Coolier - 新生・東方創想話

東方X9

2010/02/15 10:18:36
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東方X戦記



第9話「疾風!限りなき戦い!」
「ここが外の世界か・・・本で見たのより進んでいるな・・・・・・。」
「そうですね・・・・・・。」
様々なビルが立ち並び、色んな人間が行き来している外の世界を見て慧音と鈴仙は感嘆した。
何せ、幻想郷とは異なり、科学が十分に進んでいる世界。月兎とワーハクタクの2人にとっては珍しい物ばかり。
大きな建物の中に人が映っていたり(大型ディスプレイと呼ぶ)、人を乗せた鉄の四角い車が走ったり(車と呼ぶ)・・・・・・。
とはいえ、2人の目的は外の世界の観光旅行ではなかった。
勇者を探し、その野望を阻止する事である。しかし、現在ではその姿は見当たらない。
街は至って平和で未だに機械人形やおかしな物体の姿は見られない。
だが、せめて情報収集へと2人は町での探索を行っている。
ちなみに鈴仙の耳は帽子で隠しており、妖精であるサニーミルクは目立つので待機させていた。
それ以外は、異国の服装か何かのコスプレなのかと言う訳か余り目立った様子はなかった。
ちなみに慧音は途中で何度もガラの悪そうな不良にナンパされ、鈴仙の狂気の目で攪乱させている間に逃げたが。
「・・・・・・(それにしても、外の世界では私は魅力的なのか?いやいやいや、鈴仙かもしれん・・・・・・。)」
「流石に、勇者とかそう言う情報はありませんでしたね・・・・・・。」
「(ハッ!)あ、あぁ、そうだな・・・。だが、大神天照の示す所は正しい。油断せずに行かねば・・・・・・。」
「ですね・・・・・・。」
そんなやり取りを喫茶店でしている中、ある電子音が響き渡る。
『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースです。最近、世界で騒がせている北方勇者帝国の拠点に国連が特殊部隊を派遣させた所、失敗に終わりました・・・・・・。』
「「っ!?」」
突然の言葉に2人は絶句する。北方勇者帝国!?更に大型ディスプレイから情報が流れてくる。
『政府もこの様なテロリストに・・・・・・。ガガガ、ビ~~~!』
「な、何だ!?」
突如、雑音と共に画像が乱れ、しばらくすると何らかのシンボルマークが表示し、女性の声が聞こえた。
『私の名は勇者6号!先日、この“楽園№6”に政府の刺客が現れた!』
その出来事にザワザワと動揺し始める民衆達。慧音達も警戒する。
「“楽園№6”って何が楽園よ・・・・・・!」
「落ち着け、鈴仙。とりあえず、奴の話でも聞こうではないか。何か情報を得るかもしれん。」
『我々はこの様な蛮行を行い続ける政府に対し、徹底的に宣戦布告を行う!我が北方勇者帝国はこの世界の終末を救う正義の最強軍団だ!すなわち、私達が正義!正義こそ全てだ!いつかきっと誰でも成し遂げられなかった平和を作り出すことを約束する!』
「(平和だと・・・・・・!違う!支配だ!そう言って人間達を支配する気なんだ!)」
一見、冷静そうに見えている慧音だが、内心では激昂していた。あいつらのせいで皆や大切な妹紅が・・・・・・!
『そして、非常にも“楽園№3”や“№7”、“№4”が敵の手に落ちてしまった。同胞の勇者の生存が確認されたが、機械とはいえ、名も無き戦士達が犠牲になった・・・・・・。我々はこの様な冷酷で残虐な者達を許しはしない!今ここに、この“楽園№6”の法律を厳しくする!』
「?一体、何をする気だ?」
『即ち、この“楽園№6”は強制隔離させる!これにより、外からの襲撃を阻止し、内側の内通者が報告で外に出る事もできなくする為だ!無論、デモは禁止!あと深夜の行動は控えるように!まぁ、苦しいと思うがこれも正義の為だ!』
「!!??」
その言葉に慧音は絶句した。この街を強制隔離って・・・・・・。
「まずいな・・・・・・町の外にはサニーがいる・・・・・・。」
「慧音さん、急ぎましょう。モタモタしてると、機械人形が来るかもしれません。」
「そうだな・・・・・・。」
そう話し合って、喫茶店を出、急いで走る慧音達。そんな彼女達の背後で声がまだ続く。
『我々は世界を破滅させる政府や軍隊を倒し、今こそ全世界を“楽園”に導く事を私はここに誓う!!』
そう言い終わると、喝采や拍手が聞こえ、慧音は胸が締め付けられる思いがした・・・・・・。



彼女はただ、歩いていた。目的も当てもなく。
目はうつろで魂の抜け殻状態だった。そんな彼女はある声を聞く。とても大きな声なので街の外でも聞こえる。
それは自分と同じ様な感じの声だった。と言う事は・・・・・・。
すると、彼女は全身に炎を纏って囁く。
「あいつの・・・Zの仲間か・・・・・・!慧音、待っていてくれ・・・・・・皆まとめて壊してやるよ・・・・・・皆・・・・・・皆・・・・・・皆・・・・・・みん・・・・・・み・・・・・・あは・・・・・・ははは・・・・・・あはははははは!!みんな壊れちまえ、あははははははははははははは!!!」
狂ったように笑いながら、彼女・・・・・・藤原妹紅は街・・・・・・拠点№6に向かって飛び立った・・・・・・。



