001 教養
フランドール「人とお別れするときは、ちゃんと挨拶をしないといけないわ。『さようなら』か『いただきます』ってね」
002 知ってる
アリス「シュークリーム心理テストよ。二つのシューと間のクリームをどう食べるかで、その人の足りない部分が見えてくるわ」
魔理沙「悪い。今、和菓子が食べたい気分なんだ」
パチュリー「チョコレートはないの?」
アリス「診断の結果、あなたたちには思いやりが足りないことがわかったわ」
003 プラス
さとり「最近、どうも疲れがとれないわ。体の調子が下り坂ね」
こいし「下り坂ってそんなに悪いものかなぁ。スピードがついて最高に気持ちいいと思うんだけど」
さとり「あなたの考え方は、下り坂知らずね」
004 脅迫
「今度の決闘でチルノちゃんに負けてください」
大妖精は小さな人形を手の中で弄りながら、三妖精に言った。三妖精は嫌だと言い放った。
その日の夜、三月精の家の前にバラバラになった人形が捨てられていた。あいつの仕業ね、嫌がらせのつもりかしら、と三妖精は憤った。
そして翌日、大妖精がまたやってきた。
人間の女の子を連れていた。
005 パチュリーの十六夜咲夜観察日記5ページ目
『あの子、なかなかレミィのことをお母さんって呼び間違えないわね……』
006 パチュリーの十六夜咲夜観察日記6ページ目
『おばあちゃんって呼び間違えられた。私が』
007 パチュリーの十六夜咲夜観察日記7ページ目
『くそ、ピーマン平気なのか。仲間ができたと思ったのに』
008 そうじゃない
妖精メイドに仕事を頼むと、失敗する。
訓練した妖精メイドに仕事を頼むと、失敗するがそのあと丁寧に謝罪する。
009 願望
こいし「もうっ! もうっ!」
さとり「…………」
こいし「お姉ちゃん、どいて! そのおっきなソファに寝転んで、一人でいたいの!」
さとり「あのね、こいし。拗ねたいなら自分の部屋ですればいいし、慰めてほしいならそう言いなさい」
こいし「どっちでもないよ! 私、察してほしいの!」
010 スカート
針妙丸「あなたが霊夢さんの言ってた面霊気ね。聞いてた通り、素敵だわ!」
こころ「え、そう? そう? そんなこと言われたの初めて。もっと褒めて褒めてー」
針妙丸「本当に、すごくいいわ……そのお洒落な窓! 一度でいいからこんなお家に住んでみたい」
こころ「ありゃ?」
011 自家製キャンディ
フランドール「もごもご」
レミリア「あら、フラン。飴でも舐めてるの?」
フランドール「んーん、指。自分の」
012 寝ます
レミリア「挨拶は重要よ。挨拶すればご機嫌になるし、忘れるとなんだか憂鬱になる」
フランドール「私、今から寝るから早く出て行って。おやすみ、お姉様」
レミリア「私がご機嫌になるために、あなたは一緒に寝るしかないのよ!」
013 好奇心旺盛
レミリア「ねえ、咲夜。私……恋をしちゃったみたい」
咲夜「いつものことではありませんか。今度はなにを覚えてきたんです?」
014 おしゃべりサボリ
こいし「おはーお姉ちゃん」
さとり「ちゃんとおはようと言いなさい」
こいし「貯金してるんだよ」
さとり「『よう』を? それでどう使うのよ」
こいし「よう、お姉ちゃん」
さとり「言葉が下品。おやつは抜き」
015 背伸び
フランドール「大人になるにはどうしたらいいの?」
レミリア「物事をつきはなして考えられる人は大人ね……わっ!」
フランドール「お姉様をつきはなして考えてみたんだけど、服が前と後ろで逆になってるよ」
レミリア「大人もときには間違えるものよ」
016 一緒
フランドール「わたし、引き算が怖いの」
レミリア「難しいから?」
フランドール「お姉様と一緒にしないで。たとえばさ、6から1を引いたら5になるけれど、私だったら違うかなって。誰か一人でもいなくなったらって考えたら、目の奥がじんじんするの」
