Coolier - 新生・東方創想話

東方千一夜~The Endless Night   第一章「永遠に紅い幼き月・前編」

2010/03/14 19:50:24
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~十九世紀・イギリス~




 産業革命の真っ只中のイギリス

 妖しや物の怪の世界だった夜にも文明の明かりが灯り、あちらこちらに巨大な工場ができていた
 今まで単なる片田舎でしかなかったこの街も、炭鉱への近さと都市への利便性の良さから様々な工場が雨後の竹の子のように建設されていった
 お陰で、長閑な農村から重工業都市へと変貌した街は、それまでとは比べ物にならないほどの豊かさを手に入れ、今までになかった賑やかさと繁栄ぶりを示していた
 街のあちこちに建てられた工場は、まさにこの街の繁栄の象徴と言うべきものだった…

 しかし…

「う、うわぁ~!!。あ、紅い…紅い悪魔が出た!」

 人々の悲鳴と共に、工場のあちこちから巨大な爆発音が鳴り響いた
 他国から戦争を仕掛けられたのでもなければ、天災が起こったのでもない

 空から閃光が光ったと思った瞬間、工場はあちこちから爆発し吹っ飛んだ

 空には、まるで子供のように小さな影が二つ、縦横無尽に飛び回っていた

 片方は自分の背丈よりも巨大な蝙蝠のような翼を広げ、もう片方は七色に光る不思議な翼を持っている

「うふふふ」
「キャハハハ」

 二人は上空を飛び回りながら、次々と指先から放つ光で工場を吹き飛ばしていく
 激しい爆発を繰り返しながら、工場はどんどん破壊されていく

 当然、中にいる人間とて無事では済まない

 爆風で吹き飛ばされた人間が、空中でバラバラになっていくのを見て、二人の悪魔は笑った

 あちこちで火災が起き、逃げ惑う人々を、まるで狩りでもするかのように追い立てては殺した

 その速さは、どんな鳥よりも早く、人間はたちまち追いつかれ、逃げ場を失う

 でっぷりと肥えた男が、大きな鞄を抱えながら逃げていた

 それを見つけた二人は、その男の逃げる方向に立ちふさがった

「あなたが、この工場の持ち主ね」

 大きな翼を持つ影が囁いた

「ひぃぃぃ!、お前達は誰なんだ、なぜ私の工場を狙う!」

 その場に立ち尽くす男。彼は、この工場の持ち主だった
 さっさと逃げればよかったものを、工場に残していた金を鞄に詰め込んでいたため、二人に追いつかれてしまった

 二人の悪魔は笑っている
 この二人こそ、ここ数ヶ月の間、街を恐怖に陥れている紅い悪魔であった

「そんなことは、あなたには関係ないわ
 私達は、あなた達が工場の運転を停止しない限り、この街の全ての工場を破壊し尽くす!」

 二つの影が、月明かりの下で重なる
 幼い少女のような声でもあるし、気品のある上流階級の貴婦人のような声でもある

「なぜだ!、この工場が出来たお陰で、この街は潤っている
 毎日毎日、畑に出て辛い農作業に明け暮れなくても、工場を動かしていれば金が手に入るんだ!
 それを…」

 男が続けようとした瞬間、男の足元に閃光が走った
 男は恐怖のあまり、その場にへたり込む

「醜い豚め!、貴様の鳴き声などが私の耳に入るとでも思っているのか!」

 明らかな怒りを発しながら、悪魔が近づく

「ひぃ、た、助けてくれ…。か、金なら…!」

 男は必死に命乞いをする
 地に頭をこすり付け、名誉も、誇りも、これまでに得た財産の全てを投げ捨ててでも許しを乞うた
 そうしなければ、確実に自分が殺されることが分かったからだ

