Coolier - 新生・東方創想話

私の式

2005/02/01 08:56:51
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ここはマヨヒガ。
八雲一家は三人でのんびり時を過ごしていた。
そして今日も藍の怒声が響く


「紫様ッ、またですかっ?またなのですかっ!?」
紫は暇さえあれば悪戯して帰ってくるのだ。
相手の事などお構い無しに…
「ごめんね~っ」
「毎度毎度誤りに行くほうの身にもなってください!」
「反省してますっ」
紫は口ではこう言うも全然反省してない。
「今日はもういいですっ!なるべく迷惑かけないようにしてくださいね!」
藍は紫の部屋を出て自室へと向かった。
「…」
「でも…やめられないのよねぇー、正直面白いし」
やはり懲りてない。



そんな日が半年近くも過ぎ…



今日もまた…



「ちょっと出かけてくるわね」
「紫様!今日もですか!?」
「じゃぁねー」
紫は隙間に入っていってしまった。



「まったく紫様にも困ったものだ」
藍は洗濯をしながら呟いた。
「さて、次の仕事は…!!」
目の前が歪んだ。
「あれっ…疲れているのかしら…眩暈が…」
藍はふらふらと縁側に座る。
「…」
藍は縁側に倒れ、そのまま気絶してしまった。


そんな事とはつゆしらずの紫。


時は夕刻…



「ただいまー、藍、御飯はー?」
「…」
「あら、どうしたのかしら」
いつもはすごい顔つきで紫を出迎えてくれるのだが…
紫は屋敷の中を歩き回る。
「!」
そこで倒れている藍を見つけた。
「藍!藍!どうしたの!?」
返事はない。
近くには橙の式の札が落ちていた。
(藍の妖力がなくなっている!?)
紫は藍を布団に入れて、医者を呼びに行った。



向かった先は永遠邸だ。
「永琳!永琳はどこ!?」
「あ、いつぞやの妖怪」
鈴仙が紫を見て言う。
「鈴仙!永琳はどこにいるの!?」
「師匠?師匠なら薬剤室にいると思うけど…」
「そこに連れてって!」
鈴仙はいつもと雰囲気の違う紫を見て何もいわず永琳の所へと案内した。
「師匠!お客人です!」
「いいわよ、入っても」
「失礼します」
鈴仙が薬剤室の襖を開ける。
と、同時に紫が永琳に詰め寄る。
「永琳!藍が!藍が…」
「落ち着いて!何があったの?」
いつもは冷静な紫がこんなにも慌てているのに永琳はすぐに感じ取った。
「実は…」



永琳は理由を聞き、マヨヒガへとついてきた。
永琳は藍の隣へ座り手を差し伸べた。


「…」


「これは…」
「これは…?」
紫の額に汗が滲む。
「過労ね」
「は…?」
「この子は疲れ果てているわ。貴女、普段何をさせているの?」
「あはは…掃除洗濯炊事…その他色々…」
「それじゃあ、しかたないわよ」
「どうすれば、治るの?」
「とにかくゆっくり休ませること!」
紫の顔の前に指を突き出し言う永琳。
「これからは貴女がこの子のしてきたことをするのよ」
「じゃあいつ目が覚めるの?」
「目を覚ますのはすぐよ」
「ん…」
「ほら」
藍が目を覚ました。
「よかった!」
紫は藍に抱きつく。
「ど、どうしたんですか!?紫様!」
「実はね…」


永琳が説明すると…
藍は納得して、またその場に眠りこんだ。
「じゃあ、くれぐれも藍を働かせないこと!」
「わかったわ、診てくれてありがとう」
「いえいえ、またね」
永琳は永遠邸へと戻っていった。



「今日は私も寝ましょう」
紫はようやく眠りについた。


次の日…



「はっ、しまった、寝過ごした!紫様に朝食を作らねば」
藍はふらふらと台所に向かう…しかし、
トントントントン
台所から音が響く。
「まさか…」
藍が襖を開けるとそこには…
「あ、おはよう、藍。朝食ちょっと待ってね」
「ゆ、紫様!?なぜ…」
「藍、昨日言われたこと忘れたの?」
「あ…」
「だから、できるまで座ってて」
「あ、はい」
藍は言われるままに座り込んだ。
「はい、おいしいかわからないけど…食べて」
「はい、ありがとうございます」
紫は藍をじっと見ている。
「…おいしい…おいしいですよ、紫様!」
「ふふ、ありがと。そういわれるとつくったかいがあるわ」
「紫様、料理上手なんですね」
「まあね、ふふふ」
二人の食事…なにか足りない。
「そうだ…橙…」
「あの子の為にもはやく妖力をつけないとね」
「はい」
「久々に料理するのもおもしろいわね、今度からは藍だけじゃなく私もつくるようにするわ」
「い、いいのでしょうか!?」
「もう藍には辛い思いをさせたくないの、だから今度からは橙も一緒にやりましょう」
「は、はい!ありがとうございます!紫様!」
藍は目に涙を浮かべている。
「こらこら、泣く子がいますか」
「はは、そうですね」
(藍…あなたは私の式の前に家族なのよ、もちろん橙もね…)



この以降、紫は悪戯をしなくなり、幻想郷全ての人に愛されたのであった。
こんな紫もいいかな…と。
カシス
[email protected]
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コメント



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17.20名前が無い程度の能力削除
最後の最後で窄まりすぎな気がしますが、八雲一家好きなので楽しく読ませてもらいました。
19.20名無し毛玉削除
んーそこで改心したら紫のアイデンティテー崩壊だと思うのですよ
やっぱ胡散臭くいつも裏があるようなスキマの方が(・∀・)イイ!
文体自体は嫌いじゃないですよ、今度は長文期待っす。