レミリア「あなたの優しさは計算では出せないわね」
017 感想
芳香「立てば悪女。座れば毒婦。歩く姿を見たらすぐ逃げろ!」
青娥「芳香?」
018 効率主義
霊夢「あら、おかえり。ご飯にする? お風呂にする? それとも両方?」
針妙丸「えっ、両方ってどういうこと?」
霊夢「今日の夕飯は鍋なの」
019 ふわふわちゃん
こいし「うちのペットを見ていて気づいたんだけど、羽がある生き物は卵を産むんだよね。だからフランちゃんも卵を産むんでしょ?」
フランドール「産まないよ。そういうこいしだって卵を産まないの?」
こいし「私は羽がないもーん」
フランドール「あるじゃない。頭の中にさ」
020 いったりきたり
レミリア「踊るように舞い上がるときもあれば、濡れた犬みたいにうんざりするときもある。私のごきげん目盛りは今日も疲れ知らずね」
フランドール「お姉様の気分屋さん! まるでメトロノームじゃない」
レミリア「そうお? たしかに、隣にいるだけで満足って人もいれば、うるさがる人もいるわね」
021 手話
フランドール『羽があると、思わぬ喧嘩をした後の仲直りがしやすいわ。顔を突き合わせたり、口をきいたりしなくて済むんだもの!』
レミリア「あなた、羽話が上手ねえ。でも、ごめんなさいがまだよ」
022 三時の攻防
フランドール「もっとケーキが食べたいの」
レミリア「そういう気持ちはね、風船なのよ。じっと耐えなさい。欲求は時間が経てばしぼんでいくわ」
フランドール「我慢できそうにないときは?」
レミリア「針を刺してあげる。言葉の針を! あなたのお腹が風船みたいに膨らんで、おデブちゃんになる前にね」
023 目先
レミリア「日記を書いてるんですってね」
フランドール「うん。昨日はお姉様と遊んだ。一昨日はお姉様と遊んだ。今日は、うーん、お姉様と遊んだ」
レミリア「あなたはもうちょっと周りを見るべきね。いろんな楽しみがいつもあなたを囲っているんだから」
024 言わせんなよ恥ずかしい
レミリア「日々を愉快に過ごすコツは、かわいらしい妹を持つことね」
フランドール「ずるい。それじゃあ、私だけ毎日つまらないままじゃない!」
レミリア「そうは思わないわね。日々を幸福に過ごすコツは、すてきな姉を持つことなのよ」
フランドール「じゃあ、やっぱり不幸のままだね」
レミリア「うん?」
025 姉妹初心者
八橋「姉さん。姉さん。姉さん」
弁々「なぁに、八橋?」
八橋「べつに呼んでないよ」
弁々「ええ? じゃあ、なんで姉さん姉さんって連呼してるのよ」
八橋「素振り」
026 姉妹上級者
こいし「お姉ちゃん。お姉ちゃん。お姉ちゃん」
さとり「はい、紅茶が飲みたいんでしょう。淹れてあげたわ」
こいし「わっ、わっ、お姉ちゃん、どうしてわかったの?」
さとり「あら、どうしてわからないって思ったの?」
027 成長
レミリア「もしもこの世に可愛いって言葉がなかったらあなたをなんと呼べばいいのかしら」
フランドール「お姉さま。もっとシンプルにいきましょう」
レミリア「ダメよ! あなたの魅力ときたら日に日に複雑さが増しているんだから!」
028 素
レミリア「文句を言うことはいつでもできるけど、感謝となると難しいときもある。だから、日ごろから練習するのも悪くないわ」
フランドール「お姉様」
レミリア「なぁに?」
フランドール「私より先に生まれてくれて、ありがとう」
レミリア「う、うん」
029 いつも隣にいるスパイス
フランドール「不思議で仕方ないの。たくさんのごちそうを一人で食べるより、こうしてひとつのサンドイッチを二人で分けて食べる方がおいしいだなんて」
