MYST

幻想郷ショートショートショート集

2015/04/01 01:07:13
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001 正確

レミリア「絵を描いてるの?」
フランドール「うん。美鈴にモデルをしてもらってるの。動いたら困るから、寝てるときに引っ張ってきたのよ」
レミリア「そう。でも、どうして裸なのかしら」
フランドール「緑色の絵の具がもうないの」



002 いいよね? ね?

フランドール「お姉様はいいよね、雪道を座って滑られる羽があって」
レミリア「羽はソリ代わりに使うものじゃないけどね」
フランドール「そう? でも私、下り坂で気持ちよく遊びたいの。だからお姉様で滑ることにするわ!」



003 打ちならせ

フランドール「見て! タップダンスを学んだの」
レミリア「素晴らしいわ、フラン。次は羽じゃなくて足を使うところから始めましょう?」



004 酔っぱらって全裸にブレザーを羽織っただけの姿となった鈴仙

鈴仙「モノマネします。ピーターラビット!」



005 見てるだけでお腹いっぱい!

フランドール「チョコレート・パフェほど難しい問題はないと思うの。チョコレートソースのかかったアイスクリームの冷たさは、ゆっくり食べないと頭を重くさせるのよ。だけど、あまりのんびりしてると、溶けて流れたアイスクリームがグラスの底のビスケットをドロドロにしちゃう。この難問に正解するには、素早くゆっくり食べる必要があるけど、私はパフェとの時間を少しでも長くしたいの……ねえ、お姉様。ちゃんと聞いてる?」
レミリア「ええ、ちゃんと見てるわよ」



006 ノック・アウト

レミリア「どちらか一つにしなさい、フラン。両手がクッキーをつかんでいたら扉だって開けられないのよ」
フランドール「そうでもないよ。飛ぶとき以外にも羽をつかっちゃいけないって決まりはないし」
レミリア「一つ知っておいてほしいんだけど、ノックは穴を開けるほど強く叩くものじゃないわ」



007 私の腕が届かなくなったらどうするの?

フランドール「早く大人になりたい、大きくなりたいって思うときがあるの」
レミリア「焦る必要はどこにもないわ。今のあなたは丁度いい大きさなのよ」
フランドール「どうしてそんなことがわかるの?」
レミリア「こうやって、ねえ、フラン。あなたを抱きしめることができるからよ」



008 愛の飛び出し

レミリア「だめよ、フラン。階段では飛んじゃいけないって言ったわよね」
フランドール「ううん、やっちゃいけないことが多すぎるよ。息苦しくて死んじゃいそう。決まりごとなんて全部なくなっちゃえばいいのに」
レミリア「でも決まりごとがなくなって、なんでも好きにできるようになったら大変よ」
フランドール「そんなことないよ。ねえ、もう好きなようにしちゃおうよ」
レミリア「あなたがいいならそうするわ。それじゃあ、これからあなたにめちゃくちゃキスをするわね。ほっぺにもするし、お腹にもするし、お尻にもするし、まぶたの裏にもするわ。ねえ、いいんでしょう?」
フランドール「ごめんなさい」



009 思いやり湯たんぽ

レミリア「どうして寝る前にカップ一杯のお湯が必要なのかしら」
フランドール「羽を浸しておくの。こうすれば、誰かさんが私の寝てる間にベッドに入っても、温かい羽を抱いて気持ちよく眠れるでしょ」
レミリア「それってとっても素敵な考えね。これは助言なんだけど、冬の孤独な夜に温もりが恋しくなるのは暗黙の了解だって知ってると、もっと素敵よ」



010 新人教育

レミリア「初めてにしては上出来ね、咲夜。だけど窓枠の掃除を忘れたのは減点せざるを得ないわね。それにデスクは拭けばいいというものでもない。たとえば、インクの補充をしないといけないわ」
咲夜「は、はい。申し訳ございません。えっと、ほかにはなにかありますか」
レミリア「フランが自分の羽をパチェに触らせていたところを見たとき、あの宝石の輝きを今も昔も知るものは最愛の姉である私以外にはいないという確信がズタズタに引き裂かれたけれど、妹の素晴らしさを自分の手の中に閉じ込めておくのは姉の自己満足でしかないし一種の傲慢だとさっき悟ったわ」
咲夜「お嬢様っていつも難しいことを考えてらっしゃるんですね」



011 そうじゃない

レミリア「パチェ、どうかしたの?」
パチュリー「つい本を枕にして眠ってしまってね、頭が痛むのよ」
レミリア「へえ。そんなに難しい本だったんだ」
パチュリー「は?」



012 だから気に入った

正邪「だれが助けろって頼んだ? え、この親玉気取りめ。わたしが涙を流して感謝するとでも思ったのか、クソダヌキ」
マミゾウ「(ちっこいときのぬえに似とる)」



013 未遂

レミリア「あなたの部屋に招待されるなんて、どういう風の吹き回し?」
フランドール「べつに。深い意味はないよ。それよりさ、早く入ろうよ。お先にどうぞ」
レミリア「あら、ありがとう。ところで、もしもある扉を開けた先にいたずらの罠があって、それで誰かがひどい目にあったら、罠を仕掛けた人のことをどう思うようになるかしら。ただのいたずらが、ひとつの素晴らしい関係を修復できないほどに傷つけるかもしれないってことを、すぐにでも教えてあげられたらって思うかもしれないわ」
フランドール「あ、あのさ。ちょっと部屋が散らかってることを思い出したんだけど、掃除してきてもいいかな。すぐ終わるから」
レミリア「お利口ね。とってもお利口」



