俺があいつであいつが俺で

作品集: 最新 投稿日時: 2011/04/01 23:55:18 更新日時: 2011/04/01 23:55:18 評価: 1/13 POINT: 1093324 Rate: 15619.27

 

分類
霊夢
魔理沙
レイマリ
ちゅっちゅ
「ええっ!?精神が入れ替わったんですか!?」
「そうなのよ」
「そうなんだぜ」

年度も変わり、春の匂いも漂ってきた守矢神社に飛び込んできたのは、普段と雰囲気の違う霊夢と魔理沙だった。
なんと、弾幕ごっこ中にぶつかって精神が入れ替わってしまったのだという。

「もう一回ぶつかったりはしてみたんだけどな。戻る気配もないぜ」
「あんたならなんか知ってるんじゃないの?外でこういう話なかった?」

非常に気持ち悪い光景であった。男勝りな紅白巫女とだるそうな白黒魔法使い。普段の彼女らをよく知ってるだけにこのギャップは受け入れがたいものがある。
……と言ってもだ。確かに入れ替わったように見えるが、本人そのまんま、というわけでもなさそうだ。二人とも口調のどこかしらに違和感がある。

「まあ……確かに物語の題材にはなってたりしますが」

聞いた時こそ驚いたが、今は焦った様子はない。もちろん、早苗は気づいているのだ。

今日がエイプリルフールだということに。

「どういう解決方法でしたっけねえ……思い出してみます」
(私なら騙されると思ったんでしょうか……ちょっと腹が立ちますね)

しかし早苗も元外の住人である。こういうイベントですぐそんなの嘘だろ、と言ってしまうのは粋じゃないという考えがある。
というわけで、騙されたフリをしつつ、どうやって反撃するかを考えていた。

「……あ、そうだ」
「何か思い出した?」
「霊夢さんと魔理沙さん……いや逆でしたね、今すぐキスをしてください」

早苗の反撃が始まる。今度は二人が驚く番だ。

「えっ、ちょっ、なんで私たちがそんなことしなきゃいけないんだぜ!?」
「そ、そうよ、他に方法はないのkゲフンゲフンないの?」

魔理沙さんちょっと素が出てますよ?
と早苗の悪態が聞こえてきそうである。

「だってそうだったんですもん。私が読んだ小説ではそうでした」
んなもん読んだことはない。でもエイプリルフールなのでこの程度の嘘は問題ない。

「……私は、霊夢相手だったらいいんだけど」
「ええ!?」
「ええ!?」

もちろん言ったのは見た目霊夢で中身は魔理沙ということになっている霊夢である。
これには流石に早苗も驚いた。勝手に魔理沙の心情をでっちあげてしまったのだ。
(いやでもこれはある意味魔理沙さんへの告白?違う?……ああもうこんがらがってきた)

「……私も、魔理沙相手ならそのくらい構わないわ」

もう二人ともやりたい放題である。最も魔理沙の方は顔が真っ赤であるが……言いだしっぺの早苗も流石に見てて恥ずかしくなってきた。

「……じゃあちょっと試してみるか」
(きっとここで『嘘でしたー』とか言ってネタばらしですよね……)

「……うん」
返事を聞くと霊夢は魔理沙の肩と頭に手を回し一気に引きつけそして

ズキュゥゥゥン

(やったッ!!
さすが霊夢!私たちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!)

カシャッ

「え?」
「え?」
「え?」

「毎度おなじみ清く正しい射命丸です。面白そうなことをしてたので待機してたんですが貴方達のキスシーンが撮れるとは」
「ちょっこら待て!!」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」

射命丸の胸ぐらをつかむ……霊夢。

「霊夢さん……雰囲気変わりました?」

沈黙がその場を包む。

「どどどどどうしよう早苗!!ほほほ本当に入れ替わっちゃったぜ!?」
「えええええええ!?キスで!?今のキスでですか!?」
「とりあえず落ち着きましょう霊夢さん!……いや、魔理沙さん?」

さっきの下手な演技とはまるで違う。確かにこの霊夢は魔理沙じゃないかと思える。
しかし当の見た目魔理沙は顔を真っ赤にしておどおどしている。

「……これはスクープですよ……!」カシャカシャ
「おい何とかしろよ早苗!奇跡おこせよ!!」
「も、もう一回キスしてみるとか……?」
「それだ!おい霊夢!」

見た目魔理沙がビクっと反応する。

「ま、またするの……?」

やはり挙動不審だ。なにかがおかしい。
(あれ?入れ替わったならあっちが霊夢さんで……でも霊夢さんぽくないですね)
と、早苗が勘ぐったその時だった。

見た目霊夢が笑い始めた。
それは確かに霊夢の笑い方だった。

「あんたら馬鹿ね、入れ替わってなんて無いわよ」
「ええっ!?」
「あやややや、これは一本取られましたね」


霊夢によると、最初は霊夢と魔理沙の二人で打ち合わせして嘘を付いていたが、キスからは霊夢のアドリブなのだという。

「しかしこの射命丸が人間に化かされるとは思ってませんでした」
「あれ似すぎですよー」
「見てて私すぎて怖かったぜ」

「だって、見てるもの。ずっと」
「なっ」
「そもそも好きでもない奴とはあんなことしないしね」
「ななっ」
「ま、どこまでが本当かなんて今日はわからないけどね。私は帰るわ。ハッピーエイプリルフール」
「ちょっ、待てよ霊夢!」

余裕しゃくしゃくで飛んでいく霊夢と茹でダコになって飛んでいく魔理沙。
そして置いてけぼりを食らった二人はため息をつき、こう叫ぶのだ。

「「この四月バカップルめ!!!!!!!!」」
「どどどどどうしよう霊夢、この前のアレが新聞になっちまったぜ!!!」
「やっべ忘れてた」
ちりー
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2011/04/01 23:55:18
更新日時:
2011/04/01 23:55:18
評価:
1/13
POINT:
1093324
Rate:
15619.27
簡易匿名評価
POINT
0. 93324点 匿名評価 投稿数: 12
9. 1000000 名前が無い程度の能力 ■2011/04/02 21:15:58
ニヤニヤだぜー! 4月馬鹿ネタでやってくれた喃
名前 メール
評価 パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード