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秘封倶楽部の○○な方

2015/04/01 14:35:23
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 1.秘封倶楽部の自動車の運転が下手な方

「蓮子! 私免許取ったの! ドライブに行きましょう!」
「いいけど、車はあるの?」
「借りてきたわ。レンタカーは保険も入ってるから安心よ」
「それは嬉しいわね。で、どこ行くの?」
「神戸に行きましょう!」

 私は助手席に、メリーが運転席に座った。
 免許を取って初めての運転だからか、メリーは異様にテンションが高い。普段はのんびりした性格だから少し不安である。

「まずはエンジンをかけなきゃね!」
「まずはシートの調節じゃない?」
「おうふ、忘れてたわ。……よし、オッケー」
「ミラーの調節は?」
「あ、うん……。オッケーよ蓮子」
「ハンドルの高さはそれでいいの?」
「ちょっと高いかも……」
「メリー、ほんとに免許取れたの?」

 十分ほどして、ようやく車が走り出した。しかし、ここからが地獄の旅の始まりだった。

「メリー、指示器が逆よ」
「あらやだ」
「赤の点滅信号は一時停止だってば」
「そうだっけ?」

「メリー、下り坂ではエンジンブレーキ使わないと」
「なにそれ?」
「フットブレーキばかりだとベーパーロック現象が」
「蓮子の物理の話は分からないわ」
「車の話よ!」

「合流時は加速しないと危ないわよ」
「これくらい?」
「もっと踏み込んで。指示器出して。ちょっと、車来てるわよ」
「はわわわわわ」
「早く本線に入らないと壁があああああ」

「メリー、サービスエリアに寄ろう」
「まだ高速に乗って15分よ」
「もうあなたの運転には耐えられないわ」

 その後、蓮子が代わりに運転することになり、二人は無事神戸に着くことができたとさ。






 2.秘封倶楽部の自分で目薬を差せない方

「蓮子、ちょっとお願いがあるんだけど」

 そう言ったメリーの左目には眼帯が着けられていた。

「まさか、目の能力のこと?」
「目薬のことなんだけどね」
「は?」
「自分で差せないの……」
「まじ?」
「今日うちに来て差してほしいの」

 そんなわけで私はメリーの下宿に呼ばれた。
 目薬を差すというだけのために。

「小学生じゃないんだからさあ」
「えへへ」

 メリーは床で横になると、遠慮もせずに私の足の上に頭を乗せた。

「ちょっ、なんで膝枕なのよ」
「だってこの方が差しやすいでしょ? さ、どうぞ蓮子」
「なんか変なプレイをしている気分だわ……」

 メリーの綺麗な瞳はまっすぐ私に向けられている。これはこれで恥ずかしい。

「じゃあ差すわよー」
「はーい」

 目薬の容器を右手に持ち、ゆっくりとメリーの目に近づける。
 瞼がピクピク動いているメリーが可愛い。

「もっとちゃんと開けないと」
「わ、分かってるわよ」
「じゃ、せーので差すわね」
「うん」

 はい、せーの。

 ポチャ。

 容器から目薬が落とされたと同時にメリーが目を閉じやがった。

「ちゃんと開けといてよ」
「だって……」
「もう一回いくわよ」

 せーの。

 ポチャ。

「いい加減にしなさいメリー」
「だってぇ……」

 この後三回試してもメリーは全て目を閉じてしまった。

「私が瞼を押さえて入れようか」
「う、うん。そうして」

 左手の親指と人差し指でメリーの瞼を広げ、右手に目薬を構える。
 ……なんだろう。この何とも言えない背徳感。
 まるで、彼女の身体を私が弄んでいるような、奇妙な感覚に陥る。

「蓮子?」
「あ、いや、なんでもないわ。今度こそ差すわよ」

 強く容器を握ったせいで、大きな水滴がメリーの瞳に落とされた。

「ひぅっ」
「……」

 何よその声。まるで私が変なことしたみたいじゃない。

「あっ、ああ、やっと差せたわ」
「……」

 何だか癖になっちゃいそう。

「ありがとう蓮子」
「うん」
「あの、もしよかったら、一日三回差してほしいんだけど……」
「喜んで」
「へ?」
「メリーのためなら、一日に何回もやってあげるわ」
「三回でいいわよ」

