宮古芳香のエイプリルフー

タグとかいうのがなかなか香ばしいというやつで驚いている！
しかも私でだよ！！

カタカタとそんな残念な感じの文字列を並べるのはせーが様だ。
あんまり気色悪いので、私はついつい自分の額の御札を触る。この人が御札書いてるんだもんね？
あかんでしょー。
で、なんかひとしきり書き連ねておいて、名前とかあとがきとかを自分と関係ない人の名前を書いて・・・・・・えっと、ハンドルネームではないハズだ。せーが様が使っているハンドルネームは１００種類あるけど全部漢字で三文字の花の名前なんだよ、知ってた？・・・・・・えんたーキーをバチバチと叩いた。

「ふぅ、工作完了。今年のエイプリルもなかなか楽しそうね」

とっても素敵な邪悪スマイル。
私も口が裂けそうな勢いでギッコリ笑い返す。

せーが様はパソコン通信がとっても好きで、幻想入りしてからもしょっちゅうFBIだかSFCだかに入り浸っては「炎上」という行為をする。
炎上というのは、パソコン上の発言とかを粗探ししてその人が悪い事にして一斉に畳み掛けてやる行為だ。
一番ハデに決まると身元がバレて複数人からストーカーという行為状態を受けた上に家を燃やされてしまう。その事から炎上って名前がついているのだ。
せーが様は炎上のプロだ。この間も戦艦の装備をした女の子のアニメがどうのこうのでドシドシ燃やして言った。
まさに焼き魚だわ！とか言ってたら物部様が駆けつけてきて

「お、また炎上でござるか！せっしゃもすけだちいたす」
「ﾃﾞﾔｰ」

とか会話が始まって物部様も一緒に炎上を楽しむ。
二人してニコニコだ。時折腹をかかえて笑い転げるぐらい。ダイナモ感覚って言うらしい。私にはキチガイ沙汰としか思えない。
これ最高に質が悪いよね！
そんな質の悪い連中は更に質が悪くなるときがあって、例えばラピュタっていうメガネのオッサンが主人公のアニメとかが放映されるときとか、富野って監督がやってるアニメのキャラがセリフを喋ったり、それに近い感じでリディって人が喋ったり花田って脚本家がやらかすと焚き火に上空５０００メートルから滝のようにガソリンを垂れ流すが如くなる。
ガンダーラ。
アマゾンの滝ばりの炎を作るのは作品だけじゃなくって、それが例えば今日なんだ。
４月１日。
エイプリーフー！！！！！！
私もテンションがあがっちゃう。世間ではお祭り騒ぎで、どうしてそんなもの用意してんだそれよりDDDの続編書けよって気分になるぐらいなんだ。
DDDとは、ディスクドライブDパートの略であって、恐らく猛禽類の人とか奈須きのことか関係ないのだ。
そういえば、彼も武内だったのだ・・・・・・

「よしかちゃん、なんかメタな妄想してるところ申し訳ないのだけど」
「あ、全部喋ってましたか？」
「左様。一語一句書き溜めてるからね」
「さすがせーが様、炎上を操るために鍛え上げたタイピング速度は風林火山ですね」
「そうよ、まさに私は嵐を呼ぶ女」
「風つよすぎませんかそれ？」
「炎上って嵐とも言うのよ」
「へー」

私は無駄に鍛え上げられたせーが様のタイピングに半分あきれながらその様子を見守る。
今日一日、この人がカタカタ部屋でやっている様を私は見届けなくてはならないだろう。
エイプリーフーつまんないなー。
私だって嘘をつきまくりたいものである。

「せーが様、私も何か嘘をつきたいのですが」
「どうぞどうぞ」
「うーん」
「ほらほら」

うーん・・・・・・
そう言われると、こう、何をついていいのか困るなぁ。
じゃあ、せっかくだから

「私、生きてます」

一瞬だけせーが様のタイピングが止まったのを私は、見逃さない。


　―続く？―

コンペでワインがあからさまに出てきたら、大体私だ(実話