レミリア「私はずっと前から知ってるわよ。あなたと食べるとなんでもおいしくなるってことにね」
030 笑顔とは本来
フランドール「羽がない人たちはどうやって嬉しさを表現してるのかな」
レミリア「あなたみたいに羽を打ち鳴らさなくてもね、笑えばそれで済むのよ」
フランドール「笑う? それってどうやるの?」
レミリア「こう」
フランドール「ふうん、歯を見せればいいんだ。簡単だね」
レミリア「あなたがやってるのは、威嚇だからね」
031 ダブルチャンス
フランドール「チョコレートがあれば、もっとお姉様のことを好きになれると思うよ」
レミリア「チョコレートがなかったら?」
フランドール「バニラ・アイスクリームという手が残ってるけど」
032 おしゃべり
羽「皆さん! 今日というすばらしい日を迎えられたことに一言お祝い申し上げたい」
羽「バカを言うなよ、青いの。今日がなんの記念日だと言うんだ、エ? ご馳走でも出てくるのか?」
羽「ただの挨拶でしょ。赤色ったらなんにでも噛みつくんだから」
羽「おい、引きずるな! やめろ、やめろ、きちんと浮かせるんだ、主人。俺の黄色が映えるように!」
羽「我々は背中をお借りしてる身ですがね、言いたいことは言わせてもらいますよ。猫背はやめなさい」
レミリア「フラン、紅茶をいれたんだけどちょっとお話でもしない?」
フランドール「うーん、間に合ってるかな」
033 万能
フランドール「父の日だからメッセージカードを贈りたいんだけど、誰に渡せばいいのかな」
パチュリー「少なくとも私には自分より年上の娘はいないわね。レミィに渡しなさい」
フランドール「お姉様は、もうお姉様だよ」
パチュリー「でもレミィは、あなたを母親のように抱きしめるし、父親のように叱ってくれるでしょ?」
フランドール「そっか。じゃあ、お姉様は私にとってのお姉様で、お父様で、お母様で、あと恋人ってことだね」
パチュリー「最後のところ、詳しく」
034 やわらかくてそしてあたたまる
フランドール「今日はやけにさむいね。暖まるためにも火をおこす必要があるんじゃないかな」
パチュリー「ふうん、それで?」
フランドール「たき火をすればいいと思うの……ここにはちょうど、薪の代わりになりそうな本がたくさんあるし」
パチュリー「あなた、私の膝の上に座る気はない? 読み聞かせをしてあげるわ。そのバカな考えを忘れて思い出さなくなるまで」
035 吸血鬼はうつらない
フランドール「童話にあったから私も試してみたの。この世で一番美しいのは誰なのか、鏡にたずねるやつ」
レミリア「なんて言われたの?」
フランドール「聞かないでくれ! って。うちの鏡は勉強不足ね」
036 正真正銘
レミリア「フゥー」
フランドール「お姉様。さっきからため息ばかりついてるけど、それだと幸せが逃げちゃうよ」
レミリア「ばかね。幸せばかりだと堕落するわ。日々を面白くするためにも、適度にため息をついて幸せをいくらか逃がしてるの。これが賢い生き方よ」
フランドール「そうなんだ。ところで、お姉様がため息に夢中で目の前のおやつに手をつけないから、私が代わりに食べてあげたよ」
レミリア「フゥー」
037 指示器
レミリア「フラン。そっちじゃないわ。ここは左よ」
フランドール「もうっ。咲夜が空間をいつもいじくるから、家の中でも迷子になっちゃう! でも、曲がる前だったのに、どうして私が右に行こうとしてるってわかったの?」
レミリア「右側の羽が点滅していたからね」
038 灯り
フランドール「なんのために私の羽がついてると思ってるの? おしゃれのためだとでも言うの?」
レミリア「健康のためよ。暗くて怖いときでも眠れるようにね」
039 物理
レミリア「咲夜、紅茶がほしいわ。血のように真っ赤な紅茶。それとも新人のメイドには難しいかしら?」