「そんな・・・・・・一体、どういう事よ!!」
慧音の説明を聞いたサニーが怒号を上げる。何とか、サニーの元へ着いた2人だったが・・・・・・。
「あんな勇者の言う事を信じて・・・・・・外の世界の人間ってどんな思想をしているの!」
「落ち着け、サニー。あの者達は奴等の話を真に受けているんだ。彼等は悪くない。」
そう断固としてサニーを窘める慧音だが、サニーに睨まれてしまう。
「な、何だ・・・・・・?」
「貴方、妖怪なのにどうしてあいつらを庇うの!あいつらがいるからZみたいなのがいて、争いが起こるのよ!」
「!確かに私はZや勇者の様な奴等を許しはしない・・・・・・だが、全ての人間がそういった・・・・・・。」
「何で貴方の様な妖怪が人間を好むの!貴方達妖怪にとって人間は食べ物でしょう!?」
「ち、違う!私はワーハクタク!半分人間であるからして、人間が好きだ・・・サニーとて霊夢を・・・・・・!」
「あ~も~!霊夢は幻想郷の人間!外の世界の人間は皆、幻想郷の敵よ!」
「ま、待ってくれサニー!落ち着け!」
「慧音って言ったっけ!?じゃあ貴方はどっちの味方なの!?幻想郷、それとも外の世界!?」
「・・・・・・私は幻想郷の者だ・・・・・・だからって言って外の世界の者達を見殺すわけには・・・・・・。」
「外の世界の力があんな化け物の機械人形を生んだのよ!そして、ルナやスター・・・貴方や皆を殺したのよ!兎はどう!?」
「え、私・・・・・・?」
2人の口論を止めようとした鈴仙だが、突然、サニーに言われて戸惑う。
「貴方だって、貴方のお姫様が氷に閉じ込めたままよ!それなのに貴方は外の世界の人間を助ける気なの!?」
「わ、私は・・・・・・!?」
「よせ、サニー!」
「何よ!なら今日こそ、言ってやるわよ!貴方がいない間、妹紅という人間が一体、どう変わってしまったかを!私見たよ、妹紅がしょっちゅう天界に行っている事を!恐らく貴方がいる天国というのを探しているのか、何度も何度も・・・・・・!」
「っ!!止めろ!止めてくれぇ!!」
突然の慧音の大声にサニーはビックリして話を中断した。鈴仙もビクッと驚く。
見ると、震えて自分の肩を抱く慧音がいた。顔は絶望的に真っ青だった。
「今思えば、私の死で妹紅がどんなに苦しんでいるのか私には分かりそうな気がする・・・・・・妹紅が苦しんでいるのはZやT‐Jのせいではない・・・・・・私のせいだ・・・・・・私が無謀にも死んでしまったから妹紅がどんなに空しいのかどんなに悲しいのか・・・・・・。」
「慧音さん・・・・・・。」
「済まない、妹紅・・・・・・。本当に済まない・・・・・・。」
そう言って涙を流す慧音。そんな彼女を見たサニーは溜息交じりに言う。
「何だかね・・・・・・ま、まぁ私も言い過ぎたわね・・・・・・御免・・・・・・。だから、そう自分を責めないで・・・・・・。」
「・・・・・・慧音さん、妹紅さんがいなくなったのは慧音さんのせいじゃないですよ。だから・・・。」
「・・・・・・そうだな・・・・・・済まない、取り乱して・・・・・・。」
「で?これからどうする?」
「まず先に我々は奴等のアジトを探さなければならない。それには・・・・・・。」
「?慧音さん、何か聞こえませんか?」
突然、鈴仙が何かに気づいたのか顔をあげて慧音に尋ねる。
「?いや、私は・・・・・・っ!?」
慧音は鈴仙に答えながら慧音も顔を上げるが、突然の光景に絶句する。
見ると、街の外れで何やら爆発みたいな閃光が相次いで起こっていた。
そして閃光を起こしたのは炎の・・・・・・。
「!!??ま、まさか!?」
そう言うや否や、駆けだす慧音。慌てて、サニーと鈴仙も付いてくる。
どうか間違いであってほしい・・・・・・。そう慧音は強く思った。



勇者の拠点――“楽園”№6のモニター室。そこに勇者6号はいた。
彼女は悩んでいた。自分のやっている事――正義――は正しい。だが、かつてキリュウが放った言葉が頭から離れない。
『ふん、敵ですら情けをかけるのか?らしくないの~。』
『わしならば、容赦なく殺すじゃがな。』
『所詮、命ある者は生物だろうと、クローンだろうと何かを殺す為に生れたものじゃ。』
『殺し合いに正義等と言う甘ったれたものは不要じゃ。わしらは只、敵を殺せばいい。』
「違うっ!私の正義は甘ったれたものじゃない!私のやり方は間違っていない!」
そう叫び、必死に振り払おうとする6号。だが、自分でも分かっていた。
自分は闘う為に生れたクローン。我が主、Zも軍国に武器を売って金をもうけている。
彼女はそんな運命を呪った。自分は闘う事は嫌いだ。殺す為に戦う事が。
そして彼女はザリク達と違い、少しだけ幻想郷が羨ましかった。あそこは古いが平和に溢れる所らしい。
だからこそ、彼女は自分の正義を全うして戦っている。この世界に平和をもたらす為に。
今、この世界は狂っている。飢餓や戦争、天災にテロ等で多くの罪なき人々の命が奪われてゆく世界・・・・・・。
だから自分は無能な政府を倒す為に戦っている。別に指導者になりたくはない。
そう、誰もが笑いあえる世界を作りたかった。幻想郷の様に平和溢れる楽園を。
その為にも・・・・・・。
その時、別の“楽園”からの呼び出し音が聞こえた。自分と親しい者は彼女しかいない。
ボタンを押すと、画面には「5」という数字が。勇者5号からだ。
『私は勇者5号です。』
「久しぶりだな、5号・・・・・・所で、例の件だが・・・・・・。」
『その事なら安心しなさい・・・実は例の“要塞”の場所が特定できそうです。』
「そうか・・・・・・5号、この計画は私達だけの秘密だ。大丈夫か?」
『極めて順調ですよ、6号。キリュウ達は3号達の事で丁度いい目くらましになっています。』
勇者6号の計画、それは・・・・・・。
キリュウや北方勇者帝国への革命だった。
正直、生みの親であるZに反旗を翻すのは辛い事だった。だが、Zのやり方には許せなかった。
軍拡競争で自分はそれに楽しむ姿はまさに“悪”に相応しいもの。だからこそ革命を起こすべきだ。
だが、平和の為に革命を起こすには自分以外の勇者やキリュウを倒す武器が必要だった。
そんな時、勇者5号も手伝おうと言ってきた。自分も正義の為に共に闘おうと言ってきた。
5号程、頭が良くて心強い仲間がいる事は嬉しい事だ。しかし・・・・・・。
「果たして、成功できるのか・・・・・・?」
そんな弱々しい自分の呟きを聞いたのか5号が即、答える。
『ほぉ?・・・・・・君は“要塞”を文字通り、只の要塞だとお思いですね・・・・・・いいですか?“要塞”は主・Zの恐るべき科学力で天空に存在し、最も高価で強力な恐怖の最終兵器です。そんな物がまだ空中に彷徨っているとしたら一体、どれだけ平和にとって危険なのか君にもお分かりでしょう?ですので、私に協力してほしいのです。それに君も勇者なら勇気をお持ちなさい。』
5号の叱咤により一度は弱腰になっていた6号はハッとなった。
「5号・・・・・・・・・・・・そうだな・・・・・・もしキリュウがそれの存在を知れば、また多くの人々が死んでしまう・・・・・・だからこそ!私は幻想郷とこの世界を真の平和の世界へと開放し、真の悪の根源であるキリュウ達を滅さねばならない!5号、共に闘おう!」
『勿論、手は打ちます。私が協力したら、後で私にスペースシャトルを与えてほしいですね。』
「分かった、約束しよう・・・・・・本当、持つべき者は同志だな・・・・・・。」
『勿論です。』
「5号、待て。私にも条件がある。」
『ほぉ?何です?』
「もし、私達の革命が成功したら・・・・・・“要塞”を破壊してくれないか?平和にあれは必要ない。」
『・・・・・・約束しますよ。安心しなさい。では。』
そう言って、5号は通信を切った。
「頼んだぞ、5号・・・・・・・・・・・・。」
6号はそう呟いた。唯一の同志の成功を祈って・・・・・・。
一方、通信を切った勇者5号は不敵な笑みを浮かべ、こう呟いた。
「正義・・・・・・6号の様な熱血馬鹿には丁度いい目くらまし的な言葉ですね・・・・・・。」



「96・・・97・・・98・・・99!終わった~!」
「ゼウス」で素振りの特訓をし終わったAチルノがへたり込む。本部にいるAチルノは暇で暇でしょうがない。
その一方で勇者達は忙しいらしい。キリュウも何やらアタフタしてるし。
それにしても自分だけこんな所で留守番とは気に食わない。自分も勇者として闘いたい。
そして霊夢と・・・・・・。そんな事を考えるときに新人である亜魅がタオル持ってやって来た。
「チルノさん、お疲れ様です。」
「お、サンキュー亜魅ちゃん。・・・・・・所で、キリュウは?」
「え、えーと・・・・・・総帥は今忙しいので・・・・・・。」
「あ、そう・・・・・・ねぇ亜魅ちゃん・・・・・・。」
「?何ですか?」
「亜魅ちゃんはどの勇者が一番、カッコいいと思う?」
「え?そうですね・・・・・・皆さん、全員がカッコいいと思いますよ。」
「そうか・・・・・・あたいは憧れているのが1人いる。」
そう、とチルノは眼を閉じて思い出す。自分が憧れる勇者・・・・・・。
勇者2号の事を。
いつもクールで無口な彼女。冷静沈着で常に相手の動きを予測している彼女。
チルノはいつしかそんな彼女に憧れていた。彼女と一緒に勇者として行動したかった。
今の彼女は自分の事を勇者と認めていないが絶対に勇者として認めさせたかった。
「あたいがあいつと模擬戦した時、あいつは刀での接近戦を行おうとしたんだ。あたいも剣と弾幕を組み合わせて自分なりに戦った・・・・・・だけど、結果は惨敗だった・・・・・・。あたいは『何で弾幕を撃たずに剣だけで戦ったの?』と尋ねたんだ。けど、あいつは何も言わずにあたいに背を向けて去った。その時、あたいは納得した『あたいみたいな奴には弾幕を行う必要はないからだ』と・・・・・・。以来、あたいはあいつ(勇者2号)に少しでも近づこうと頑張った・・・・・・あいつはあたいにとっては師匠なんだ・・・・・・。」
「そうでしたか・・・・・・あれ?あれは・・・・・・。」
亜魅の言葉に気付き、Aチルノもその方を見る。そこには何とキリュウが!?
「キリュウ、どうしたの?」
「おおぅ、チルノよ。実はぬしに頼みたい事があっての~。」
頼みたい事?その時、Aチルノの目が輝いた。と言う事は・・・・・・。
「実は、幻想郷のとある場所に赴き、とある封印の扉を開けるのじゃ。」
「封印の扉?」
「左様、とてつもない力を封印している扉じゃ。正直、わしは嫌じゃが・・・紅の頼みでの・・・・・・。」
「紅姉ちゃんが?何で?」
「わしにも分からん。で、行ってくれるのか?成功したらムフフな展開が・・・・・・!」
「っ!?ムフフな展開ってまさか・・・・・・!?」
まさか自分を勇者にすると言う事!?それならば!
「分かったわよ!最強のあたいにかかれば朝御飯前よ!」
「ほぉ、行ってくれるのか?では、ハンガー99に目的地をセットしている船があるから。」
「分かった!んじゃ、行って来るね、亜魅ちゃん。お土産楽しみにね~♪」
そう言い残して、Aチルノは高速で走り去った。残される亜魅とキリュウ。
「・・・・・・総帥、いいのでしょうか・・・・・・?あそこには総帥の・・・・・・。」
「わしも本当は二度と開けたくなかったのじゃ・・・・・・。」
亜魅の言葉に苦渋の表情でキリュウが答える。
「かつて、Zに捨てられたわしが復讐心で旅をしている時に見つけたのが封印の扉じゃった・・・・・・。わしはそこで殺しのテクニックを磨き、一流になった時にはその封印の扉を永久に封印したのじゃ・・・・・・じゃが、紅め・・・一体、何を企んでおる・・・・・・?」
「封印って・・・・・・何を封印しているのですか?」
亜魅の質問に何かを思い出したかのように頭を少し振ってこう呟いた。
「闇の巫女に仕える恐怖の冥界少女四天王じゃ・・・・・・。」



