MYST

○一・序章

2015/04/01 00:00:00
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「……なに、ここ」


 博麗霊夢は混乱している。
いつも通りの時間に床に就き、いつも通りに目を覚ましたある朝――果たして朝なのかどうかも定かではないのだが――双眸に飛び込んできたのは、碌に光も差し込まない鬱蒼とした、むしろ黒と言った方が良い程に暗い木々だった。

……おかしい、こんな事は許されない。
そうだ、これは夢なんだ。私はまだ永い夢を見ているに違いない。目を閉じてまた開いた時、私はいつもと変わらぬ朝の日差しに目を細めながら、起きたら境内の掃き掃除をして、朝食を取って涼しい午前中に二度寝して、午後からおもいっきり遊ぶんだ。御幣を手に持って……だがそれを、今の霊夢が得る事は不可能であると言ってよかった。
そして更に奇妙な事に、まずは上空から現在位置を確認しようとしたのだが、普段から豆腐を手の平に乗せてさいの目に切るよりも自然かつ優雅に行っていた空への飛行が出来ない事に気が付いた。ただ虚しくその場でジャンプするのみである。色々と試してみたのだが、どうやら飛翔能力のみ封じられているようだった。つまり、この場を脱出する為には自らの足で歩く他ないという事だ。


 ……さて、どうしたものか。
とは言え、目の前の景色が夢の続きでも無ければ、どうするもこうするも無いのだが。

左手の方角からは、微かながら水の流れる音が聞こえてくる。川か、湧き水か、はたまた池か水溜まりか……何にせよ、この状況下において水源の確保は急務と言っていいだろう。

右手の方からは、何やら生き物の気配と声がする。声、と言ってもその音量はあまりに小さく、人の話し声なのか獣の唸り声なのかも判別が付かない。しかし、自分以外の生ある存在は、若干の安心感を生んだ。

正面は、どこまで行っても森である。全方位を樹に囲まれた霊夢にとって、正面というのはあくまで今現在の霊夢の正面、ではあるが、兎にも角にも己の直感を信じてまずは進んでみるのも悪くはないと思った。

あるいは、これが悪い夢である可能性に一縷の望みを掛けて三度寝といこうか……?
選択肢自体はいくつもあるのだが…………さあ、どうしよう?
咲夜、魔理沙、生きてるか!?
せっかくだから私はこの14を選ぶぜ!
無名のゲームマスター
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コメント



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3.3無名のプレイヤー削除
そうだ、14へ行こう
4.33削除
1日でゲームブックを作れ!
ちょっと気づくのが遅れたなーもっと早くに気づいてたら間に合ってたのになーつらいわー