咲夜「お、おまかせください、おじょうさま……どうぞ!」
レミリア「あら、本当に真っ赤ね。やればできるじゃない」
咲夜「えへへ、ありがとうございます。あかいえのぐってべんりですね!」
レミリア「今、なんて言った?」
040 落ちても平気……残念なことに
萃香「雲の上も悪くない。うんと高いところで飲む酒ってのはどうしてこんなに美味いんだろうね」
天子「最後の晩餐だと思えば、なんだってご馳走になるからじゃないの」
萃香「私らには関係ないだろ」
天子「残念なことにね」
萃香「ところで、なんでさっきから背中を押してくるの?」
041 ふにゃり
レミリア「フラン、羽を引きずって歩くのやめなさい。みっともないわ」
フランドール「私は起きたばかりだけど、羽はまだ眠っているの。でも、羽が目をさますまでに、どうして私が付き合わなきゃいけないの」
レミリア「……ひょっとして、寝ぼけてる?」
042 おさそい
フランドール「お姉様が楽しそうなとき、私はいつも退屈してる。この不幸な関係には終止符を打たないといけないわ!」
レミリア「遊んでほしいなら、そう言いなさいよ」
043 受け止めて
レミリア「あなたがフォーオブアカインドで増えるのを見るといつも不安になるのよ。私は四人の女の子を同時に愛せるのかって」
フランドール「お姉様ったら、私がどうして四つになるのか知らないの。お姉様にはすてきな腕と羽が二つずつあるじゃない」
044 深爪はマナー
レミリア「愛情の証明ほど難しいものはないんじゃないかしら」
咲夜「そんなことはありませんよ。少なくとも私は、お嬢様への愛情を今すぐにでもお見せできますわ」
レミリア「ほほう。それじゃあ、あなたの愛を見せてもらいましょうか」
咲夜「ではどうぞ、ご覧ください。この利き手の指先を」
045 ソロプレイ
キスメ「なにやってるの、ヤマメちゃん」
ヤマメ「ん、自分の糸であやとり。暇つぶしにね」
キスメ「この前は自前の糸でブランコをこいでたよね。ヤマメちゃんは一人遊びの達人だね」
ヤマメ「なっ、なんで知ってるの!?」
キスメ「え?」
046 若葉
ヤマメ「どうしたの、キスメ!? 髪の色が真っ黒じゃない!」
キスメ「うん。桶の免許を取ってから一年経ったからね。剥がしたの」
047 夫婦
村紗「私たちのような仲間同士のきずなは、どれだけのお金を集めても代えがたいわね」
一輪「とは言え、代えられるなら少しばかりのお金をもらって、新しい鍋を買ってもいいわね。あと、姐さんの僧衣も大分へたってきたから仕立て直したいわ。それから、端の部屋の壁が腐ってたから新しいのに張り替えないと。ほかにも……」
村紗「キャプテンと船員に見解の相違がみられるわね。チームの不和は航海において絶対に克服しなければいけない。そのためにも私は涙をのんで、自分のお小遣いを一輪に寄付しよう」
一輪「ありがと、アナタ」
048 おあずけ
フランドール「もしも人生が一皿の料理だったら、私はまだ蓋をあけてもらってもいないの」
レミリア「いただきますを忘れているからよ」
049 お姫様
お菓子で誘惑してスターサファイアを連れてきた輝夜は、妹紅に言った。
「私とあなたの子よ」
「なにを馬鹿なことを。見た目はお前に似てるけど私と似てるところはないじゃないか」
認知を求める輝夜に、妹紅は反論した。
輝夜はそれを聞いて、スターサファイアを即座に殺した。そして、一回休みから復活した、おびえるスターサファイアを見て、輝夜は微笑んだ。
「ね? そっくり」
050 さらば
レミリア「一日の目標を立てるのが日々を元気に過ごすコツよ」
フランドール「今日の目標、家出する」
レミリア「それはいけないわ。パチェに頼んで雨を降らせないと」
フランドール「今日の目標、お姉様を倒す」
レミリア「話せばわかる」