慧音は急いだ。爆発のした所には見覚えのあるシルエットが一瞬だが見えたのだ。
正直、嘘であって欲しい。何故、彼女がこんな事をする?慧音にはそう疑問が頭の中でいっぱいだった。
そして辿り着いた一行はすぐに目にした光景に絶句した。
それは大量の機械人形の残骸と・・・・・・。
「妹紅・・・・・・?」
愛すべき妹紅だった。彼女がそこにいたのだ。
一体、どうやって外の世界へ?そう考えているサニーと鈴仙に対し・・・・・・。
「妹紅・・・・・・っ!良かった・・・・・・。」
そう言って駆け寄る慧音だが・・・・・・様子がおかしい・・・・・・。
慧音を見つけた妹紅は不気味な笑みを浮かべ・・・・・・。
慧音に向けて炎を放ったのだ。
「っ!」
とっさに何とか高速にかわす慧音。しかし、精神的にはショックだった。
妹紅が・・・・・・攻撃した?私に攻撃した?
「ちょ、ちょっと何すんのよ妹紅!あんたと慧音は仲間じゃなかったの!?」
慧音の気持ちに代弁するかのようにサニーが叫ぶ。だが、妹紅は笑ったままだった。
「も、妹紅・・・・・・・!?」
「・・・・・・偽者か・・・・・・。」
「え?」
「偽者・・・・・・Zが私を殺そうと送り出した偽者か・・・・・・あは・・・・・・ははは・・・・・・あはははははは!!」
突如、そう呟き、狂ったかの様に笑いだす妹紅。そんな彼女を見て絶句する。
「(妹紅が・・・・・・壊れた・・・・・・?)」
それは自分と仲良く生活していた妹紅ではなかった・・・・・・。
今いるのは・・・・・・精神の壊れた不老不死の少女だった・・・・・・。
「そんな・・・・・・妹紅さんっ!」
そんな彼女に鈴仙は必死に呼びかけるが対する妹紅は笑っていた。
「・・・・・・あの永遠亭の兎の偽者まで・・・・・・皆、壊してやるよ・・・・・・あはははははは!!」
その言葉に鈴仙は確信した。妹紅さんは私達をZが作り出した偽者だと思っている事を・・・・・・。
「妹紅・・・・・・。」
「慧音!えっと、ほら、あんたの能力で無かった事にできないの!?」
サニーが思いついて叫ぶが、慧音は残念そうに首を振る。
「無理だ・・・・・・私の歴史を操る能力の範囲外になっている・・・・・・T‐Jも、Zの事も・・・・・・。」
「そんな・・・・・・どうしたら、妹紅さんを・・・・・・。」
鈴仙は考えた。何とかして妹紅を元に戻す方法を。その時、ある案が浮かんだ。
それは狂気の眼で妹紅を正気に戻す事だった。
確かに効率的な事だ。だが、それでは・・・・・・。“荒治療”と言っても過言ではない。
鈴仙は悩んだ。これはまさに究極の選択だった。狂気の眼で一歩間違えれば妹紅さんは・・・・・・。
「(・・・・・・だけど、これしか方法がない・・・・・・。妹紅さんを元に戻すには・・・・・・。)」
そう腹に決めて、身構える鈴仙。
「一か八か・・・・・・やってみるしかない!!」
「鈴仙、まさか!?」
身構えた鈴仙に対し、慧音が既に気づいている様だ。
「これが荒治療だと言う事は分かっています・・・・・・逆効果になる恐れも・・・・・・ですが、これしかないのです!」
「・・・・・・鈴仙、ここは私に任せてくれ・・・・・・。」
「で、ですが、思いついたのは私で・・・・・・!?」
「分かっている・・・・・・だが、妹紅がこうなったのは私の責任だ・・・・・・だから私が妹紅を元に戻す!」
苦渋の決断をした慧音が妹紅に向き直る。鈴仙は絶句し、慧音を見ていた。
「(私は・・・・・・今まで、見ているしかできなかったの・・・・・・?)」
月での戦いでは地上へと逃げ、T‐Jの事件でも姫様を救う事が出来なかった。
私は只・・・・・・今も見ているしかできないのか?そういう疑問が鈴仙の頭の中に響いた。



6号はモニター室で“楽園”№6の状況を調べていた。街の安全は隔離によりほぼ、大丈夫だった。
だが、外の様子を調べている量産型T‐Jの連絡がなかった。それを不憫に思う6号。
まさか・・・・・・。確証はないが、確かめる必要がある・・・・・・。そう思い、6号はポケットの中を探る。
そして携帯並の物体を取り出し、頭上に掲げる。
「ゴルディ―――――――――――――ン!!」
その呼びかけに答えるかのようにもの凄い爆音と共にある物が飛び出した。
それは金色の装飾が施され、最新型と思わせる形状の車だった。
ここで説明すると、6号の愛機「ゴルディン」は電装空間で転送され、6号の元へ辿り着く設計となっている。
6号はゴルディンに乗り込み、すぐに発進する。
カタパルトが開くとゴルディンは飛びだした。それと同時に変形し始める。
機首が尖り、タイヤが収納され、車の横側に翼が飛び出し、ゴルディンは空へと一気に上昇した。



「・・・・・・ん?」
その異変に最初に気づいたのは妹紅だった。突然、空を見上げる。それに続き、慧音達も見上げる。
「「「・・・・・・なっ!?」」」
驚く事に車が翼を生やして空を飛んでいるのだ!しかもこっちに向かっている。
「な、何なんだ、あれは!?」
「あれは!?」
「あれは!?」
「あれは!?」
そう呟く4人の前で車が垂直に着陸すると突然、消えた。目の前にいるのは・・・・・・。
「あ、あれが・・・・・・勇者?」
突如、現れた人物に鈴仙は絶句する。
目の前には緑色の短髪をし、目は白色、頭にはてゐの様な兎の耳が生えていた。その上、顔付きは妹紅に似ている。
自分と同じ顔をしている人物に流石の妹紅も只者じゃないと理解した。
「貴様・・・・・・何者だ!?」
その言葉を聞くとその人物はポーズを取り、こう答える。
「月影勇者、レグリン・フジワラ!!」
ビシィッ!!とカッコいい(?)ポーズを取り、彼女、勇者6号・・・レグリンは名乗る。そして彼女はこう思った。
「(我ながら、決まった・・・・・・!)」
そして慧音達3人はこう思った。
「(・・・・・・誰??)」
しかし、慧音達と違う反応を見せたのは妹紅だった。
「フジワラ・・・・・・藤原だと!?」
レグリンの名前に驚きを隠せない妹紅。確か、彼女の苗字も藤原と言うが・・・・・・。
「何で・・・・・・何で私の・・・・・・その名を!?」
「ん?・・・・・・どうやら、お前がこの騒ぎの元凶だな、藤原妹紅!」
ビシッと妹紅に指を突き付け、レグリンは彼女を睨みつつ言う。
「この様な悪事・・・・・・“楽園”の平和はこれ以上お前の好きにはさせない!」
「あんた・・・・・・Zの仲間か!?だったら容赦はしない!」
「望む所だ!行くぞ!」
そう言い、妹紅に攻撃を仕掛けるレグリン。対する妹紅も構える。それを見守る鈴仙達。
「妹紅・・・・・・。」
かくして不老不死の少女と月影勇者の死闘が今、始まろうとしていた・・・・・・。



