Coolier - 新生・東方創想話

東方昔話 『一寸法師』

2003/09/25 09:42:04
最終更新
サイズ
16.43KB
ページ数
1
閲覧数
1887
評価数
8/56
POINT
2220
Rate
7.88
むかしむかし、田舎のほうに、じいさんとばあさんが住んでいました。
このじいさんとばあさんは、子供に恵まれない、かわいそうな夫婦でした。

    霊夢「まあ、当然だけどね。」
   アリス「そうね。何で私がばあさん?」
    霊夢「出番があるだけ、マシだと思いなさいよ。」

じいさんとばあさんは、来る日も来る日も、子供が授かりますようにと、神様に祈りました。
そんなある日、いつものように神様にお願いをしていると、辺りが輝き始めました。

    霊夢「な、何?」
   アリス「きっと、神様に祈りが通じたのね。」

二人はびっくりしました。
そして、神様が現れました。
神様は二人に話し掛けます。

    魅魔「あなた達の願い、私が聞き届けてあげましょう。」
    霊夢「・・・・・・また、来たの。」
   アリス「久しぶりね。」
    魅魔「・・・・・あんた、誰?」
   アリス「あんたも私のこと、覚えてないの?」
    魅魔「うーん・・・・・。」
   アリス「まあ、無理に思い出さなくてもいいけど。」
    霊夢「それより、何でまた来たのよ?」
    魅魔「文句あるの?」
    霊夢「いや、もう何も言わない。疲れるから。」
   アリス「早く進めて。」
    魅魔「わかったわよ。あんたたちにはこの子をあげるから、大事に育てて頂戴。じゃあね。」

 ポイ!

神様は一人の子供を二人に放り投げると、消えていきました。

   魔理沙「やれやれ、もう少し大切に扱ってほしいぜ。」
    霊夢「口の悪い子供だこと・・・・。」
   アリス「捨てたほうがいいかしら?」
   魔理沙「大事に育てろって、言われただろ。」
    霊夢「しかたのない・・・・。」

じいさんとばあさんは、神様から授かった子供を、大事に育てました。
しかしこの子供は奇妙なことに、非常に背が小さかったのです。
さらに年を重ねても、大きくなることはありませんでした。
そのため、近所の子供達から、『一寸法師』と呼ばれ、いじめられていました。

     橙「ここであったが百年目!いまこそ仕返しを。」
   魔理沙「痛い痛い!爪を立てるな。」

一寸法師は、自分がいじめられるのを、たいそうくやしがっていました。
そんなある日一寸法師は、じいさんとばあさんに、都へ行きたいと告げました。

   魔理沙「私は都へ行って、立派な魔法使いになるぜ。」
    霊夢「そう?おみやげよろしくね。」
   アリス「はい、おわんとおはしと、あと人形用に作ったホウキ。」
   魔理沙「随分と雑な扱いだな・・・・。」

一寸法師は川に来て、おわんを船の代わりに、おはしをオール代わりにして都へ向かいました。

   魔理沙「飛んでいったほうが早いんだけどな。」

川で風雨にさらされること数日、一寸法師はついに都へたどり着きました。

   魔理沙「やれやれ。それじゃ、どっか飯を食わせてくれるところでも探すか・・・。」

一寸法師は、人に踏まれそうになりながら、都を歩き回りました。
そして、一軒の立派な館にたどり着きました。

   魔理沙「たのも~!!」

一寸法師はとりあえず、声をかけてみました。

    美鈴「は~い。どちらさん?」

使用人らしき人が出てきましたが、一寸法師に気づいてはいないようです。

    美鈴「・・・・悪戯かしら?」
   魔理沙「どっちかっていうと、大真面目なんだけどな。」
    美鈴「大真面目に悪戯?」
   魔理沙「違う違う。」
    美鈴「で、何処からともなく聞こえてくる声の主さんは、何処かしら?」
   魔理沙「あんたの足元だぜ。」
    美鈴「!?」

使用人の人は、一寸法師を見てびっくりしました。

    美鈴「ゴ、ゴキブリ!」
   魔理沙「誰がゴキブリだ。何処がゴキブリだ。」
    美鈴「あんたがゴキブリ。黒くて小さくて素早いところが、特にゴキブリ。」
   魔理沙「・・・・何気にひどい事言われたが、一応人間だぜ。」
    美鈴「そうなの?で、その一応人間な人が、うちに何の用?」
   魔理沙「話せば長くなるから、とりあえずここの主人に会わせてくれないか?」
    美鈴「まあ、いいけど・・・・。」