 その後、目薬を差すという行為が、蓮子にとって特殊な感情を持つ行為となってしまったことをメリーは知らない。






 3.秘封倶楽部のほんとはココアが好きだけどかっこつけてブラックコーヒー飲んでる方

「蓮子、なに飲む?」
「もちろんコーヒーよ」
「こんな時間に? 眠れなくなるわよ?」
「ふん。コーヒーごときに覚醒させられる私ではないわ」

(また見栄張ってコーヒー頼んじゃった。ココアの方が好きなのに……)

「お砂糖とミルクは?」
「いらないわ。コーヒーはブラックで飲むものよ」
「私はあんな苦いの飲めないわ」

(私だってあんな苦いの飲みたくないよ! メリーと同じココアがいいよ!)

「あ、ごめんなさい。コーヒー切らしてたの」
「えー」
「ごめんね蓮子。今日はココアで我慢して」
「しょうがないわね」

(やった! ついにメリーと同じココアを飲むことができる!)

「ココアもいいものでしょ?」
「ま、たまにはね」
「すごく美味しそうに飲んでたわよ」
「そ、それは、メリーが入れてくれたからよ。それ以外のココアなんて飲めたもんじゃないわ」

(バカバカ。どうしてココアが好きって言えないの……)

「次はちゃんとコーヒーも用意しておくから」
「頼むわよほんと」

(ああ、また言えなかった……)



 一週間後。

「あ、コーヒー買うの忘れてたわ」
「またー?」
「ごめん。今日もココアで我慢して」

(このままずっと忘れてくれたらいいのに……)






 4.秘封倶楽部のゲームで運がいい方

 今日は休みなので、メリーとマリオカートをする。
 まあやり込みの差でどう考えても私が勝つが、アイテムもあるし初心者でも楽しめるだろう。

「よっしゃあああ。私がぶっちぎりよー!」
「あ、何かアイテム出た。えいっ」
「うわあああああトゲゾーくんなあああああ」
「やった! 私が一位よ蓮子!」


「今度こそ私が一位ね」
「あ、雷が出た」
「うわあああああジャンプ台から落ちたあああああ」
「あらあら、みんな小っちゃくなって落ちていったわ」


 マリオカートはダメだったからマリオパーティをすることにした。

「え? なに? ギャンブルマス? あ、お金全部取られた……」
「ふふん。パーティゲームはそういうのが面白いのよ」

 ギャンブルマスとは、コインを全部かけて、勝てば倍率の分だけコインがもらえるのだ。
 もちろん負ければコインは0。素寒貧である。

「やったわ! コインカンストよ!」
「なんでや!」






 5.秘封倶楽部の湯煎ができない方

 明日はバレンタインデーである。
 日本では友達にもチョコを贈るらしい。だから私も蓮子に贈ろうと思うの。
 まずはチョコを溶かすのよね。どうやるんだっけ……。

 とりあえずチョコをボウルに入れて……ああ、お湯で溶かすのね。
 チョコの入ったボウルの上から沸かして60度くらいになったお湯を注ぐ。
 これで混ぜていれば溶けるわね。

 よしよし溶けたわね。
 それで、このチョコが薄まった液体から、どうやってチョコだけ取り出すのかしら……。




 湯煎ってチョコにお湯を注いだらダメなんだ……。詰んだ……。
エイプリルフールは何書いてもいいらしいので。
こちらのTwitterのネタを一部参考にしました→秘封倶楽部の○○な方
私のTwitter→https://twitter.com/Shizuoka_th
しずおか
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コメント



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3.14絶望を司って欝気味になりそうな人削除
スマブラでなかったw
メリーさん何でチョコに直接お湯を注ぐんや!
4.14理工学部部員(嘘)削除
チョコにそのまま熱湯なんて
かけないよメリーさん!
蓮子、ゲームでの運ないなぁ…
いや、メリーの運でやられたのか

秘封倶楽部最高!
ツッコミどころがあって
おもしろかったです!
5.33削除
蓮子=コーヒーのイメージは確かにありますよね

この二人はいつでも楽しそう
6.14無名のプレイヤー削除
自動車運転の話とコーヒーの話が好き。
にんげんっぽくてとてもかわいい。