『・・・・・・。』
「どうなさいましたか天照さん?」
『たった今、小さな氷の妖精がこの幻想郷に戻りました・・・・・・。』
「!?チ、チルノですか!?」
所変わって、ここは幻想郷の天照の森。天照の発言に阿求は絶句した。
「チルノが何故・・・・・・すぐに探してきます!」
『およしなさい。彼女を説得するのは危険です・・・・・・。』
「ですが!」
『あの者の心は深い悲しみと怒りに包まれています。貴方達の言葉はもう聞こえないでしょう・・・・・・。』
「そんな・・・・・・。」
天照の言葉に阿求は絶句した。一体、自分が知らない間に霊夢達に何があったのだろう・・・・・・?
そんな事を考えている阿求に対し、天照が続けて言う。
『・・・・・・紫の帰りが遅いですね・・・・・・なにかあったのかもしれません・・・・・・。』
「もうあっているわよ・・・・・・。」
「えっ!?」
振り返ってみるとそこには傷だらけの紫が!
「ゆ、紫さん!一体何があったのですか!?」
「まぁ、ちょっと・・・・・・古い者と弾幕をね・・・・・・。」
「?」
『・・・・・・。』
阿求には理解できなかったが天照には分かっていた様だ。
更に紫の背後には阿求にとって知らない者達がついて来た。それは・・・。
「皆さん明けましておめでとうございます。寅年で有名な寅丸星です。2010年も宜しくお願いします。」
「あらあら、星ったら。誰に言っているのかしら~?」
「この文章は元旦の夜に書かれていたものでして・・・・・・って何言わせているのですか作者さん!」
「疑いもせず挨拶するトラもトラだけどな。」
「・・・・・・同感ね・・・・・・。」
何故か新年の挨拶をする虎?の妖怪、寅丸星に微笑みつつ見ている星の師匠的魔法使い、聖。
それを呆れって見ている星蓮船の船長、ムラサに東方EXステージの新参者、鵺。
「・・・・・・あ、あのどちら様ですか?」
「あら?はじめまして人間さん。ナムサンで有名な聖です。宜しくね♪」
「は、はぁ・・・・・・。」
何だかよく分からないか幽々子や神綺の様なおっとりな性格の様な感じだ。
「所で、何かあったの?」
「じ、実はカクカクシカジカ・・・・・・。」
「チルノが?一体何故・・・・・・彼女なら理由は察するけど・・・・・・。」
そう言って考える紫。そんな中、星が言う。
「所で、ナズーリン達は見かけませんでしたか?昨日から見当たる事が出来なかったので。」
「え!?え、えぇ・・・・・・。」
これ以上の隠しだては無用だと思った紫は聖達のこれまでの事情を話す・・・・・・。
(中略)
「・・・・・・では、紫はナズーリンや子傘、一輪を天人と共に外の世界に行かせたのですか!?」
それを聞いて最初に紫に噛みついて来たのは予想通り、星だった。何せ、星はナズーリンの御主人だからだ。
「天人の力はともかく、流石にあの3人はな~・・・・・・。」
「・・・・・・正直、危険すぎる・・・・・・。」
「あらあら~うふふふふ♪」
「ははは・・・・・・。」
「笑い事じゃありません、紫!」
「御免なさい・・・・・・。」
「聖様も笑ってないで何とか対処を!」
「落ち着きなさいな、星~。私達も外の世界へ赴き、ナズーリン達を追えばいいじゃない?」
「そ、そうですね・・・・・・では、私とムラサは外の世界へ行きますので。」
「ま、トラ1人では危険だし予想はしてたけどね・・・・・・。」
「すみません、ムラサ。では紫、頼みます。」
「あら、待って。私も行くけど?」
「・・・・・・私も・・・・・・。」
「「えぇっ!?」
突然の聖と鵺の発言に驚く星とムラサ。
「な、何故ですか紫の説明によれば外の世界は危険ですよ!」
「そ、そうだ!鵺もまだ幻想郷に慣れてないから外の世界に行くのはヤバいって!」
「でも・・・・・・キリュウという人のせいで皆、死んでいるんでしょう・・・・・・?」
「!?」
聖の突然の発言に星は絶句した。聖はかつて死を恐れ、人を捨てた魔法使いである。
他人とはいえ、死に過剰に反応してしまうのが聖の性格上なのだ。
「・・・・・・私も行きたい・・・・・・嫌でも付いて行く・・・・・・。」
「鵺・・・・・・。」
一方の鵺も頑固でなかなか意見を変えてくれない。保護者的立場のムラサも何度も苦戦した事か・・・・・・。
結果・・・・・・。
「分かりました・・・・・・聖様も鵺も一緒に行きましょう・・・・・・ですが、外の世界は危険ですので注意してください。」
「ありがとう、星♪」
「わ、皆さんの前で頬ずりは止めてくださいよ~。」
何とまぁ、微笑ましい光景を見て、紫は1年前で失ったものを思い出して痛感していた。
「(藍・・・・・・橙・・・・・・。)」