フランドール「人とお別れするときは、ちゃんと挨拶をしないといけないわ。『さようなら』か『いただきます』ってね」
002 知ってる
アリス「シュークリーム心理テストよ。二つのシューと間のクリームをどう食べるかで、その人の足りない部分が見えてくるわ」
魔理沙「悪い。今、和菓子が食べたい気分なんだ」
パチュリー「チョコレートはないの?」
アリス「診断の結果、あなたたちには思いやりが足りないことがわかったわ」
003 プラス
さとり「最近、どうも疲れがとれないわ。体の調子が下り坂ね」
こいし「下り坂ってそんなに悪いものかなぁ。スピードがついて最高に気持ちいいと思うんだけど」
さとり「あなたの考え方は、下り坂知らずね」
004 脅迫
「今度の決闘でチルノちゃんに負けてください」
大妖精は小さな人形を手の中で弄りながら、三妖精に言った。三妖精は嫌だと言い放った。
その日の夜、三月精の家の前にバラバラになった人形が捨てられていた。あいつの仕業ね、嫌がらせのつもりかしら、と三妖精は憤った。
そして翌日、大妖精がまたやってきた。
人間の女の子を連れていた。
005 パチュリーの十六夜咲夜観察日記5ページ目
『あの子、なかなかレミィのことをお母さんって呼び間違えないわね……』
006 パチュリーの十六夜咲夜観察日記6ページ目
『おばあちゃんって呼び間違えられた。私が』
007 パチュリーの十六夜咲夜観察日記7ページ目
『くそ、ピーマン平気なのか。仲間ができたと思ったのに』
008 そうじゃない
妖精メイドに仕事を頼むと、失敗する。
訓練した妖精メイドに仕事を頼むと、失敗するがそのあと丁寧に謝罪する。
009 願望
こいし「もうっ! もうっ!」
さとり「…………」
こいし「お姉ちゃん、どいて! そのおっきなソファに寝転んで、一人でいたいの!」
さとり「あのね、こいし。拗ねたいなら自分の部屋ですればいいし、慰めてほしいならそう言いなさい」
こいし「どっちでもないよ! 私、察してほしいの!」
010 スカート
針妙丸「あなたが霊夢さんの言ってた面霊気ね。聞いてた通り、素敵だわ!」
こころ「え、そう? そう? そんなこと言われたの初めて。もっと褒めて褒めてー」
針妙丸「本当に、すごくいいわ……そのお洒落な窓! 一度でいいからこんなお家に住んでみたい」
こころ「ありゃ?」
011 自家製キャンディ
フランドール「もごもご」
レミリア「あら、フラン。飴でも舐めてるの?」
フランドール「んーん、指。自分の」
012 寝ます
レミリア「挨拶は重要よ。挨拶すればご機嫌になるし、忘れるとなんだか憂鬱になる」
フランドール「私、今から寝るから早く出て行って。おやすみ、お姉様」
レミリア「私がご機嫌になるために、あなたは一緒に寝るしかないのよ!」
013 好奇心旺盛
レミリア「ねえ、咲夜。私……恋をしちゃったみたい」
咲夜「いつものことではありませんか。今度はなにを覚えてきたんです?」
014 おしゃべりサボリ
こいし「おはーお姉ちゃん」
さとり「ちゃんとおはようと言いなさい」
こいし「貯金してるんだよ」
さとり「『よう』を? それでどう使うのよ」
こいし「よう、お姉ちゃん」
さとり「言葉が下品。おやつは抜き」
015 背伸び
フランドール「大人になるにはどうしたらいいの?」
レミリア「物事をつきはなして考えられる人は大人ね……わっ!」
フランドール「お姉様をつきはなして考えてみたんだけど、服が前と後ろで逆になってるよ」
レミリア「大人もときには間違えるものよ」
016 一緒
フランドール「わたし、引き算が怖いの」
レミリア「難しいから?」
フランドール「お姉様と一緒にしないで。たとえばさ、6から1を引いたら5になるけれど、私だったら違うかなって。誰か一人でもいなくなったらって考えたら、目の奥がじんじんするの」
