ
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コメント



0.1050簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
これはまた楽しみなスポーツ物シリーズが始まったな。
面白そうなので是非とも続けて頂きたい!

それと一つだけ言わせて欲しい。
最強はプリズムリバー三姉妹だ(へにょりレーザー舐めんなよw)
……可愛さなら間違いなく最強なのに(-_-;)
5.100名前が無い程度の能力削除
バレーボールと言えば!
ブルマとかスパッツですねぇ!
ゆかりんとか年増軍団はどっち穿くのか!
そしてゆかりんの謀略でミスコン状態になりそうな予感にwktkです!
6.無評価名前が無い程度の能力削除
咲夜さんは空間にも干渉できるよ!
と一応いってみとくっていうかあんたも時間系の能力持ちじゃん輝夜w
9.90名前が無い程度の能力削除
バレーボール+ゆかりんの企み……
ポロリフラグということかっ!
これは期待
19.50名前が無い程度の能力削除
バレーボールで最強の称号――ってうまく落とせないと稀によくひんしゅくかいますよ?頑張ってくださいね
これからが楽しみということで控えめにこの位の点数で
24.90ぺ・四潤削除
こまっちゃんとか幻想郷一アタックする姿が似合いそうだけどな。
打つ時仰け反った瞬間にタッチネットしそうだけど。

八八八八白い雲チーム(母母軍団)(八雲紫・八意永琳・八坂神奈子・八雲藍・聖白蓮・雲居一輪)
なんて素敵なママさんバレーだ。ブルマ穿くのならこのチームが一番好きかもしれない。特にひじりん。
続きに期待。
25.無評価名前が無い程度の能力削除

この熟女好きめwww
だがしかし、その気持ちは痛いほどよく分かるぞ、同志よ!! 
一輪さんのブルマ姿は見てみたい!
28.60コチドリ削除
紫様のブルマが最高なのは当然として、勇儀なら古き良き時代の女子バレーを再現できるかも。
回転レシーブとかですね。
29.80名前が無い程度の能力削除
皆がどんな格好なのか楽しみにしてます。
30.70ずわいがに削除
またもやスポーツ物ですか。バレーボールはあまり詳しくありませんが、期待させて頂きます。
31.80作品審査員見習い削除
サッカー、野球、そしてバレー。
実はこの話、ピエロさんが有利と見ました。
スペカが使えるから。
ほかの二つではスペカは使っていない
(ビバさんのFCでは使えない)ので、キャラを造りにくい。でも、スペカが使えるとキャラが使いやすくなる。それだけのことです。
フットサルもよし。
32.無評価ピエロ削除
皆さんレス遅れてしまい申し訳ありません。
>2様
プリズムリバー3姉妹はサーブがへにょりと曲がる予定です。
>5様
ミスコンにするかどうかはなんとも言えませんが皆さんに面白いと言っていただけるような話にしようとは思っています。
>9様
ポロリは個人的には非常に出したいところですが話の流れ次第ですね。
>6様
一セットに一回という制限つきの中での使用ですから使いどころが大事ですよね。小町も距離を操りますから似たようなことが出来そうです。
>19様
ご忠告ありがとうございます。顰蹙を買わないよう努力しますので宜しければ続きも読んでいってください。
>24様
年増軍団は私としてもブルマにしたいところです。
>25様
ありがとうございます。バレー書くからにはブルマです。
>28様
はい。紫様のブルマは私も是非とも拝みたいところです。回転レシーブは考えにありませんでしたので検討させていただきます。
>29様
ありがとうございます。チームごとにユニフォームみたいなものを着てもらおうかなと今は思っています。
>30様
ありがとうございます。出来る限り分かりやすい描写を心がけますのでよろしくお願いします。
>31様
ありがとうございます。東方らしさをなんとか出そうと思った結果こうなりました。