一寸法師は使用人に案内され、館の主人に会いました。
そして館の主人に、都へ来た理由を話しました。

  レミリア「なるほど。立派な魔法使いにね・・・・。」
   魔理沙「そういうわけだぜ。」
  レミリア「無理ね。」
   魔理沙「はっきり言うな。」
  レミリア「あなたはきっと、悪い魔法使いになるわ。」
   魔理沙「悪いかどうかは、私が決める。」
  レミリア「そんなもんなの?」
   魔理沙「そんなもんだぜ。というわけで、ここに置いてくれないか?」
  レミリア「何か役に立つの?」
   魔理沙「勉強すれば、きっと役に立つ子になる。」
  レミリア「それじゃあ、置いてあげるわ。役に立つ子になってね。」

館の主人は一寸法師を面白いやつだと思い、館に置いてやることにしました。
一寸法師は館のお手伝いさんに、とある場所に案内されました。

    咲夜「着いたわよ。」
   魔理沙「ここは何だ?辛気臭さがプンプンするぜ。」
    咲夜「うちの図書館よ。ここにいっぱい本があるから勉強しなさい、ってご主人様が。」
   魔理沙「そうかそうか。案内ご苦労。」
    咲夜「じゃ、頑張ってね。」

一寸法師は図書館に入りました。

   魔理沙「・・・・これはまた、大層な量の本だぜ・・・。」

一寸法師が本の量に圧倒されていると、誰かが入ってきました。

 パチュリー「あら、お客さん?」
   魔理沙「お客さんだぜ。」
 パチュリー「・・・・・何だ、ゴキブリか。」
   魔理沙「誰がゴキブリだ。」
 パチュリー「ええ~と、ゴキブリを原子レベルにまで分解できる殺虫剤の生成方法は・・・・。」
   魔理沙「そんな物騒なもん作るな。」
 パチュリー「・・・・あった。」
   魔理沙「あったのかよ。」
 パチュリー「とりあえず、実験に付き合ってくれない?」
   魔理沙「いいけど、きっと失敗するぜ。私はゴキブリじゃないからな。」
 パチュリー「じゃあ、何なのよ?」
   魔理沙「一寸法師という、ただの人間だぜ。今日からこの館で世話になる。」

入ってきたのは、館の主人の娘さんでした。
彼女はここに来るのが日課であったので、毎日ここで本を読んでいました。
勉強熱心な一寸法師も毎日ここで勉強したので、二人は日に日に仲良くなっていきました。
そんなある日のこと、図書館にお手伝いさんがやってきました。

    咲夜「掃除するから、外へ出て頂戴。」
   魔理沙「いや。」
 パチュリー「いや。」
    咲夜「子供は外で元気に遊びなさい。」
   魔理沙「いや。」
 パチュリー「私の方が80~90くらい上だけど。」
    咲夜「・・・・・私のナイフは、魔女とゴキブリを切れるのか?」
   魔理沙「ゴキブリは油っこいからな。きっと無理だぜ。」
 パチュリー「魔女は切れると思うけど、そんな簡単に切られる魔女はいないわ。」
    咲夜「・・・・・・・二人とも、そこへ並べ。」

一寸法師と娘さん対お手伝いさんの激闘が始まりました。
しかし、ちっこい一寸法師はあっという間にお手伝いさんに捕らえられてしまいました。
娘さんは、持病の喘息を発して戦闘どころではなくなってしまいました。

    咲夜「さあ、外へ出て遊んでらっしゃい。」
   魔理沙「しくしく・・・・。」
 パチュリー「しくしく・・・・。」
    咲夜「嘘泣きは効かないわよ。」

一寸法師と娘さんは、館の外へ放り出されてしまいました。

 パチュリー「病人は大切に扱ってほしいわ。」
   魔理沙「まあ、いいじゃないか。外もいいもんだぜ。」
 パチュリー「さっきは外に出たくないって言ってたくせに。」
   魔理沙「そういう気分の時もあるもんだよ。」

仕方なく二人は、山のほうへ歩いて行きました。

 パチュリー「あ、思い出した。」
   魔理沙「何をだ?」
 パチュリー「この辺、確か鬼が出るって。」
   魔理沙「鬼か?」
 パチュリー「そうよ。鬼よ。」
   魔理沙「鬼って言ったって、あのお手伝いさん以上の鬼はいないだろ。」
 パチュリー「・・・・それもそうね。」
   魔理沙「そういうこった。あれに比べれば鬼なんて、大したもんじゃ・・・・・。」

