Coolier - 新生・東方創想話

佛には櫻の花をたてまつれわが後の世を人とぶらはば

2010/03/31 21:59:25
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まえがき

この物語は三次創作です。
二次創作に興味がある人はニコ動ででも「死奏憐音、玲瓏ノ終」と検索して下さい。歌い手はnayutaさんです。



~願わくは 桜の下で 春死なむ
この如月の 望月の頃~



満開の桜も散り始めた、ある満月の夜のことだった。

「今年の桜ももう終わりね。」

私は目の前の妖怪の賢者にではなく、独り言のようにつぶやき、後ろの桜の巨木に体を預けた。

里では妖怪の賢者だが、私の友人である八雲紫も独り言のようにつぶやく。

「今年も西行妖だけは満開にならなかったわね。」

見上げると他の桜とは違い花びらに紅が混じった桜がほのかに吹く風に揺られている。

「八分咲きってところかしらね…」

桜の花びらは風にあおられ花吹雪で私たちの視界を奪う。

西行妖は特別な桜で、その花びらは死者の魂で形成されている。

彼女を喜ばせるために西行妖を満開にさせようと数多の人間の命を奪ったこともある。

暖かい春風に舞う幾つもの命をあなたは綺麗だと言った。

その言葉が嬉しくて私は花びらの数だけ死を誘う。

こんなにも美しく散る最期なら彼らも報われるでしょう。

西行妖、今宵も紫月の下に咲き乱れる。

「幽々子、西行妖を咲かせすぎてはダメよ。その桜は魔力が高すぎていずれ多くの死を招くわ。」

紫に言われるまでもなく私は西行妖を封印するつもりだった。

あくまでこれは私の最後のわがままである。


「さよなら、紫。後のことは頼むわよ。」


そう言って私は自らの能力で自らを殺した。

そして西行妖が二度と咲くことのないように紫に封印を施してもらった。



「それが、私の死の理由よ。」

私は目の前の庭師にところどころかいつまんで話した。

一応、私の剣術指南役でもある庭師は

「幽々子様はだからそんなに桜が好きなんですね…」

と、幽霊である私に線香をあげようとしたので線香を思いっきり蹴り飛ばしてやった。

「危ないことするわね…」

間接的に死ねと言われた様なものだ。

「私が成仏したら西行妖の封印が解けるのよ!!線香じゃなくてせめて桜の花にしなさいよ!!」

「冗談ですよ。いくら私でもそこまで馬鹿じゃありませんよ。」

まったく、この庭師は未だに何を考えているかよくわからないわね。

そんな、いつもの1日だった。
西行法師の亡くなった旧暦の2月16日は新暦では3月31日だそうです。
と言うわけで幽々子様の話です。
実は2月16日に間に合わなかったりしたからこんな状態だったりします…
今までの紅の姉妹と星砲よりも前に書いた作品なのでかなり短いです。
私の住む山形県ではまだ桜は咲きません。もし今日咲いたら桜の木の下で死んでみるのもおもしろかったかな…
ここからは作者の呟きだったりします。
幽雅に咲かせ、墨染の桜で一番好きなアレンジは「死奏憐音、玲瓏ノ終」
ではなく「亡我郷、反魂蝶、その華開花すること能わず」です。
気になったらこちらも聞いてみてくださいね。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
最後になりますが…
幽々子様は私の嫁。
異論は絶対に認めません。
それではまた次回作で会いましょう。
次回は長編(予定)です。
勿忘草
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コメント



0.210簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
いまいち
重い話なのにさっぱりすぎる
2.10名前が無い程度の能力削除
思いっきり蹴り飛ばして……って、幽々子のキャラじゃないな
どんな時でも泰然としつつ、それでいて優雅なのが幽々子だと俺は勝手に信じているので高評価は出来ないな。
7.無評価歌人PURPLE削除
花に染む心のいかで遺りけむ
捨て果ててきと思ふ我が身に
西行法師
9.50不動遊星削除
有難う御座います。楽しめました。ですが、ちょっと簡単にありすぎると思います。西行寺幽々子の話を長くするとか、前後に少し物を足すとかした方が良かったと思います。では。
11.60ずわいがに削除
三次創作にしても、もっと色んな解釈や深い物語が欲しかったですかねぇ;