一方の外の世界では、妹紅と勇者・レグリンの戦いは続いていた。
不死鳥の翼を広げ、弾幕を放つ妹紅に対し、レグリンは肉弾戦を行っていた。
「ちっ・・・・・・できる!」
「まだまだ行くぞ!」
そう言うや否や、レグリンは腰のホルダーから銃らしき物を取り出し、妹紅に向けて放つ。
「月夜の必殺!ジンギショット!!」
「いちいち、名前を呼びながら弾幕を放つのか・・・・・・?」
「さ、さぁ・・・・・・?」
慧音達のやり取りを聞いてないのかレグリンは銃から弾幕を放ちまくる。
その余りの高速に妹紅も苦戦する。そして頬に弾幕がかする。
「っ!・・・・・・なかなかやるじゃない、あんた・・・・・・!」
「言われなくとも、私はお前のクローンでもあり、輝夜のクローンでもあるからな・・・・・・。」
「・・・・・・あいつもか・・・・・・。」
「それに私は知っているぞ・・・・・・お前の罪を・・・・・・。」
「はっ!罪か・・・・・・だが、元々はあんた等のせいで慧音が・・・・・・!」
「1年前ではない・・・・・・。」
「何?」
「・・・・・・約千年前の罪を思い出せ、藤原妹紅!」
そう言って、身構えるレグリン。あの構えからして・・・・・・。
「スペルカードか!?」
「否、お前にオリジナルスペルを放つ必要はない!!」
その時、レグリンの様子の変化に早く察知したのは鈴仙だった。
「慧音さん・・・・・・このままでは、妹紅さんが・・・・・・!」
「ど、どういう事だ?奴はスペルカードを使わないって・・・・・・。」
「ですが・・・・・・彼女の波長が異常に強く・・・・・・!」
鈴仙の言う通り、レグリンの周りにはオーラらしきものが漂っていたのだ。
「はぁぁぁ・・・・・・EDセイバー!」
前に両手を組み合わせたと思うと、何と輝く剣が出て来たのだ!
「剣よ、光をもたらし、闇を斬り払え!EDセイバー・レーザーブレードモード!!」
剣の舞の様な動きをしたかと思うと、その剣に光が灯る。
「くっ・・・・・・味な真似をっ!!」
妹紅はその光景に毒づき、スペルを取り出し、放つ。
「死ねぇっ!!」
一気に全てのスペルを発動し、レグリンにぶつける。その数秒後、大爆発。
煙で見えなかったものの、妹紅は自分の勝利だと確信した。
「やっと、死んだ・・・・・・死んだ・・・・・・し・・・・・・あははははははははははははははは!!!」
「妹紅・・・・・・。」
狂った様に笑いだす妹紅。それを悲しい瞳で見る慧音。その時!
「・・・・・・はっはっは・・・・・・はっはっは・・・・・・。」
「は・・・・・・!」
突然の笑い声に妹紅は笑うのを止め、呆然とする。その視線の先には・・・・・・。
「私の能力で、お前の全てのスペルを無へと・・・・・・すり替えておいたのSA!」
「まさか・・・・・・私の能力で妹紅のスペルを無かった事に!?」
レグリンだった。彼女は飛びあがって、妹紅に向かっていた。
「お前如きに、スペルを消費するわけにはいかない!くらえ、ジャスティス・クラァァァッシュ!!」
そして、レグリンの光の剣が妹紅の腹に突き刺さり、妹紅の背中から火花が出始める。
「ガッ・・・・・・!」
「も、妹紅――――――!!」
そう言って、駆け寄ろうとする慧音だったが、レグリンが空いた方の手を慧音達に差し出す。
「待て!1対1の戦い、正義と悪の戦いだ!手を出さないでもらいたい!」
慧音は剣に突き刺さって苦しんでいる妹紅を見てはいられなかった。それ程、辛かったのだ。
こんな目にあうなら自分か鈴仙が行う“荒治療”の方が楽だろう。やってはいないがそうに違いない。
「もう・・・・・・もう止めてくれっ!妹紅は何にも悪くない!なのに、どうしてだ!?どうして妹紅が!?」
「・・・・・・ならば、教えてやろう慧音よ!妹紅は輝夜の復讐の為に不老不死になる際に人を殺した事を!」
「・・・・・・え・・・・・・?」
妹紅が人を殺した?寺子屋の子供達と仲良しな妹紅が?
そんな慧音に答えるかの様にレグリンが説明する。
「今から約千年前・・・平安時代に遡る。輝夜が5人の婿候補に求婚されたと言うのは童話でも知っているな?その候補者の1人、藤原不比等の娘がどういう訳かいた・・・・・・それが妹紅だ。幼い妹紅は輝夜が父親を馬鹿にしたと思い込み、彼女を憎悪し、殺そうとした。だが、結果として輝夜は月へと帰った。未だに復讐心が消えない妹紅は帝が不老不死になれると言う蓬莱の薬をもらい、帝がある山にそれを焼こうと運び人に依頼した事を知った。そして彼女は不老不死になる為に・・・・・・その運び人を殺したのだ。」
「「「っ!!!???」」」
「何故知っているかと言うと、私はお前(慧音)や妹紅、輝夜、永琳、そこにいる鈴仙、てゐ、リグルにミスティアのDNAを元にして作られたクローン・・・僅かながら、その記憶も引き継いでいるのだ。」
レグリンの説明に、慧音は無論、鈴仙やサニーも驚愕した。まさか妹紅が不老不死になった背景にそんな事が・・・・・・。
「例え、1人とはいえ自らの復讐心の余り、その運び人の命を奪った罪は・・・・・・永遠に消えないのだ!」
そう言って、レグリンは剣を妹紅から抜き取る。一方の妹紅は腹から血を流し、膝をついた。
「そうか・・・・・・罪はそう言う意味なのか・・・・・・私は・・・・・・私はあいつを殺す為に・・・・・・だが、あいつはもういない・・・・・・何でだ・・・・・・何で皆、死んだんだ・・・・・・私は・・・・・・どうしてこんな事を・・・・・・何で死ねない体を望んでいたんだ・・・・・・!」
「今更、後悔してももう遅い!その千年前の悪しき行い、私が断罪する!」
そう叫んだレグリンは一度伏せて地面を叩き、一気に飛び上がる。
「とおっ!」
「!妹紅、危ない!避けろぉ!」
無駄だと分かりつつも慧音は叫んだ。その時、妹紅と慧音の視線がぶつかる。
「・・・・・・慧音・・・・・・?」
「!?」
その瞳はもはや狂気がなくなっていた・・・・・・いつもの愛する妹紅に戻っていたのだ・・・・・・。
だが、そんな彼女に向かってレグリンがとどめの一撃を放った!
「とどめだ!ルナティックキィィィィィィック!!」
部屋明るくして離れないと見れない位眩い閃光と共に出された必殺の飛び蹴りが妹紅の胸にヒット。そして・・・・・・爆発した。
「!」
「そ、そんな・・・・・・。」
未だ、レグリンの説明によるショックから立ち直れないサニーと鈴仙は更なる衝撃を受けた。慧音も同感だった。
かつて、自分は妹紅の事を全て知っていた。だが、本当はそうではなかった・・・・・・。
自分の復讐のあまり、幼い時から自らの手を血で染めた妹紅。その心情は今の自分には分からない。
だが、それがいけない事なのか?妹紅の眼を見れば、どんなに辛い事かそれだけが分かる。
本当の正義は・・・・・・真の正義はそんなものなのか?
妹紅の行いは悪なのか?レグリンは正しいのか?
分からない・・・・・・もう何も分からない・・・・・・。
分かっているのは・・・・・・愛すべき妹紅が・・・・・・死んだ事だった・・・・・・。
死ねない筈の妹紅が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死んだ・・・・・・。
「妹紅ぉぉぉ―――――――――――――――――――――!!!!!」