 ヒュッ!
 サク

そのとき、何かが飛んできました。
それは二人の間を通過、木に刺さっています。

   魔理沙「・・・・・ナイフか。」
 パチュリー「・・・・・ナイフね。」
   魔理沙「ナイフが飛んできた方向って、確か・・・・。」
 パチュリー「うちの方角よ。」
   魔理沙「・・・・・滅多なことは、言わないほうが良いみたいだぜ。」
 パチュリー「そうね。」

とりあえず何かに怯えながら、二人はさらに奥へと進んで行きました。
すると

     藍「おお、これは珍妙な。」

鬼が現れました。

     藍「こんなところで、みょんな組み合わせを見れるとは。」
   魔理沙「他人の台詞をパクるな。かわいそうじゃねえか。」
 パチュリー「あなた、誰?」
   魔理沙「見たところ、狐だぜ。」
     藍「鬼よ。」
 パチュリー「鬼が狐に化けてるのかしら?」
   魔理沙「狐が鬼に扮しているんだよ。」
     藍「そんなの、どうでもいいじゃないか。」
   魔理沙「そうだな、どうでもよくなってきたぜ。」
     藍「それよりだ。私の縄張りに入ってきて、ただで済むと思っているの?」
   魔理沙「ただで済まなきゃ、どうなるんだ?」
     藍「こうなる。」

鬼はそう言うと、なんと一寸法師を捕まえてしまいました。

   魔理沙「おい、こら。放せ。」
     藍「ただで済まなきゃ、こうなるっていう実演をしてみました。」
   魔理沙「わかったから、放せ。」 
     藍「折角捕まえた珍妙な生き物を、むざむざと手放すなんて、ねえ。」
   魔理沙「人を珍品扱いするな。」
     藍「と、言うわけでそこの娘さん。これ、貰ってくわね。」
 パチュリー「まあ、別に良いけど・・・・。」
   魔理沙「許可するな!」
     藍「ありがと。」
 パチュリー「でもそれ、ゴキブリよ。」
     藍「・・・・・わ!ばっちい。」
   魔理沙「うわ!急に放すな。」

娘さんの言葉に、鬼はついうっかり、一寸法師を放してしまいました。

     藍「ゴキブリは何処行った?」
   魔理沙「ゴキブリ言うな。知りたいか?」
     藍「うん。」
   魔理沙「あんたの服の中だ。」
     藍「え・・・・?」

一寸法師は鬼に放された拍子に、なんと鬼の服の中へと入り込んでしまいました。

 カサカサカサカサ・・・・

     藍「ひいいい・・・・。私の服の中を、黒くて小さくてカサカサした何かが這いずり回る・・・。」
   魔理沙「さて、私を捕まえてゴキブリ扱いしておいて、ただで済むと思ってるのか?」
     藍「ただで済まなきゃ、どうなる・・・・?」
   魔理沙「こうなる。」

 コチョコチョコチョ・・・・・・

     藍「ぶわはははははは・・・・・!」
   魔理沙「ほれほれ、この辺はどうだ?」
     藍「ぎゃははははは!ひ~・・・、やめて~・・・。い、息が・・・・」
   魔理沙「脇の下なんてどうかな?」

 コチョコチョ・・・・

     藍「ぎゃ~はははははははははは・・・・・!」
   魔理沙「お、どうやらここが笑いのツボらしいな。」
     藍「ぎゃははははは・・・・・。お、お願い、もう勘弁して・・・・・。」
   魔理沙「もう、私をゴキブリ扱い、しないな。」
     藍「し、しないから・・・。あはははは!もう、やめて~!」
   魔理沙「しかたねえな・・・・。」

鬼の服の中に入り、鬼をくすぐって懲らしめた一寸法師は、服の中から出てきました。

     藍「あ~、死ぬかと思った。くそ、覚えてろ~!」
   魔理沙「ああ、努力するよ。」

鬼は悔しそうに走り去って行きました。

 パチュリー「大丈夫だった?」
   魔理沙「ああ、大丈夫だぜ。」
 パチュリー「まさに、ゴキブリ並の生命力・・・。」
   魔理沙「・・・・あんたも同じ目に遭いたいか?」
 パチュリー「遠慮しとくわ。・・・・あら?」
   魔理沙「どうした?」
 パチュリー「何か落ちてる。」

