嘘をついても良い日です。
今日はそういう日なのです。
「はん、そんなことを言われたって、とても信じられないね」
あ、鬼人正邪だ。
鬼人正邪は、嘘つきです。嘘をつくのが、大好きで大好きで、たまりません。
「そうさ。私は天才的天邪鬼鬼人正邪さまさ。だから、嘘をついて良い、と言われたら、嘘をついてなんてやるもんか。本当のことを言ってやる。地球は丸い」
『北極では地球だ円体より16m高く、南極では27mへこんでいる。そこで、極端なもののいい方をすると、地球は西洋梨型をしているということになる』らしいですよ。引用→(ttp://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/chikyunokatachi-01.htm)
「なんだって。そ、そんな。そんなことをきっちり調べてきちんと言及していたら、何だかとてもきっちりした奴になってしまって、天邪鬼らしくないじゃないか。くそう」
そもそも、天邪鬼の定義にきっちり合わせて天邪鬼らしくしたら、それはそれできっちりした奴なんじゃないですかね。
「そんなこと知るか。私は私が思う天邪鬼像に従って動くんだ。これならどうだ。神は死んだ」
ニーチェの言葉ですね。『ニーチェは、キリスト教的な神や価値観が、プラトン的な形而上学的真実在、超越的な彼岸世界への信仰が消滅して、現実の生・世界が無価値・無意味になり、ヨーロッパが歴史的に危機状況にあることを、神は死んだということばで表した』らしいですよ。ウィキペディアより。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E3%81%AF%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A0)
「へえ。そうなのか。また一つ勉強になった」
本当に神は死んだって知っていましたか?なんとなくそれっぽいから言ってみただけなのでは?
「そ、そんなわけあるか。私は当然知っていたよ」
本当に?
「あ、ああ、本当だよ。私が嘘なんてつくものか」
天邪鬼なのに。
「ああ、私は天邪鬼だ。本当のことなんて言うもんか」
そうですよね。今日は嘘をついても良い日ですからね。
「何を馬鹿な。嘘をついて良い日に嘘をつく奴がいるもんか。私は本当のことを言ったぞ」
ならニーチェが何をした人か言って下さいよ。
「ニーチェは田舎で暮らして幸せな一生を送ったよ。めでたしめでたし」
適当なことを言わないでください。何か話の筋がずれてきているし。
「とにかく、私は嘘をつかない」
本当ですね?
「当然だ。私は天才的天邪鬼鬼人正邪さまだからな。嘘をついて良い日に嘘なんてつくものか」
そう言うと思って、嘘が嫌いな鬼のお二方を呼んでおきました。
「えっ?」
「どうも」「どうも」
星熊勇儀さんと伊吹萃香さんです。
「昔、人間に嘘をつかれて殺されました。嘘をつく奴殺すべし。慈悲はない」
「なんとなく嘘が嫌いです。嘘つき殺すマン」
ついでに、嘘が嫌いな地獄の裁判長えいきっきも呼んでおきました。
「死刑」
「えっ」
結果的に、なんとか鬼人正邪は逃げ出して、再び逃亡生活を送ることを余儀なくされたのでした。次のエイプリルフールまでには、エイプリルフールなんていうややこしい行事は消滅させたいと意気込んでおります。