 だが、それは悪魔にとっては何の意味もない行動だった

「愚かな人間どもめ、豚も殺される悲鳴を聞けば憐れみを感じる
 貴様らの言葉など、豚の悲鳴以下だ
 フラン、あなたがトドメを刺しなさい」

「はぁ~い、お姉様」

 重なっていた影が離れ、七色の翼を持つ悪魔が答えた
 まるで無邪気な少女のような声だ

「ひぃ~」

 男は、何もかもを投げ捨てて逃げ出した 
 影は、ふわふわ浮かぶように男を追う

「うふふ、早く逃げないと壊れちゃうよ」

 指先から閃光を放ちながら、男を追い詰める
 閃光が自分の身体をかすめるたびに、男は悲鳴を上げた

 体中が汗と血と泥にまみれながら、こけつまろびつ男は必死で逃げた

 その様子を見ながら、悪魔は笑っていた

 まるで、猫がネズミをいたぶるように、少女は男を追い立てる

 だが、運命は非情だった

 男は地面から露出した配管に足を取られ転倒した
 足を挫いた上に、体力も限界を向かえもう走れない

「なぁんだ…、もう追いかけっこはおしまい?
 つまんないの…」

 男は必死に、這いずりながら少女から離れようとする
 少女は、男に手のひらを向けた

「もう壊しちゃお…」

 少女がそう発すると、男は身体の中から膨れ上がった

「た、助け…」

「どか~ん!」

 次の瞬間には、男の身体が膨張の限界を向かえ、風船のように破裂した
 男の身体は、ハンバーグのパテのようにグチャグチャになった

「終わったわね…、これでまた一つ、工場が消えた…」

 いつの間にか、大きな翼の悪魔が追いついていた
 満足そうな顔をしながら、破壊し尽くされた工場を見渡す

 いったい、この悪魔は何の為に工場を破壊して回るのだろうか

「さあ、帰るわよ。まだ愚かな人間はこの街に工場を造ろうとしている
 この街にある工場は、全て私達が破壊し尽くすのだからね」

「はい、お姉様」

 そういうと、二人の悪魔はいずこかへ飛び去っていった






~某日・某時刻~






「うう…お腹すいたウサ…」

 因幡てゐは、とぼとぼと街を歩いていた
 あの白い光に吹き飛ばされてから、どれほど経ったであろう
 腹の虫の泣き声は、すでに最高潮に達している

「右も左も異人さんばかりウサ。言葉も通じないウサ。文字も読めないウサ」

 フラフラと街を彷徨いながら、例月祭の夜の事を思い出す

 あの時、てゐは鈴仙の団子にタバスコを仕込んでいた

 最初の一撃で、手下の兎達は吹き飛ばされた
 永琳が白い光に飛び込むのを見たが、次の第二波が来ると、てゐは真っ先に吹き飛ばされた

 そして、気付いたらこの街の郊外の森にいた

 食べるものもなく、空腹と戦いながら彷徨っていると、ようやく街に出た
 だが、そこは言葉も通じぬ遠い異国の地だった

 得意の詐欺で金を掠めようにも、言葉が通じなければどうにもならない

 そもそも、この国には賽銭という風習もないらしい

 気付けば、空腹と寂しさは絶頂を迎えつつあった

「はぁ、動くと余計に腹が空くウサ」

 てゐは、道路脇の日陰に腰を下ろした

「姫様、お師匠様、ついでに鈴仙。みんなどこにいるウサ…」

 てゐは、永遠亭の住人を思い出す
 みんな爆風で吹き飛ばされてしまったのか、いま永遠亭はどうなっているのか
 てゐには、皆目見当もつかない

 そもそも、自分がどこにいるのかすら分からない
 少なくとも、日本ではない事は確かなようだが、何しろ言葉も通じない

「う~、幸運を運ぶ白兎の私が何でこんな目に逢うウサ
 それに、この街の連中もなんだかおかしいウサ」

 てゐは、通りを行きかう人々を見つめる

 みんな金髪や青い瞳の毛唐ばかりだが、この街の人間は、みな足早に歩いて、ほとんど会話もない
 妙にイラだって、用事が済んだらさっさと帰ってしまうようだ



ドンッ!



