Coolier - 迎え火 送り火 どんど焼き

2019/04/01 16:56:12
最終更新
サイズ
2.36KB
ページ数
1
閲覧数
536
評価数
6/11
POINT
9801
Rate
163.77

分類タグ

 嘘をはく、
 おえ。
 口からでてきた、
 嘘に、
 挨拶。
 こんにちは。
 こんにちは。
 嘘、
 返事があった。
 期待をしていたわけでは、
 なかった。
 なかったけれど、
 返事があったのだから、
 しようがない。
 おててつなご。
 フランドールが、
 言うと、
 嘘も、
 こくり、
 頷いた。
 
 嘘と、
 歩いていると、
 姉である、
 レミリアとでくわした。
『あら、誰、というか、何?』
 嘘だよ、
 フランドールは、
 答えた。
 嘘は、
 恥ずかしいのか、
 フランドールの陰に隠れて、
 それでも、
 そうだよ、
 という風に、
 何度か頷いてみせた。
『嘘、か、なるほど』
 フランドールは照れた。
 えへへ、
 と、
 照れた。
 嘘も照れた。
 えへへ、
 と、
 照れた。
 レミリアは素だった。
『まあ、四月馬鹿だし、そういうこともあるのか』
 なんとか、
 自分を納得させた、
 レミリアは、
 すすりと、
 行ってしまった。

 嘘の、
 親は、
 フランドールである。
 お腹は痛めていないけれど、
 喉は痛めて、
 産んだ子だ、
 フランドールは、
 嘘に愛を注いでいた。
 よしよし、
 と、
 髪をなでる。
 よしよし、
 と、
 お腹をなでる。
 その度に、
 きゅうきゅうと、
 猫のように鳴く、
 嘘に、
 愛情は深まっていた。
 この子を立派に、
 育てなければ、
 フランドールは、
 深く決意した。

 嘘と、
 フランドールは、
 地下室で、
 お茶会を、
 していた。
 紅茶を、 
 たしなみ。
 美味しい。
 それに。
 ふたりは幸福であった。
 けれど、
 その幸せは、
 長くは続かなかった。
 ぐちゃり、
 音がした。
 瞬間、
 嘘のティーカップが、
 砕けた。
 嘘は、
 驚いて、
 固まった。
 フランドールは、
 油断をしていた、
 能力が、
 暴発したのだ。
 何も意識せず、
 右手を握ってしまった。
 フランドールは、
 顔面蒼白に、
 ただ、
 嘘に、
 謝った。
 ごめんなさい、
 ごめんなさい、
 ごめんなさい。
 そういうつもりじゃあ、
 なかったの。
 フランドールは、
 何度も謝った、
 嘘は、
 びっくりしたけれど、
 大丈夫だよ、
 震える声、
 言葉、
 優しい嘘に、
 フランドールは、
 泣いてしまった。
 嘘は、
 どうしていいか、
 わからなくなって、
 でも、
 このままじゃあ、
 いけないんじゃあないかと、
 わかって、
 嘘は、
 フランドールの、
 おててをぎゅっと、
 握った。
 危ないよ。
 そう、
 言うが、
 嘘は手を放そうとはしなかった。
 だから。
 嘘を、
 間違っても、
 破壊しないようにと、
 フランドールは、
 右手を、
 少し、
 和らげて、
 握った。
 
『フランドール、大好きだよ』
 嘘の言葉に、
 フランドールは、
 どうしていいか分からない顔をした。
arca
http://twitter.com/torah_3
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.4455簡易評価
1.891891点を付ける程度の能力削除
フランちゃんも嘘も優しい…
公式じゃないけど火鳥さんを思い出した、同士は居るか?
3.891浄霊の火削除
嘘のことが好きになりました
4.891虚無太郎削除
嘘というのは真実、素朴というか、純粋というか、悪気が無いというか、素直。
左様、素直な心から発せられるのかもしれませんね
5.891終身名誉東方愚民削除
こういう不思議な世界観憧れますね〜
フランと優しい嘘ちゃんはこれからどうなるのか気になるけど絶対に幸せになって欲しい…
6.891奇声を発する(ry削除
良いですね
10.891青段削除
嘘という言葉の広がりが面白かったです