レミリア「あなたの優しさは計算では出せないわね」
017 感想
芳香「立てば悪女。座れば毒婦。歩く姿を見たらすぐ逃げろ!」
青娥「芳香?」
018 効率主義
霊夢「あら、おかえり。ご飯にする? お風呂にする? それとも両方?」
針妙丸「えっ、両方ってどういうこと?」
霊夢「今日の夕飯は鍋なの」
019 ふわふわちゃん
こいし「うちのペットを見ていて気づいたんだけど、羽がある生き物は卵を産むんだよね。だからフランちゃんも卵を産むんでしょ?」
フランドール「産まないよ。そういうこいしだって卵を産まないの?」
こいし「私は羽がないもーん」
フランドール「あるじゃない。頭の中にさ」
020 いったりきたり
レミリア「踊るように舞い上がるときもあれば、濡れた犬みたいにうんざりするときもある。私のごきげん目盛りは今日も疲れ知らずね」
フランドール「お姉様の気分屋さん! まるでメトロノームじゃない」
レミリア「そうお? たしかに、隣にいるだけで満足って人もいれば、うるさがる人もいるわね」
021 手話
フランドール『羽があると、思わぬ喧嘩をした後の仲直りがしやすいわ。顔を突き合わせたり、口をきいたりしなくて済むんだもの!』
レミリア「あなた、羽話が上手ねえ。でも、ごめんなさいがまだよ」
022 三時の攻防
フランドール「もっとケーキが食べたいの」
レミリア「そういう気持ちはね、風船なのよ。じっと耐えなさい。欲求は時間が経てばしぼんでいくわ」
フランドール「我慢できそうにないときは?」
レミリア「針を刺してあげる。言葉の針を! あなたのお腹が風船みたいに膨らんで、おデブちゃんになる前にね」
023 目先
レミリア「日記を書いてるんですってね」
フランドール「うん。昨日はお姉様と遊んだ。一昨日はお姉様と遊んだ。今日は、うーん、お姉様と遊んだ」
レミリア「あなたはもうちょっと周りを見るべきね。いろんな楽しみがいつもあなたを囲っているんだから」
024 言わせんなよ恥ずかしい
レミリア「日々を愉快に過ごすコツは、かわいらしい妹を持つことね」
フランドール「ずるい。それじゃあ、私だけ毎日つまらないままじゃない!」
レミリア「そうは思わないわね。日々を幸福に過ごすコツは、すてきな姉を持つことなのよ」
フランドール「じゃあ、やっぱり不幸のままだね」
レミリア「うん?」
025 姉妹初心者
八橋「姉さん。姉さん。姉さん」
弁々「なぁに、八橋?」
八橋「べつに呼んでないよ」
弁々「ええ? じゃあ、なんで姉さん姉さんって連呼してるのよ」
八橋「素振り」
026 姉妹上級者
こいし「お姉ちゃん。お姉ちゃん。お姉ちゃん」
さとり「はい、紅茶が飲みたいんでしょう。淹れてあげたわ」
こいし「わっ、わっ、お姉ちゃん、どうしてわかったの?」
さとり「あら、どうしてわからないって思ったの?」
027 成長
レミリア「もしもこの世に可愛いって言葉がなかったらあなたをなんと呼べばいいのかしら」
フランドール「お姉さま。もっとシンプルにいきましょう」
レミリア「ダメよ! あなたの魅力ときたら日に日に複雑さが増しているんだから!」
028 素
レミリア「文句を言うことはいつでもできるけど、感謝となると難しいときもある。だから、日ごろから練習するのも悪くないわ」
フランドール「お姉様」
レミリア「なぁに?」
フランドール「私より先に生まれてくれて、ありがとう」
レミリア「う、うん」
029 いつも隣にいるスパイス
フランドール「不思議で仕方ないの。たくさんのごちそうを一人で食べるより、こうしてひとつのサンドイッチを二人で分けて食べる方がおいしいだなんて」
レミリア「私はずっと前から知ってるわよ。あなたと食べるとなんでもおいしくなるってことにね」