 突然、道端に座り込んでいたてゐに、大柄な男が躓いた

「バカヤロー、こんな所で座り込んでるんじゃねえ!(…と英語で言っている)」

「こんな可愛い白兎になにするウサ!、きっとロクな死に方しないウサ!、どっかで野垂れ死ぬといいウサ!」

 …と、男の姿が見えなくなってから言った

 こんな風に、妙にイライラしている男がいっぱいいる
 あちこちで、つまらない喧嘩やトラブルが発生していた

「うう…、永遠亭に帰りたいウサ。姫様の手料理を食べて、お師匠様の薬を造って、鈴仙にイタズラしたいウサ」

 てゐは重度のホームシックに罹っていた
 さもありなん、言葉も文字も通じない上、知っている者は誰一人としていないのだから

「ウサギは寂しいと死んじゃうウサ、このままだと死んでしまうウサ」

 てゐは、雑踏から顔を背けるように、膝の間に顔を埋めた
 泣きそうになるのを堪えるつもりが、気付いたらすでに涙がこぼれていた

 このまま戻れなかったらどうしよう、誰も知るものもいない異国の地で一人寂しく死んで行ったら
 せめて、誰か知っている者に逢いたい
 いや、せめて日本語が分かる者に逢えるだけでもいい

 しかし、日本人がイギリスまでやって来るのは、当分先のことである

 てゐは悲嘆に暮れる。もう立ち上がる気力さえない

「どうしたアルか?、こんな所で?」

 不意に、てゐは声を掛けられた
 しかも、発音は多少怪しいが、ひどく懐かしく感じる日本語で

 てゐが顔を上げる

 丈の長いスカートに、踝から腰まである深いスリット
 腰まで届く長い赤い髪、頭には龍のマークの帽子

「ちゅ、中国!」

 てゐは驚きの声を上げる

「アイヤ、そうアル。私は中国妖怪の紅美鈴アル」

 そこにいたのは、紅魔館の居眠り門番こと紅美鈴だった

「あなた、やはり日本の妖怪ね。お互い遠くまで来たアルな」

 しみじみと感心する美鈴
 てゐの事が分からないのか?

 確かに、それほど深い面識がある訳ではないが、紅魔館のパーティーにも参加したし、居眠りしている美鈴の顔に落書きしたこともある

「美鈴、教えて欲しいウサ。ここはどこウサ、いま私はどこに…」




…ぐぐぅぅ~~~~




 てゐが、訊きたい事を矢継ぎ早にいおうとした瞬間、腹の虫は今世紀最大の鳴き声を鳴らした

「あはは、お腹空いてるアルね。遠い異国の地で出会った縁アル。私がご馳走するアル」

 さすがに、気を使う程度の能力の持ち主
 美鈴は、てゐを連れて近くのカフェに入った

 数日ぶりの食事に、てゐはがっついた
 パンとサラダと、フィッシュフライなど簡単な食事ではあるが、てゐはとても美味しく感じられた

「あなた、よっぽど食べてなかったアルね。お金落としたか?」

 てゐの食べっぷりを見ながら、美鈴が言った

「そんなとこウサ、それで、ここはどこウサ?」

 あらかた食い尽くしたてゐが訊いた

「ここはイギリスはロンドン郊外の街アル。修行の旅をしていたら、いつの間にかこんな所まで来てしまったアル」

 美鈴は、てゐの質問に丁寧に答えていった
 てゐは、美鈴の話から、自分が19世紀のイギリスにタイムスリップしてしまったことを知った

「そんなことより、まだあなたの名前を聞いてないアル
 なんと呼べばいいアルか?」

 今度は、美鈴が尋ねて来た

「(本名を名乗るとマズイかもウサ)れ、鈴仙ウサ」

 とっさに、てゐはうどんげの名前を言った

(どうやら、本当にタイムスリップしてしまったらしいウサ。どうすれば、幻想郷に帰れるウサ)

