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霧雨魔理沙座談会 これからの魔理沙の話をしよう ~本日のゲスト・霧雨魔理沙、霧雨魔理沙~

2015/04/01 22:01:15
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 深夜の幻想郷、魔法の森にて。

――今日は霧雨魔理沙座談会ということで、様々な世界の魔理沙を呼んだんだぜ。自己紹介、よろしく。
「どうも、霧雨魔理沙だぜ。弾幕漫画担当だ」
――おお、幻想郷の花形だな。時折とんでもなく激烈な世界戦争レベルの戦いを繰り広げてるが、大変じゃあないのか?
「そういうときはスタントマンを雇ってるんだ」
――スタントマン。
「私がやってるのは一割も無いな。痛いのは嫌いなんだ」
――い、いきなり魔理沙としてのアイデンティティーを否定していくんだな。えーと次、そこのやけに桃色オーラの魔理沙。
「霧雨魔理沙だぜ。百合担当の」
――あ、百合担当か。どうりで甘ったるい空気を醸し出してると思ったぜ。
「ちなみに私は百合担当の中でもアリス担当だ。他にパチュリー担当、霊夢担当、にとり担当、こいし担当、と相当細かく分かれている。分業制だな。効率的とも言う」
――ちなみに中の人はマリフラ派らしいぞ。
「唐突にメタるの、伏線」
――やかましい。最後、そこのやけに怯えた様子の魔理沙。
「霧雨魔理沙です、うう、薄い本担当です。薄い本なので多少キャラが崩れてます」
――お前もありなのか(苦笑)。やっぱり仕事は大変なのか?
「そうですね、本当は輪番制にしてほしいんですけど。とりあえず体力は鍛えてるんで、最近は少しはましになりましたね」
――鍛えてたのか。実は魔法なしでも男より強いとか?
「一時は鬼の貌が背中にありましたからね」
――それはそれでありじゃないか。たぶん。
「でも引き換えに別の大変さが生まれてしまって・・・・・・全然痛くないのに痛いふりを」
――やめやめ!この話はここでストップ!

――ということで、座談会のテーマはこれからの魔理沙について、ということなんだが。
「どうと言われても・・・どうってことないんじゃないか。多分私たちの存在はこれまで通りだろう」
――それを言ったらおしまいじゃないか。なんかないのか、これからの展望とか、やりたいこととか。
「やられたいことならありますが」
――お前は少し黙ってろ。どうだ、百合担当?
「うーん、私も特には。アリスとラブラブだし。あ、そうだ、これ一線越えたとしたら私は薄い本担当と交代なのか? そのへんどうなんだ、薄い本担当」
「え、公には私がでることになりますね。実務的な面では仕方ないところもありますが、プライベートではお好きになさってよろしいかと」
――埒が開かん。弾幕担当魔理沙、頼む!
「仮に少しぐらい私たち魔理沙の人気が沈降したところで、東方全体の勢いもあるし、私たちの話は作られ続けるだろう。願っても無いことだ、もっとジャンジャンバリバリ生み出してほしい! そして私のスタントマンが私の名をあげるのだ!」
「あ、今ち◯こって言いました?」
――言ってない。というかこの談義、まったく前に進まないぞ!特に百合担当と薄い本担当、お前らはマイペースすぎるだろう!
「と、言われても。」
「そう言われると思っていたので、あの、みなさんを呼んでおきました。枯れ木も山の賑わいといいますし、たくさんいれば議論も進むでしょう」
――その使い方はおかし、いやお前魔力凄くないか!?

 薄い本担当の背後に、巨大な異空間ゲートが開いた。時には攻めに回る彼女には、この程度の魔力は造作も無いのである。
 そしてゲートの向こうから、わらわらと霧雨魔理沙が雨後の筍というか石後のワラジムシのような勢いでやってくる。

「こんばんはだぜ。今夜は随分楽しいことをしてると聞いたから、わざわざ来てやったんだぜ。感謝するんだぜ」
――お、お前は語感の良し悪しに関わらず必ず語尾にだぜがつく魔理沙!
「うふ、うふ、うふふふふふふふ」
――お前は特に本人が口にしたこともないのに黒歴史扱いされた上に名前までイジられる魔梨沙!
「おいおい、俺の存在を忘れてもらっちゃ困るぜ?」
――俺魔理沙!?死んだはずじゃあ・・・・・・

 突然ゲートから筋骨隆々の長身が現れる。ボディビルダーも真っ青の巨体である。
 しかしそれが不自然な投薬によって造られた筋肉であることを、薄い本担当魔理沙は即座に見抜いていた。

「ドーピングコンソメミサイルだ・・・・・・」
――風神録のパワー3.00~3.95魔理沙!

「・・・・・・・」←気道に開いた穴から息が漏れる
――金かわ担当魔理沙!
「特級茶葉で頼む!」
――お前は帰れ。

 こうして瞬く間に増えた魔理沙たちはあっというまに一面を埋め尽くした。どっちを向いても魔理沙である。プラナリア方式で魔理沙が魔理沙を生んだのではないかとばかりに魔理沙まみれであり、実に魔理沙である。
――こら、そこ、魔理沙同士で盛り合うんじゃない。まったく、余計に収拾がつかなくなったじゃないか。
「そういうお前はどうなんだ!どんな世界から来た魔理沙なんだ!?」
酒乱担当魔理沙が枡を投げつける。
――え、私は。
 集まる視線。
 進行担当魔理沙はぽっと頬を赤らめ、僅かに身を震わせる。

――私はな、最近世界に忘れ去られたせいで幻想入りしたオッドアイで色素の薄い髪のなぜだか知らんがよくモテる少年に恋をしてだな。
 一瞬の沈黙。そしてすぐにふつふつと周囲から湧き上がる怒りのオーラ。山のように物が飛んでくる。中に龍が詰まってそうな石だとか貴重なものですらぽんぽん飛んでくる。
「お前のところが一番不健全じゃないか!!!」
――あた、あたたた!!仕方ないじゃないか、私みたいな魔理沙も沢山いるんだから!
「うるさい!お前みたいな奴が魔理沙代表だなんて認めるか!者ども、かかれー!」
 進行担当魔理沙の周りにいた魔理沙たちが一斉に飛びかかり、ついでに無関係だった魔理沙たちも巻き込んで暴れ始める。私こそが真の魔理沙だとばかりに名乗りを上げる奴もいるわただ騒ぎたいだけの奴もいるわでもう収まりがつかない。
 罵倒だの弾幕だのハリセンだの餅だのが飛び交い、てんやわんやの大騒動。


 そんな阿鼻叫喚地獄絵図を、満月を背に見下ろす少女の影が空にあった。
「やれやれ・・・・・・まったく程遠いな」
 彼女はやけに丸っこい顔を傾けて、涙型の汗を地面に対して水平方向に撃ち出し、それから闇の中へと融けて行った。
もう めんどう みきれよう。
                                                           
                                                                           ΩND
るゐ
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