030 笑顔とは本来
フランドール「羽がない人たちはどうやって嬉しさを表現してるのかな」
レミリア「あなたみたいに羽を打ち鳴らさなくてもね、笑えばそれで済むのよ」
フランドール「笑う? それってどうやるの?」
レミリア「こう」
フランドール「ふうん、歯を見せればいいんだ。簡単だね」
レミリア「あなたがやってるのは、威嚇だからね」
031 ダブルチャンス
フランドール「チョコレートがあれば、もっとお姉様のことを好きになれると思うよ」
レミリア「チョコレートがなかったら?」
フランドール「バニラ・アイスクリームという手が残ってるけど」
032 おしゃべり
羽「皆さん! 今日というすばらしい日を迎えられたことに一言お祝い申し上げたい」
羽「バカを言うなよ、青いの。今日がなんの記念日だと言うんだ、エ? ご馳走でも出てくるのか?」
羽「ただの挨拶でしょ。赤色ったらなんにでも噛みつくんだから」
羽「おい、引きずるな! やめろ、やめろ、きちんと浮かせるんだ、主人。俺の黄色が映えるように!」
羽「我々は背中をお借りしてる身ですがね、言いたいことは言わせてもらいますよ。猫背はやめなさい」
レミリア「フラン、紅茶をいれたんだけどちょっとお話でもしない?」
フランドール「うーん、間に合ってるかな」
033 万能
フランドール「父の日だからメッセージカードを贈りたいんだけど、誰に渡せばいいのかな」
パチュリー「少なくとも私には自分より年上の娘はいないわね。レミィに渡しなさい」
フランドール「お姉様は、もうお姉様だよ」
パチュリー「でもレミィは、あなたを母親のように抱きしめるし、父親のように叱ってくれるでしょ?」
フランドール「そっか。じゃあ、お姉様は私にとってのお姉様で、お父様で、お母様で、あと恋人ってことだね」
パチュリー「最後のところ、詳しく」
034 やわらかくてそしてあたたまる
フランドール「今日はやけにさむいね。暖まるためにも火をおこす必要があるんじゃないかな」
パチュリー「ふうん、それで?」
フランドール「たき火をすればいいと思うの……ここにはちょうど、薪の代わりになりそうな本がたくさんあるし」
パチュリー「あなた、私の膝の上に座る気はない? 読み聞かせをしてあげるわ。そのバカな考えを忘れて思い出さなくなるまで」
035 吸血鬼はうつらない
フランドール「童話にあったから私も試してみたの。この世で一番美しいのは誰なのか、鏡にたずねるやつ」
レミリア「なんて言われたの?」
フランドール「聞かないでくれ! って。うちの鏡は勉強不足ね」
036 正真正銘
レミリア「フゥー」
フランドール「お姉様。さっきからため息ばかりついてるけど、それだと幸せが逃げちゃうよ」
レミリア「ばかね。幸せばかりだと堕落するわ。日々を面白くするためにも、適度にため息をついて幸せをいくらか逃がしてるの。これが賢い生き方よ」
フランドール「そうなんだ。ところで、お姉様がため息に夢中で目の前のおやつに手をつけないから、私が代わりに食べてあげたよ」
レミリア「フゥー」
037 指示器
レミリア「フラン。そっちじゃないわ。ここは左よ」
フランドール「もうっ。咲夜が空間をいつもいじくるから、家の中でも迷子になっちゃう! でも、曲がる前だったのに、どうして私が右に行こうとしてるってわかったの?」
レミリア「右側の羽が点滅していたからね」
038 灯り
フランドール「なんのために私の羽がついてると思ってるの? おしゃれのためだとでも言うの?」
レミリア「健康のためよ。暗くて怖いときでも眠れるようにね」
039 物理
レミリア「咲夜、紅茶がほしいわ。血のように真っ赤な紅茶。それとも新人のメイドには難しいかしら?」