 てゐが考えているうちに、突然、店の中で男が声を荒げて掴み合った

「喧嘩アル」

 美鈴が言った
 てゐは、男達の言葉が聞き取れない

「鈴仙は英語が分からないアルね。これを食べるといいアル」

 そういうと、美鈴は一つのこんにゃくを取り出した
 どこにでもありそうな、黒いツブツブの入ったこんにゃくである

「これは、中国三千年の歴史が生んだ翻訳こんにゃくアル
 これを食べるとアラ不思議、どんな言葉も自分の国の言葉で会話できるようになるアル」

 美鈴は、自信満々にこんにゃくを堂々と見せびらかした

(すごく…胡散臭いウサ…)

 てゐはそう思ったが、命の恩人である美鈴がすすめた物でもあるし、言葉が分からないのは不便だったので、そのこんにゃくを食べる事にした

「俺が最後に食べようと思ってたエビフライの尻尾を食べやがって!」

「要らないと思ったんだよ!」

 アラ不思議

 確かに、二人の言葉が分かるようになったが、喧嘩の理由はごく下らない物だった

「はいはい、そこらへんで止めるアル。そんな事で大の大人が喧嘩するもんじゃないアル」

 いつの間にか、美鈴が二人の仲裁に入っていた

「なんだぁ、姉ちゃん。やろうってのか?」

「俺たちゃあイラついてんだ。余計な口を挟むと怪我するぜ」

 二人とも、美鈴よりも大きな筋骨隆々の大男である
 台詞の陳腐さの割りに、見るからに強そうである

「その台詞は、これからやられる奴の台詞アル
 とっととお金を払って出て行くアル」

 二人の恫喝にビクともせず、美鈴は言った
 どうやら、この男達は自分のイライラをぶつける先があればなんでもいいという男達のようだった
 二人の怒りは、すぐさま美鈴に向けられた

「このー、ふざけやがって!」
「やっちまえ!」

 二人が美鈴に殴りかかった
 だが、連携も何もなっていない単調な攻撃を、美鈴は軽々とかわして行く

 二人の拳が空回りするたびに、男達の怒りはヒートアップしていく

 後ろに下がりながら攻撃をかわしていた美鈴だが、背中に店の壁が当たった

「このぉ!」

 これ以上後ろに下がりようのない美鈴に、エビフライの尻尾を食われた方の男が顔面目掛けて拳を放った

「ひぃ!」

 てゐが、思わず目を瞑る
 しかし、美鈴はその拳を指一本で止めていた

「ほいっ!」

 美鈴が男の足を払う
 バランスを崩した男は、転がりながら店の外に出た

「くそ!」

 エビフライの尻尾を食べた方の男が、テーブルにあったワインの瓶をつかみ振り上げた
 振り上げた瓶を、勢いよく美鈴に向かって振り下ろす

 美鈴は右の手のひらで印を組み、気を集中させた

「はぁ!」

 美鈴は、右手に集中させた気を、振り下ろされる瓶に向かって放った
 美鈴の気合砲で、瓶はコナゴナに砕け散った

「なっ…イテテテ!」

 美鈴は男の腕を掴み、グイっと捻って後ろに回した

「お金はちゃんと払うアル」

 美鈴は、男のポッケから財布を抜いた
 そして、そのまま男を店の外に放り出した

「ちくしょう!、覚えてやが…っ」

「忘れ物アル」

 小者らしい捨て台詞を吐こうとした男に、美鈴は空になった財布を投げつけた
 二人の男は三下らしい台詞を吐きながら、どこかへ消えていった

「あ、ありがとうございます」

「なんのアル。当然の事をしたまでアル」

 礼を述べる店主に、美鈴は笑顔で答えた
 財布の中身は意外と多く、二人の料金を払ってもまだ手元に残っていた

「臨時収入が入ったアル。これでデザートも食べれるアル」

 席に戻ってきた美鈴は、デザートにケーキを頼んでいた

「美鈴は、こんなに強かったウサね」

 いつも、居眠りをしてはメイド長に怒られているイメージの美鈴だったが、まさかこれほどの武術の達人だったとは…
 てゐは素直に感心した

「あんなのは大したことないアル。私は格闘妖怪アル。すっごく功夫を積んだアル」

 美鈴が言った
 生まれて数百年ほど経った時間のほとんどを格闘の修行に明け暮れた美鈴
 その腕は、中国国内はもちろん、日本や朝鮮半島、果ては東南アジアでも敵う者はなくなった

 強い敵を探すため、そして自らの修行の為に旅に出た美鈴は、流れ流れてイギリスまで来てしまった

「でも、あの男たちも、あんな下らない理由で喧嘩するなんて、大人気ないウサね」

 てゐがそう言うと、美鈴は紅茶を啜りながら言った
 美鈴の表情から笑顔がなくなり、真剣な表情になる

「そうアルね。きっとあの二人はここの工場で働いていたアル
 紅い悪魔の被害者アルよ」

「紅い悪魔…、ウサか?」

 てゐが反芻する
 どこかで聞いた事があるネーミングである

「知らないアルか?。最近この街に出没している二人の悪魔の話を
 私がこの街に来たのも、その紅い悪魔の話を聞いたからアル」

 そうして、美鈴は紅い悪魔の話を始めた




~紅い悪魔と呼ばれる二人の妖怪が現れたのは、今から2~3ヶ月前のことだった

 現れたのは、この街一番の工場で、あらかたの施設を破壊され、人間も一人残さず殺されていた

 それ以降、月に3~4回の頻度で二人の悪魔が現れ、次々と街の工場を破壊し、人を殺していった

 どういうわけか、狙うのは必ず工場だけであり、住宅街についてはまったくの無傷である

 工場主に恨みを抱く者の犯行かと思われたが、襲われた工場主の交友関係はバラバラで、共通点はただ大きな工場を持っているというだけだった

 スコットランドヤードでは、他国の産業スパイか異教徒による無差別テロの可能性もあるとして捜査をしているものの、いまだに真相は謎に包まれたまま

 いったい、紅い悪魔と呼ばれる二人は何者なのか?

 そして、なぜ工場だけを狙い破壊活動を行うのか

 全ては謎のままである…





「…私が知ってるのは、そんなとこアル」

 そういうと、美鈴は紅茶を啜った

「う~ん、外国には物騒な輩がいるウサね」

 てゐが言った
 てゐが見ていた、妙にイラついた町の住人たちは、その紅い悪魔によって職を失ったり家族を失ったりした人間達だったのか

 しかし、…とてゐは考える

 紅い悪魔…
 
 闇夜の中で、はっきり姿を見たものがいないのに、なぜその悪魔は紅い悪魔などと呼ばれているのか…?

「…ふむ、私も同じ事を考えていたアル。なんでも、着ていた服に真っ赤な血の跡がついていたとか
 人間の生き血を啜っているのを見たとか言われていたアルが…」

 美鈴も、同じ事を思っていた
 ただ工場を破壊するだけなら、悪魔だけでも良さそうなものなのに、なぜ紅いという固有名詞がついているのか…

 服についた血の跡…、生き血をすする悪魔…

 てゐは、喉に魚の骨が刺さったようなもどかしさに襲われる
 三題囃のあとひとつ…

「紅い悪魔…、英語で言うと…スカーレット・デビル…アルね」

 スカーレット・デビル…

「あ、ああ~~!!」

 てゐの喉の骨が取れた

「レ、レミリア・スカーレット!」

 服についた血の跡、生き血をすする悪魔、スカーレット・デビル

 三題囃の答えは、紅魔館の主、レミリア・スカーレットだった

 てゐの頭が、三題囃の回答を受けて、目まぐるしく回転する

 ここは、19世紀のイギリス

 おそらく、幻想郷にやってくる前の紅魔館がここにあったのだ
 そして、美鈴はいまだにレミリアを知らない。
 …ということは、これから美鈴は紅魔館で働くことになるに違いない

