秋田書店刊 少年チャンピオン・コミックス・エクストラ
『バキ外伝 創面-きずづら- 2巻』 (板垣恵介・山内雪奈生)より
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紅魔館 新学期前夜
「"館"の年度末行事も終わり、妹様の学校も、『春休み』は今日まで、と」
十六夜咲夜、そしてフランドール・スカーレットである。
「いかがされました、妹様」
「宿題……見てんだ」
彼女らの前には、いくつかの酒瓶と共に、放り投げられたままのシャープペンシルと、消しゴムと、ある程度まとまった量の、教科書が積まれていた。
「…………? ……み、……見てるって」
「朝までに終わらせる……計画を立てている」
「……ッ ちなみに妹様……ど……どこまで進んでるんで……?」
「今からだ」
咲夜の表情が消えた。脂汗が噴き出す。胸に手を突っ込み懐中時計を取り出す。慌てている。ちらりと見えたPADを、フランドールは見ないふりをした。
時刻はすでに、零時を回ろうとしていた。
「い……妹様」
狼狽する咲夜が詰め寄る。
「どうして毎日チョットずつ
チョットずつやらなかったんですかァァァ……ッッ」
「学生ってのは、いつだってそんなもんだ」
したり顔である。咲夜はメイド長カチューシャを投げ捨て、霧雨魔法店の手拭いを頭に巻いた。
「今日まで言わなかったことですが、こう見えてわたくしは国立大学の出です。
わたくしが教えますッッ」
――咲夜の教養は――
「私が心を鬼にして、妹様を少女に……!」
――ホンモノだった。
数学、英語、歴史、公民、化学、生物……各テキストを神憑り的なピッチでクリア。
が……!
「フランドールのつづりは……Frandre……だろ」
「はい?」
事件は国語で起こった。
「俺の記憶では……」
「イヤイヤ妹様……だからそれは妖々夢以前ですって。 いいスか?」
フランドール=Frandreか。
フランドール=Frandleか。
「しかし……」
「イヤッ……しかしとかじゃなく、妹様」
驚異的な初歩段階で、互いの意見が対立……
「…………」
彼女は譲ろうとしない。
「そこに食い下がってどーすンすか」
東方界隈では常識となっている、「後命は自動的に前命を上書きする」。ここでの躓きは大きく。
咲夜、懸命の援護も及ばず……刻符切れ。
入学以来、最重量の足取りの登校となった。
紅魔郷外伝 レミフラ 2
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内容は無いよう。
まさか2巻が出るとは思わなかった。
新しい刃牙も楽しみですね。