咲夜「お、おまかせください、おじょうさま……どうぞ!」
レミリア「あら、本当に真っ赤ね。やればできるじゃない」
咲夜「えへへ、ありがとうございます。あかいえのぐってべんりですね!」
レミリア「今、なんて言った?」
040 落ちても平気……残念なことに
萃香「雲の上も悪くない。うんと高いところで飲む酒ってのはどうしてこんなに美味いんだろうね」
天子「最後の晩餐だと思えば、なんだってご馳走になるからじゃないの」
萃香「私らには関係ないだろ」
天子「残念なことにね」
萃香「ところで、なんでさっきから背中を押してくるの?」
041 ふにゃり
レミリア「フラン、羽を引きずって歩くのやめなさい。みっともないわ」
フランドール「私は起きたばかりだけど、羽はまだ眠っているの。でも、羽が目をさますまでに、どうして私が付き合わなきゃいけないの」
レミリア「……ひょっとして、寝ぼけてる?」
042 おさそい
フランドール「お姉様が楽しそうなとき、私はいつも退屈してる。この不幸な関係には終止符を打たないといけないわ!」
レミリア「遊んでほしいなら、そう言いなさいよ」
043 受け止めて
レミリア「あなたがフォーオブアカインドで増えるのを見るといつも不安になるのよ。私は四人の女の子を同時に愛せるのかって」
フランドール「お姉様ったら、私がどうして四つになるのか知らないの。お姉様にはすてきな腕と羽が二つずつあるじゃない」
044 深爪はマナー
レミリア「愛情の証明ほど難しいものはないんじゃないかしら」
咲夜「そんなことはありませんよ。少なくとも私は、お嬢様への愛情を今すぐにでもお見せできますわ」
レミリア「ほほう。それじゃあ、あなたの愛を見せてもらいましょうか」
咲夜「ではどうぞ、ご覧ください。この利き手の指先を」
045 ソロプレイ
キスメ「なにやってるの、ヤマメちゃん」
ヤマメ「ん、自分の糸であやとり。暇つぶしにね」
キスメ「この前は自前の糸でブランコをこいでたよね。ヤマメちゃんは一人遊びの達人だね」
ヤマメ「なっ、なんで知ってるの!?」
キスメ「え?」
046 若葉
ヤマメ「どうしたの、キスメ!? 髪の色が真っ黒じゃない!」
キスメ「うん。桶の免許を取ってから一年経ったからね。剥がしたの」
047 夫婦
村紗「私たちのような仲間同士のきずなは、どれだけのお金を集めても代えがたいわね」
一輪「とは言え、代えられるなら少しばかりのお金をもらって、新しい鍋を買ってもいいわね。あと、姐さんの僧衣も大分へたってきたから仕立て直したいわ。それから、端の部屋の壁が腐ってたから新しいのに張り替えないと。ほかにも……」
村紗「キャプテンと船員に見解の相違がみられるわね。チームの不和は航海において絶対に克服しなければいけない。そのためにも私は涙をのんで、自分のお小遣いを一輪に寄付しよう」
一輪「ありがと、アナタ」
048 おあずけ
フランドール「もしも人生が一皿の料理だったら、私はまだ蓋をあけてもらってもいないの」
レミリア「いただきますを忘れているからよ」
049 お姫様
お菓子で誘惑してスターサファイアを連れてきた輝夜は、妹紅に言った。
「私とあなたの子よ」
「なにを馬鹿なことを。見た目はお前に似てるけど私と似てるところはないじゃないか」
認知を求める輝夜に、妹紅は反論した。
輝夜はそれを聞いて、スターサファイアを即座に殺した。そして、一回休みから復活した、おびえるスターサファイアを見て、輝夜は微笑んだ。
「ね? そっくり」
050 さらば
レミリア「一日の目標を立てるのが日々を元気に過ごすコツよ」
フランドール「今日の目標、家出する」
レミリア「それはいけないわ。パチェに頼んで雨を降らせないと」
フランドール「今日の目標、お姉様を倒す」
レミリア「話せばわかる」