「ラルバよ。私は好きだぞ」
摩多羅隠岐奈は隣に座るエタニティラルバに告げる。
「えへへ、嬉しいなあ」
太陽のような笑顔で答えるラルバ。とても可愛らしいことこの上ない。摩多羅は心の中で叫ぶ。
(ああああああ、なんて可愛いんだあああああ! 意地悪をしたくなるではないか!)
そう、この神様好きになった相手にはなんだかんだでちょっかいをかけるのだ。しかもタチの悪いイタズラばかりで嫌われる可能性があるというのに! 実際二童子には片方が死んだとかの冗談を言い、あとから殴られていた。懲りないものである。
「ラルバー! 遊ぼー!」
チルノが空から飛んできた。隠岐奈の心は曇る。
「うん! いいよー!」
笑顔でラルバは答えている。とても楽しそうなのが良いな。
「ねえ隠岐奈さん、チルノと遊んできてもいいかな?また今度遊ぼうよ」
愛しのラルバに言われれば拒否も出来ない。
「ああ、いいぞ。また遊ぼうな」
「うん!」
私にも笑顔を向けてくれるのが本当に良い。ラルバがチルノの方へと駆けていく。
「ラルバー! 大ちゃんとかも待ってるよー!」
「行くー……うあっ!?」
ラルバが地面に消えた。
「は? ラルバ!? ラルバ!?」
私は消えたと思われる場所まで走る。スキマがぽっかりと開いていた。……紫のやつか?
「おおーい、ラルバ! どうした! 大丈夫か!」
スキマに呼びかける。当たり前だが返事はなかった。
「うお! 止めろ、掴むな! 離せぇえ……!」
チルノの叫び声が聞こえたのでそちらを向くと開いたスキマから手が伸びて引きずり込もうとしていた。
「おい、大丈夫……か!」
「うわぁぁぁぁあ…………」
奥深くまで引き込まれるような反響と共にチルノもスキマに飲まれた。パチンとスキマは閉じた。なんなんだ! あいつは何がしたいのだ! ラルバとチルノが飲まれたまま私は少し放心する。驚きすぎて思考が回っていなかった。
……よし取り返しに行くために紫を襲うか!
そう思い後戸を開けようとすると、目の前にまたスキマが開いた。
「あなたの落とした人物は氷の精のチルノですか……それともアゲハの精のエタニティラルバですか……」
そう言いながらスキマからゆっくり上がってくるのは白の着物を着た紫だった。しかも両手に縛り上げたラルバとチルノを持っているではないか。二人とも猿轡をされている。バタバタと暴れているが、縄が身体にくい込み始めている。
「んー! んんんん!!!」「んんんん!んん!」
「お、おま……何やってんの……」
ドン引きしてしまう。
「何って……金の斧、銀の斧ごっこ?」
まるでテヘペロと言うかのように顔が清々しいほどムカつく顔をしていた。
「ラルバとチルノを解放しろ。可哀想だろ……」
「えー、それじゃあ面白くないじゃない 」
「そういう話じゃないだろう……」
サラッと酷いことを言うな。私もあながち言える訳でもないが……
「で、あなたが落としたのはどちらかしら?」
続けるのか。
「私が落としたのはラルバだ」
「正直なあなたには二人ともあげましょう」
紫は二人を投げた。尻もちをついて転がっている。私は二人の縄を解いた。
「てめぇ!」「よくもやってくれたな!」
ラルバとチルノは紫に蹴りを入れようとしたが、スキマに入って避けた。
……やれやれ。そう思ってラルバの後戸を借りて開けて次に繋げたのは紫の後戸。上手いこと身体を掴んで引き上げた。
「なっ……離しなさい!」
「それをさっきラルバとチルノは思っていたと思うがなぁ……」
バシーン!と二人から平手打ちを食らった紫であった。痛そうだなあと他人事のように思った。
「ふん、なんだいきなり落としてきて!」
「むかつくなあ!」
プンプンと二人はキレていた。それもそうだろうな。
「……二人ともとりあえず遊びに行こうか。友達が待っているんだろう?」
「そうだね! 行こ!」
「椅子の人、よく言ったぞ! 特別に仲間に入れてやる!」
「おお、それは嬉しいね」
布切れのように倒れた紫を放置して私たちは移動した。どうせ部下が回収しに来るんだ。今は妖精達と戯れることを楽しみにしよう。
そう思った隠岐奈であった。
摩多羅隠岐奈は隣に座るエタニティラルバに告げる。
「えへへ、嬉しいなあ」
太陽のような笑顔で答えるラルバ。とても可愛らしいことこの上ない。摩多羅は心の中で叫ぶ。
(ああああああ、なんて可愛いんだあああああ! 意地悪をしたくなるではないか!)
