Coolier - 新生・東方創想話

伊能忠敬人形の館     ~お前も全国を測量して回ってやろうか!~

2010/04/02 21:58:55
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「ぐわあああああーっ!」

 清々しい朝、紅魔館当主のパパス的悲痛な叫びが、廊下中にこだました。
 そろそろ主人を起こそうとしていた咲夜は、何事かと慌てた。常日頃から冷静沈着な十六夜咲夜も、主人の異変とあっては取り乱す。
 とにかく一大事だと、声のしたほうへひた走った。そこは主人の寝室。紅魔館を実質切り盛りする咲夜であっても、呼ばれないかぎり入ることは許されない。
 だが、主人の身が危ないかもしれないとなれば、話は別である。一も二もなく咲夜は扉を開け、内に踏み込んだ。

「お嬢様ッ、どうなさいました!?」

 咲夜は目を見張った。なんと、誇り高き吸血鬼が、床で悶え苦しんでいるではないか。
 駆け寄るよりも先に、咲夜は時を止めた。
 万一、何者かが何らかの手段で忍び込み、レミリアを襲撃したというのならば? 彼女を介抱している場合ではない。自分まで危ない。自分まで襲われては本末転倒だ。
 しかも、仮に襲撃者が居たとすれば、そいつは寝込みを襲うような相手だ。どんな卑劣な手を使ってくるかわからない。うかつな行動はとれなかった。
 止まった時の中で、部屋を見渡す。そこはレミリア・スカーレットの寝室であり、不審なものは一切無い。
 一応の安全を確認した咲夜は、時間を動かした。それでも周囲への警戒を解かず、レミリアに近寄る。

「お嬢様!」

 床に伏せった主を、咲夜は抱き起こした。苦悶の表情を浮かべている。

「ぐぅぅ……咲夜」
「お嬢様、いったい何があったのですか」
「なんでもないわ、気にしないでちょうだい」

 たとえ主の命令であっても、咲夜は従いかねた。
 レミリアは今なお苦しげな呼吸をしている。彼女に忠誠を誓う咲夜としては、気にせずにいられない。

「咲夜、今日は私の部屋に誰も近付けないで」
「ですがしかし」

 何があったのかも知らされないまま従えというのは、さすがの咲夜も納得できない。
 咲夜の頭には、真相についての大体の想像が浮かんでいた。奇襲を受けたことをレミリアは恥とし、配下に黙っている。というものだ。咲夜はこの考えに確信を持っていた。
 それは確かに誇り高き者のあり方として正しいのかもしれない。だが、実際に紅魔館を回す咲夜としては、冗談ではなかった。
 主人に襲撃をかけるような馬鹿者は、館全体のメンツと安全のために即刻殺害されるべきであり、そのた
めには主人の証言が大きな手がかりとなるのだ。

「お嬢様」
「いいから従え。咲夜、いいか、これは命令だ」

 主人の口から飛び出た強い言葉に、咲夜は身を硬くする。
 咲夜の心情としては、レミリアが心配でたまらない。おそらく実在するであろう襲撃者について、問いただしたかった。

 しかし、これほど強い口調で命令されては、従わざるを得なかった。
「……かしこまりました」

 唇をかみながらも、咲夜はレミリアにそう返した。そして部屋から出て行く。
 扉を閉めた。とりあえずは、レミリアの部屋に誰も近づかないよう、連絡を回さなくてはならない。









「へぇ、そんなことが? 穏やかじゃないわね」
「はい。何事も起こらなければ良いのですが……」

 一通りのすべきことを終えた咲夜は、レミリアの親友であるパチュリーに、一応の報告をしていた。
 何者かの襲撃があったのかもしれないという咲夜の意見を、メイドたちや門番も支持した。
 館全体が緊迫した空気に包まれ、館内見回りは通常の三倍となっている。だが、この図書館は比較的に手薄だった。
 図書館には、名物として「生きている」魔導書の攻撃がある。さらに、迷えば餓死の可能性すらあるのだ。いわば、防御システムが勝手に出来上がっている状態だった。だから割く人員は少なめで済む。

「レミィがねぇ……そういえば、昨日私のところに来てたわよ」
「え? そうなのですか?」

 どうりで、と咲夜は思った。というのも、咲夜は昨日の晩、レミリアの姿を見ていないのだ。図書館に延々居たらしい。

「ええ。流水に対する耐性の研究をしたわ」
「流水?」
「ええ。吸血鬼が流れる水に弱いことは知ってるわよね?」

 咲夜は頷いた。
 吸血鬼は流れる水に弱い。具体的には、川などを渡ることが出来ない。どうしても必要なら橋の上を通ればいいのだが、橋が無い場合も多い。
 日光に比べれば致命的というほどでもないが、しかし厄介であることに変わりはなかった。

「で、何かと不便だから、どうにかする方法は無いかと調べたわけ。ま、先は長くて前途多難って感じね。何年かかるやら」
「はぁ」

 流水を渡れるようになれば、渡れないよりずっと便利ではある。が、今の状態はそれどころではなかった。
 パチュリーもその辺りは分かっているのか、それ以上語ることは無かった。

「にしても、沢山喋ったわ。喉が渇いて仕方なかったわよ。紅茶を沢山飲んじゃった」
「あとで図書館備え付けの茶葉を補給しておきますわ」
「ありがとう。レミィもカパカパ飲むもんだから、すっかり減っちゃったわよ」
「そうですか……あ」

 咲夜は悟った。



 つまり、今日のレミリアは日本地図だったということだ、と。
いかん興奮してきた

>>4 様
いかん興奮してきた

>>7 様
日本地図つながりです。

>>65 様
くそwwwwwwwwwwwww噴いてしまったwwwwwwwwwwwww
喚く狂人
http://wamekukyouzintouhou.blog45.fc2.com/
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コメント



0.3910簡易評価
3.80名前が無い程度の能力削除
ああ、昔懐かしき布団の上の日本地図……w
4.100名前が無い程度の能力削除
最低、最低、最低、最低、最低、最低っ!!
興奮してきた
7.70名前が無い程度の能力削除
粗相と題名の関連性について詳細レポートを提出するようにwww
8.70名前が無い程度の能力削除
おいやめろ馬鹿。
興f……トラウマが蘇ったじゃないか。
10.100名前が無い程度の能力削除
永遠の幼女だからw
12.80名前が無い程度の能力削除
題名+最初の2行でオチが読めるwww
つーかもうオチを隠す気もない正々堂々としたSSに興f・・・感動したぜ
14.100名前が無い程度の能力削除
素直に感心してしまった俺はピュアって事でいいのか?
17.100名前が無い程度の能力削除
全国を~に何だかエロスな響きが。
いかん興奮してきた。
21.100名前が無い程度の能力削除
なんと言う出オチ
24.100名前が無い程度の能力削除
紅鬼魔Ⅱってヤツですかね
25.90名前が無い程度の能力削除
これは異変だろ!なあ巫女さん!
28.80名前が無い程度の能力削除
胸囲を測量されて叫んだと思ったが、そんなことはなかった。
31.90名前が無い程度の能力削除
これはひどいwww
36.80名前が無い程度の能力削除
素晴らしい題名だ!
37.100名前が無い程度の能力削除
何でも興奮すれば許されるとか思っているのか?

無論興奮してきた俺が言う事ではないだろうが。
38.70即奏削除
日本地図ということは、ソレはつまり縦長……っ!
43.無評価名前が無い程度の能力削除
お嬢様は日本地図をどうしたんだろ?
日に当たったらいけないわけだし、かといってそのままにしておくわけにもいかない。
そうやって悩むレミリアを想像したら燃えた
44.90名前が無い程度の能力削除
点数入れ忘れゴメン
47.80名前が無い程度の能力削除
おまえらオチツケwww
48.90ぺ・四潤削除
先日お嬢様の○○付きの○○を入手しましたのでより一層興奮いたしました。
布団の前にドロワーズのオーストラリア大陸をどうにかしないといけないと思いますので私に処分をお任せください。
51.90名前が無い程度の能力削除
題名が秀逸だなおいwww
59.100名前が無い程度の能力削除
なんだと
65.100名前が無い程度の能力削除
×紅魔館当主のパパス的悲痛な叫びが
○紅魔館当主のパンパース的悲痛な叫びが
66.100名前が無い程度の能力削除
これは興奮
72.100名前が無い程度の能力削除
2行目で噴出したwww
75.無評価名前が無い程度の能力削除
地図・測量と言えば我が郷土の誇り、長久保赤水先生の事も少しは思い出してやってくださいww
紅魔館で地図なだけに「赤水」…あ゛何wおs
76.100名前が無い程度の能力削除
点数入れ忘れた
78.100名前が無い程度の能力削除
くやしい…!タイトル勝ちのくせに感じちゃう…!ビクンビクン
81.100賢者になる程度の能力削除
お~落ち着け我が息子よっっっ!
86.100名前が無い程度の能力削除
興☆奮
87.100名前が無い程度の能力削除
レミリアはこうでなくっちゃ☆
95.80ずわいがに削除
なんという自爆ww
96.80名前が無い程度の能力削除
タイトルはそういうことだったのか!
98.100名前が無い程度の能力削除
2行目で吹いてコメントでも吹いたwww
101.100名前が無い程度の能力削除
パパスwwww
103.100名前が無い程度の能力削除
なんという斬新なマッピング法……
いやむしろマーキンg(ry

しかしパパスの破壊力が高いw
114.90名前が無い程度の能力削除
二つ名に偽り無し