014 姉はまだ

レミリア「フランの機嫌はな、羽の輝きが強い色で判断できるんだ」
パチュリー「ふうん。青色だと落ち込んでるとか、黄色だと上機嫌とか?」
レミリア「そうそう。でも、ちょっとわからないことがあってね。この前、赤色の羽が輝いてるのが見えたんだ。だけど、あの色が光るのを今まで見たことがない。パチェ、なにかわからないか」
パチュリー「初めての色ってこと? 興味深いわね。妹様の様子はどんな感じだったの」
レミリア「ううん、そうだな。普段より怒りっぽくて、体を動かすのが億劫そうだったよ。あと、トイレにこもる時間がやたらと長かったな」
パチュリー「……なんでわからないのよ」
レミリア「うん?」



015 イラ

フランドール「なんで質問に質問で答えちゃいけないの?」
レミリア「あ、ごめん。聞いてなかったわ。なに?」
フランドール「わかった」



016 あなたはいつもいつまでも可愛い

レミリア「フランと喧嘩するたびにとても悲しくなるけどね。ひとつだけすばらしい発見があったの」
パチュリー「どんな?」
レミリア「あの子、怒るとすっごく可愛いのよ」
パチュリー「……本人に言っちゃダメよ、それ」



017 悪手

レミリア「フラン、羽が大分伸びてきたじゃない。いい加減切りなさいよ」
フランドール「いやよ。もっといろんな羽型をしてみたいんだもの。ほら、お団子羽。可愛いでしょ?」
レミリア「ええ、かたつむりみたいで可愛いわ。あら、なんでやめるの?」



018 がんばれ♪ がんばれ♪

レミリア「相手が苦しみ悩んでるなら言葉をかけてやりなさいとは言ったけどね」
フランドール「うん。だからがんばって、お姉様。がんばれーがんばれー」
レミリア「トイレのドアの前で応援しろとは言ってないからね」
フランドール「だって、お姉様の苦しんでる声が」
レミリア「うっさい」



019 敏感

レミリア「この羽は?」
フランドール「あはっ、やめてあははは」
レミリア「黄色はくすぐりに弱いのね。青色は?」
フランドール「えひゃう! やめ、ん、やめて……」
レミリア「感じやすいのね。赤色は」
フランドール「やめてって言ってるでしょ!」
レミリア「……逆鱗みたいね。鼻が折れたわ」



020 優しい視線

パチュリー「いいものはずっと昔から変わらない」
レミリア「私の胸を見ていうのやめろ」



021 押してよ

フランドール「お姉様に日ごろの感謝を伝えるにはどうすればいいのかな」
パチュリー「『いつもありがとう』って言えばいいじゃない」
フランドール「まるで足りない。たとえば、そう、思いっきり抱きしめるとかさ」
パチュリー「覚悟を決めるだしに私を使うの、やめてくれない?」



022 証明

レミリア「フラン、そんなにはしゃがないで、もっと落ち着きなさい。落ち着きは日々を満点にするのに役立つわ。人生には思わぬ落とし穴が多いんだもの」
フランドール「でも落ちたら飛べばいいんじゃないの?」
レミリア「失礼。あなたはかなり落ち着いてるようね」



023 何か

人里に来ていた魔理沙は、通りを歩く人々へ目をやるスターサファイアを見かけた。
スターサファイアは魔理沙に気付くと、彼女を指差して「1」と言った。魔理沙がその意味をたずねるが、彼女は答えずに通りを歩く一人の女性を見て「2」と指差した。魔理沙はその女性のお腹がふっくらと膨らんでいるのを見て、なるほどと頷いた。
「12」と言ったスターサファイアの視線を魔理沙が追うと、空を横切るリグルの姿があった。次に「2」と彼女が指差した先には、甘味処に店先に休む霊夢がいた。魔理沙は息をのんだ。しかし、霊夢の胸元に針妙丸がいることに気付き、強ばった体から力がいっぺんに抜けた。
そうして次々と人を指差しては数字を述べるスターサファイアだったが、とつぜん一点を見つめて黙り込んだ。魔理沙がその先を辿ると、一見どこにでもいそうな細身の若い男がいた。
「なんだ、あいつがどうかしたのか?」
スターサファイアはぽつりと言った。
「189」
魔理沙はミニ八卦炉を取り出した。



024 ぴこーん

フランドール「うーん……………………」
レミリア「あら、さっきからなにか悩んでると思ってたけど、どうやら答えを見つけたようね」
フランドール「わっ、え、なんでなにも言ってないのにお姉様にわかったの?」
レミリア「背中の羽が光ったからよ」



025 ちいさなママ

パチュリー「ねえ、レミィが笑顔で泣いてるんだけど、なにをしたの?」
フランドール「母の日だから感謝の手紙を贈ったの。『五つ年上のちいさなお母様へ いつもありがとう』って!」
もうちょっと書きたかったんだけど、ざくアクにハマってしまってな。
智弘
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コメント



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1.14レミフラ好き削除
今年も素晴らしい可愛らしい姉妹たちでした
いいねいいねエイプリル
2.14無名のプレイヤー削除
フランのおしりにキスしたがるレミリアが可愛すぎる。
智弘さんの書く、仕事始めたばかりの初々しい咲夜さんも久しぶりに見れて嬉しかった。
3.14無名のプレイヤー削除
なんという上質なレミフラ
心が洗われるようです
4.33削除
なにこれ素敵
5.14無名のプレイヤー削除
189ってどういう意味?