そう、この神様好きになった相手にはなんだかんだでちょっかいをかけるのだ。しかもタチの悪いイタズラばかりで嫌われる可能性があるというのに! 実際二童子には片方が死んだとかの冗談を言い、あとから殴られていた。懲りないものである。
「ラルバー! 遊ぼー!」
チルノが空から飛んできた。隠岐奈の心は曇る。
「うん! いいよー!」
笑顔でラルバは答えている。とても楽しそうなのが良いな。
「ねえ隠岐奈さん、チルノと遊んできてもいいかな?また今度遊ぼうよ」
愛しのラルバに言われれば拒否も出来ない。
「ああ、いいぞ。また遊ぼうな」
「うん!」
私にも笑顔を向けてくれるのが本当に良い。ラルバがチルノの方へと駆けていく。
「ラルバー! 大ちゃんとかも待ってるよー!」
「行くー……うあっ!?」
ラルバが地面に消えた。
「は? ラルバ!? ラルバ!?」
私は消えたと思われる場所まで走る。スキマがぽっかりと開いていた。……紫のやつか?
「おおーい、ラルバ! どうした! 大丈夫か!」
スキマに呼びかける。当たり前だが返事はなかった。
「うお! 止めろ、掴むな! 離せぇえ……!」
チルノの叫び声が聞こえたのでそちらを向くと開いたスキマから手が伸びて引きずり込もうとしていた。
「おい、大丈夫……か!」
「うわぁぁぁぁあ…………」
奥深くまで引き込まれるような反響と共にチルノもスキマに飲まれた。パチンとスキマは閉じた。なんなんだ! あいつは何がしたいのだ! ラルバとチルノが飲まれたまま私は少し放心する。驚きすぎて思考が回っていなかった。
……よし取り返しに行くために紫を襲うか!
そう思い後戸を開けようとすると、目の前にまたスキマが開いた。
「あなたの落とした人物は氷の精のチルノですか……それともアゲハの精のエタニティラルバですか……」
そう言いながらスキマからゆっくり上がってくるのは白の着物を着た紫だった。しかも両手に縛り上げたラルバとチルノを持っているではないか。二人とも猿轡をされている。バタバタと暴れているが、縄が身体にくい込み始めている。
「んー! んんんん!!!」「んんんん!んん!」
「お、おま……何やってんの……」
ドン引きしてしまう。
「何って……金の斧、銀の斧ごっこ?」
まるでテヘペロと言うかのように顔が清々しいほどムカつく顔をしていた。
「ラルバとチルノを解放しろ。可哀想だろ……」
「えー、それじゃあ面白くないじゃない 」
「そういう話じゃないだろう……」
サラッと酷いことを言うな。私もあながち言える訳でもないが……
「で、あなたが落としたのはどちらかしら?」
続けるのか。
「私が落としたのはラルバだ」
「正直なあなたには二人ともあげましょう」
紫は二人を投げた。尻もちをついて転がっている。私は二人の縄を解いた。
「てめぇ!」「よくもやってくれたな!」
ラルバとチルノは紫に蹴りを入れようとしたが、スキマに入って避けた。
……やれやれ。そう思ってラルバの後戸を借りて開けて次に繋げたのは紫の後戸。上手いこと身体を掴んで引き上げた。
「なっ……離しなさい!」
「それをさっきラルバとチルノは思っていたと思うがなぁ……」
バシーン!と二人から平手打ちを食らった紫であった。痛そうだなあと他人事のように思った。
「ふん、なんだいきなり落としてきて!」
「むかつくなあ!」
プンプンと二人はキレていた。それもそうだろうな。
「……二人ともとりあえず遊びに行こうか。友達が待っているんだろう?」
「そうだね! 行こ!」
「椅子の人、よく言ったぞ! 特別に仲間に入れてやる!」
「おお、それは嬉しいね」
布切れのように倒れた紫を放置して私たちは移動した。どうせ部下が回収しに来るんだ。今は妖精達と戯れることを楽しみにしよう。
そう思った隠岐奈であった。
しかし小さい子に悪戯をしたい心はわからなくもないのであった。縛られて猿轡されているチルノとラルバを見てキュンと来たあなたは、小さい子を愛するレベルが相当高くなっているのでご注意を。