娘さんは、鬼がいた場所に何かが落ちてるのを見つけました。

   魔理沙「・・・・・なんだこりゃ?木槌か?」
 パチュリー「ちょっと待って。これは確か・・・。ええ~と・・・・・・。」
   魔理沙「こんな所にまで、本持って来たのか。」
 パチュリー「あった。これは『打出の小づち』って言って、色々と願い事がかなう代物よ。」
   魔理沙「なんだってそんなもん、あの鬼が持ってたんだ?」
 パチュリー「まあ、いいじゃないの。で、あなたは何か欲しい物ある?」
   魔理沙「そうだな。とりあえず、大きくなりたい。」
 パチュリー「わかったわ。ええ~と、使い方は・・・・。」
   魔理沙「そんなことも載ってるのか?」
 パチュリー「願い事を言いながら、小づちを振ればいいのね。」
   魔理沙「準備はいいぜ。」
 パチュリー「それでは・・・・。」

娘さんは打出の小づちを振りかぶり、

 パチュリー「大きくなあれ!」

 ゴチーン

   魔理沙「痛い!」

願い事を言いながら、一寸法師を思いっきりぶん殴りました。

   魔理沙「おい!あんた、わざとやっただろ!?」
 パチュリー「事故よ。それより・・・・。」
   魔理沙「おお、体が・・・・・。」

一寸法師の体は、ぐんぐん大きくなっていきました。
そして、立派な大人へとなりました。

   魔理沙「・・・・・・・・おい。」
 パチュリー「・・・・・・・・なに?」
   魔理沙「・・・・・これは、どうかと思う。」
 パチュリー「そうね。私もどうかと思う。」

訂正。
一寸法師はぐんぐん大きくなり、五寸を超え一尺を超え、その何倍にもの大きさになりました。
今風に言うなら五~六十メートルくらいの、立派な巨人になりました。

   魔理沙「・・・・3センチから60メートルか。進化の過程も馬鹿馬鹿しくなるぜ。」
 パチュリー「立派なダイダラボッチの誕生ね。」
   魔理沙「・・・・そうだな。」
 パチュリー「まあ、少なくとも大きくはなれたから、いいんじゃない?」
   魔理沙「・・・・ところで、あんたの願い事は?」
 パチュリー「そうねえ。貧血や喘息を直したい。」
   魔理沙「そうか、それではこれを使って・・・・。」

一寸法師は器用にも打出の小づちを振りかぶり、

   魔理沙「病気に負けない体になあれ!」

 ゴチーン

 パチュリー「痛い!」

願い事を言いながら、娘さんを思いっきりぶん殴りました。

 パチュリー「ちょっと!わざとやったでしょ。」
   魔理沙「事故だよ、きっとな。それより、どうだ?」
 パチュリー「あ、体が・・・・。」

突如、娘さんの体が光り出しました。
そして、

 パチュリー「・・・・・・・ねえ。」
   魔理沙「・・・・・・・何だ?」
 パチュリー「・・・・これは、どうかと思うわ。」
   魔理沙「そうだな。私もどうかと思うぜ。」

ダイダラボッチがもう一人、誕生しました。

   魔理沙「よかったな。その体なら、病気には負けないぜ。」
 パチュリー「そうね。きっと病気も裸足で逃げ出すわ。」
   魔理沙「・・・・・・。」
 パチュリー「・・・・・・。」

しばし沈黙。

 パチュリー「どうするのよ。こんなんじゃ家に帰れないわ。」
   魔理沙「そうだな。とりあえず、打出の小づちで元の大きさに・・・・・。あ。」
 パチュリー「どうしたの?」
   魔理沙「下。」
 パチュリー「え?」

二人は下を見ました。
なんと打出の小づちが壊れてしまっているではありませんか。

   魔理沙「あ~、さっきぶん殴った拍子に・・・。」
 パチュリー「どうするのよ。これじゃあ一生ダイダラボッチとして暮らさなきゃいけないじゃないの。」
   魔理沙「まあ、待て。きっと直す方法がある。それまでの我慢だ。」
 パチュリー「それまで山篭り?」
   魔理沙「そうだな。」
 パチュリー「仕方ないわね・・・・・。」

 ズ~ン、ズ~ン・・・・

打出の小づちで巨大化した二人は、家に帰ろうにも帰れなくなってしまいました。
仕方がないので元に戻る方法が見つかるまで、山で暮らすことにしました。
その後世間では、山に鬼はいなくなったが代わりにダイダラボッチが出るという噂が広まりました。

 ・
 ・
 ・

    霊夢「一寸法師、どうしてるかねえ。」
   アリス「心配なの?」
    霊夢「いや、全然。」
   アリス「立派な魔法使いになるって言って出て行ったけど・・・・。」
    霊夢「きっと悪い魔法使いになる。」
   アリス「そうね。」
    霊夢「あ、そうだ。思い出した。」
   アリス「何を?」
    霊夢「最近山のほうでは、ダイダラボッチが出るって。」
   アリス「ああ、聞いたわ。しかも二人出るって。」

じいさんとばあさんは普段と変わりなく過ごしていました。
そこへ

 ズ~ン、ズ~ン・・・・・

突然、地響きが聞こえてきました。

    霊夢「な、何?」
   アリス「まさか、ダイダラボッチが・・・・?」

二人は慌てて外へ出ました。
するとそこには、

   魔理沙「じいさん、ばあさん、久しぶりだな。」
    霊夢「一寸法師!おやまあ、立派に育って・・・・・。」
   アリス「育ちすぎよ。」

立派に育った一寸法師がおりました。

   アリス「で、何が悲しくて、ダイダラボッチなんてやってるのよ?」
   魔理沙「それが、かくかくしかじかで・・・・。」
    霊夢「なるほど。」
   アリス「で、私達にどうしろって言うの?」
   魔理沙「とりあえず、この打出の小づちを修理してほしい。」
    霊夢「無理ね。」
   アリス「無理よ。」
   魔理沙「諦めちゃいけないぜ。じゃ、よろしくな。」

 ズ~ン、ズ~ン・・・・・・

一寸法師は打出の小づちをじいさんたちに手渡すと、山へ帰っていきました。
じいさんとばあさんは、一寸法師からの突然の申し出に、やや困惑気味です。

    霊夢「・・・・・・どうする?」
   アリス「私には、直せないわ。」
    霊夢「私も無理。」
   アリス「・・・・・・また、神様にお願いしましょうか。」
    霊夢「・・・・・・悪霊にも直せないわ。きっと。」

 ぽかっ!

神様が現れました。

    魅魔「悪霊言うな!」
    霊夢「痛いわね!なにすんのよ。」
   アリス「ちょうど良かった。実はかくかくしかじかな事情で、これを直してほしい。」
    魅魔「無理言うんじゃないよ。私は鍛冶の神様じゃないからね。」
    霊夢「祟り神だもんね。御利益なんてあったもんじゃないわ。」
   アリス「有り難味がないわねえ。疫病神。」
    魅魔「・・・・・二人とも、そこへ並べ。」

じいさんとばあさん対神様の激闘が始まりました。
なお、この勝負がどうなったのか、打出の小づちが直ったか、
また、一寸法師がダイダラボッチをやめることが出来たか等については、誰も知らないそうな・・・・。


 こうしてオチがないまま、『一寸法師』のお話は、おしまい


 キャスト

一寸法師   霧雨魔理沙
じいさん   博麗霊夢
ばあさん   アリス・マーガトロイド
神様     魅魔
近所の子供  橙
使用人    紅美鈴
館の主人   レミリア・スカーレット
お手伝いさん 十六夜咲夜
娘さん    パチュリー・ノーレッジ
鬼      八雲藍



 昔話第7弾、一寸法師。オチてないです。最後に書いてあるけど、オチてないです。まだまだ修行が足りないと思っています。
 紅魔館の住人は、結局普段の通りのような気がしてなりません。パチュリーを娘さんと設定しましたが、やることは変わってません。うーん、面白味のない・・・。一応所々に脚色とか加えて見ましたが、むしろそれが仇となったような気が・・・。精進します。
 ちなみに、ダイダラボッチというのは日本の有名な巨人さんです。身長は60メートルくらいだそうで、日本各地で結構豪快なことをしでかしてます。興味がある方は調べてみてください。
Piko
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1750簡易評価
1.30すけなり削除
東方キャラが昔話にでると㌧でもなく壊れる という証明にn(パーン
2.30Q削除
毎度、毎度楽しみに拝見させていただいております。
確かに落ちはないのですが、ここら辺が適当のなのはやはり東方だからいいのでは、と思いますよ。
15.80N削除
パロられるもの・・・いや、なんでもないです(笑
17.70名前が無い程度の能力削除
オチが無い、というのがPikoさまの味かなぁ、などとも思ったり。
魔理沙とパチェのやりとりが、何だか普通に仲良さげに思えて良かったです。
34.70名前が無い程度の能力削除
デイダラボッチの魔理沙とパチュリー
想像するとシュールw
38.80名前が無い程度の能力削除
いつ見ても面白いなぁww
46.40上海人形を操る者削除
いや…何というのか
想像力がすごい
47.70名前が無い程度の能力削除
はははwww