 どんな方法で、レミリアが紅魔館を幻想郷に移動させたのかは知らないが、紅魔館はこれから幻想郷に移転する

 つまり、美鈴についていけば、幻想郷に戻れるかもしれない

「美鈴、お茶を飲んでる場合じゃないウサ!
 早く二人でその紅い悪魔を探すウサ!」

「あぁ、待つアル。そんなに引っ張らないで欲しいアル」

 てゐは、いきりたって美鈴を連れて店を出た

 幻想郷に帰れる…、その希望を紅魔館に見つけたからだ

(姫様、お師匠様、鈴仙。きっと私は幻想郷に戻って見せるウサ…)

 てゐは、力強く美鈴の手を握り、店をあとにした
こんばんわ
予想より長くなってしまったので分けました

完結するまで半年と書いたけど、このペースだと一年かかるかも…

なお、てゐと美鈴の語尾にウサ、アルをつけるのはアレンジです

次回はお嬢様といよいよもこたん、輝夜が登場します

また、東方以外からのオマージュもありますのでお気をつけください

第一章前編②のリンク貼っちゃいます→
ダイ
http://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269183798&log=105
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コメント



0.400簡易評価
6.無評価名前が無い程度の能力削除
老婆心ながら。
さすがにウサとアルはどうかと思います。
何か大きな意味をもってのウサとアルなら納得もするのですが、
>地味なキャラをちょっと目立つようにしてあります
それだけでウサとアルはどうなのかと……。
無理に語尾をアレンジしても、目立つより違和感のほうが残ります。
目立たせるなら、他にも方法ありますしね。

それに、てゐと美鈴は地味っていうのはどうなんだろう。
あれだけ濃いキャラもなかなかいないような。
7.20名前が無い程度の能力削除
描写が作者の説明口調風になってるからキャラが生かしきれてないかな
SSの書き方勉強さえすれば、面白くなりそう
ただこの系の設定はなれてないと書ききるのは難しそうだw
8.無評価名前が無い程度の能力削除
原作設定は遵守した方が良いですよ。
変なアレンジとか入れる意味が分かりません。
確かに違和感しか感じないし。
12.無評価名前が無い程度の能力削除
ないな
14.無評価名前が無い程度の能力削除
ん、えーとギャグ?
いきなり他の漫画のネタの翻訳こんにゃくとか出てきてるしギャグだよね
タイトル見てシリアスと思って読んでいったらこれだよ

つーかキャラが地味かどうかは書き手の問題だと思うぞー
15.10名前が無い程度の能力削除
前作であれだけアドバイス貰って何も生かせてないなw

貴方みたいにまだ未熟な書き手の文章では「口調=キャラの性格」です
その口調に独自アレンジを加えるとキャラ自体がオリジナルキャラに見えてしまい違和感しかありません
特に美鈴などは珍しく原作でもキャラの掘り下げが進んだキャラですので違和感が更に増します

ストーリーの方はまだ序盤なので言及できません。

これからも頑張って!
17.無評価名前が無い程度の能力削除
てゐの口調については指摘したはずなんですが…。
句読点もないままなので少し残念に思います。
キャラの性格については過去の作家の方々の作品を熟読し、学び取っていくのが一番の勉強法かと思います。
復習なしではテストで高得点はとれませんよ。
要反省、要精進です。
点数は完結したときにまた改めて、という形で。
応援しています。頑張ってください。
18.10名前が無い程度の能力削除
句読点については前回注意されていたような……。
語尾についてはまぁ、私の個人的な感情で、合わなかっただけかもしれませんのでとやかくは言えません。