幻想郷のとある場所でAチルノは立っていた。
「ここが封印の扉か~何だか禍々しいね・・・・・・。」
Aチルノの言う通り、おぞましいデザインの大きな扉があり、辺りを緊迫させる空気が漂っている。
「ここを開ければ、あたいは勇者に・・・・・・よし!」
意を決して、Aチルノは剣を取り出し、扉に向けて・・・・・・。
「おりゃ―――――!!」
・・・・・・かくして、この戦いに更なる惨劇をもたらす闇の封印が・・・・・・今解かれていった。



続く


次回:「自らの正義を全うするレグリンは鈴仙に1対1の決闘を申し込む。とてつもない重症の妹紅を介抱する慧音に戦意喪失のサニー。恐怖と緊張と不安に押しつぶされそうな鈴仙に妹紅が問う。「鈴仙・・・・・・お前にとって正義は必要なのか?」そして闇の巫女、博麗霊牙の意外な過去の一部が!?次回、「夢想技で覚醒してすぐ暴走!狂気の優曇華院!」にご期待ください!」
2010年になりましたが、遅れてすいません。
とりあえず、妹紅ファンの皆さん、ごめんなさい。
2010年も頑張ります。
次回は鈴仙が大活躍!
ZRX
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コメント



0.420簡易評価
11.無評価名前が無い程度の能力削除
コメント返しとか、したらどうだ作者
なんでこんなに批判してるにも関わらず投稿してるのか理由が聞きたい
19.無評価名前が無い程度の能力削除
なぜ帰ってきたし
21.無評価名前が無い程度の能力削除
四角い車が走ったり(車と呼ぶ)・・・・・・。

タントですか?
27.無評価名前が無い程度の能力削除
あ、まだいたの?
34.無評価名前が無い程度の能力削除
消えろ♪
頑張らなくていいから。
35.無評価名前が無い程度の能力削除
すごい精神だ・・