序章は意外と(失礼ですが)好みだったのですが、今回は読む気すらもあまり起きませんでした。失礼ながら。

かなり個人的な意見なので聞き流してよろしいです。
20.無評価名前が無い程度の能力削除
ほぼ同上…後半は読む気すら起きません

物語の発想や今回の前半部は中々良いと思っただけに残念としか言い様がありません

批判から学習出来なければ、続ける間満遍なく今までのような評価しか得られないでしょうね
それでいいと言うならまあ勝手にやって下さいとしか言い様がありませんが
22.60名前が無い程度の能力削除
色々と違和感はありますが、ストーリーそのものには興味をひかれます。 美鈴とレミリアをどう絡ませて幻想郷の歴史へと帰結させるのか楽しみです。
23.無評価名前が無い程度の能力削除
ほぼ18番と20番と同じ感想です。
キャラにオリジナル性を出したいなら、そのキャラの設定から根本的に組上げたうえで伏線張りまくって使うぐらいじゃないと。
それで語尾が変わっているなら、余程のことがない限りは自分は気にしません。
なんの考えもなしに、ただ『地味』ってだけじゃあアレンジする理由になりませんよ?
オリキャラ、オリ設定満載の作品なんていくつかあるんだからそれを読んでみることを勧めます。
それを読んだ上でもう一度オリジナル性というものを考えてください。
正直美鈴とてゐが○○動とかに出てくるようなおふざけキャラにしか見えないんですよ。
まだてゐ似、美鈴似のオリキャラって言われた方がましです。
それに美鈴やてゐが地味キャラって何を根拠に言ってるんです?
別に地味だと思うは勝手ですけど、美鈴やてゐが大好きな人って結構いるんですよ?
その辺りは理解してます?
24.無評価名前が無い程度の能力削除
地味ってなんだよ地味って
そんなの書き手の責任じゃないのか
面白そうな序章だっただけに残念です。
少なくともコメントで指摘されている事くらいは改善した上で次に取りかかってください。
25.80ずわいがに削除
おぉぅ、これは流石に美鈴に違和感が……ダメだ、どうしても蔵土縁紗夢でイメージしてしまう;ww
なんか色々もったいない気がしますが、どうしてもという拘りがあるのならもう何も言いません。

そしてやっぱりストーリー自体は面白気なんですよねぇ。てゐが幻想入り前の紅魔館勢と出会うっていうのも斬新な話ですし。
いちおう本筋の主人公は輝夜と妹紅って認識で良いんでしょうかね?……この後どう絡めるんだろう。
26.無評価ダイ削除
>ずわいがにさん

もちろん、主人公は輝夜ともこたんですよ
てゐにウサをつける人は結構いるけど(東方白書の人とか)美鈴にアルをつけたのは私が初めてのはず

これは、最初は凄く痛かったけど後になってくると気持ちよくなってきたというヤツです、多分
28.40クル削除
美鈴の口調が特殊なのは時代が違うのと関係有るのでしょうか。
てゐについてはなんか慣れた、というかどこでもいっしょのジュンを思い浮かべてしまう。
それと文章の完成度は序章より下がったように思いました。
34.90ほうじ茶削除
これは二次創作ですし、原作に厳密に従え、と言うわけでもないので偶にはアルアル言う美鈴やウサなてゐもありかも。むしろ、自分の持っている東方観とは違うんだ、パラレルな東方なんだと思うことで上手く差別化できるので個人的には(自分の中の東方と比較しないで済むので)読みやすくさえ思われます。

それに吸血鬼と言えばトランシルヴァニアな所を敢えて産業革命時のイギリスにしている点に最初は疑問を持っていましたが…
とにかく、伏線の引き方や物語の主軸が秀逸だと思います。