くーりえの掲示板

走れ妖夢

2014/04/01 00:27:02
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 妖夢は激怒した。必ず、かの苛斂誅求の裁判長を除かねばならぬと決意した。妖夢は男を知らぬ。妖夢は、冥界の庭師である。枝を断ち、弾幕と戯れて暮らしてきた。けれども主の腹の音に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明妖夢は村を出発し、階段を下り川を渡り、バスを待って地下鉄を乗り継ぎこの人里までやってきた。妖夢には、父も、母も無い。大喰らいの主と二人暮らしだ。この主は、郷の或る小骨の多い一妖怪を、近々、晩飯として迎えることになっていた。晩餐会も間近かなのである。妖夢は、それゆえ、つけあわせのアンティチョックや酒宴のつまみを買いに、はるばる里へやってきたのだ。まず、それらの品々を買い集め、それから里の大路をぶらぶら歩いた。妖夢には銃刀法違反の友があった。鈴仙・優曇華院・イナバである。今ごろはこの里で、行商をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく合わなかったのだから、訪ねていくのが楽しみである。歩いているうちに妖夢は、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もうすでに日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりではなく、里全体が、やけに寂しい。のんきな妖夢も、だんだん不安になって来た。路で逢った慧音をつかまえて、何かあったのか一作まえにこの里に来たときには、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであったはずだが、と質問した。慧音は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて小鈴に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。小鈴は答えなかった。妖夢は両手で小鈴のからだをゆすぶって質問を重ねた。小鈴はあたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「裁判長は、男の娘の包茎を無理やり剥きます。」
「なぜ剥くのだ。」
「恥垢を抱いている、というのですが、誰もそんな、恥垢を持っては居りませぬ。」
「たくさんの男の娘を剥いたのか」
「はい、はじめは霧雨 魔理沙を。それから、リグル・ナイトバグを。それから、藤原妹紅を。それから、レミリア・スカーレットを。あとは誰だっけ、いまテリーマンのアレ見直すからちょっと待って……えー、あ。うん。それから、犬走椛を。」
「驚いた。四季映姫は上野クリニックの回し者か。」
「いいえ、上野ではございませぬ。東方なのに男が出ている二次創作を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、原作設定をも、お疑いになり、少しく胸のふくらみが見えないものには、経血付きのナプキンを差し出すことを命じております。御命令を拒めば裁判にかけられて、裸に剥かれます。今日は、阿求ちゃん……いえ、阿求くんが剥かれました。」
 聴いて、妖夢は激怒した。「呆れた裁判長だ。生かして置けぬ。」














 そこまで書いて、おれのブラインドタッチは止まった。
 そこから先が全く思い浮かばないのだ。
 そもそも、俺がこのようなSSを書いているのには、訳があるのだ。
 昨年の冬コミ、C85の打ち上げの席にて肉を焼いていた時のことである。


 確か、最初に同席していたのは、俺を含め四人。Pというクラフツマンシップに秀でた男と、同じサークルのH,そしてKであった。まあもって男だらけのむさくるしい集いだ。つごう八人での焼肉だったわけだが、全員男で、しかも彼女持ちは一人もいなかった。そういう、憐れな男たちだった。
 会話の内容はよく覚えていないが、たしかKを女装させる相談だったはずだ。
 霊烏路空のコスプレをさせ、おっぱいの部分にハイドレーションパックを仕込み、おっぱいを揉むとパックの中に充填した油圧油がチューブを通って送り出され、背中に付けた黒い羽根がまるで悦ぶかのように作動する、という機構の相談をしていたのだが、いつの間にか、あるいは最初からか、「なんで俺たちには彼女がいないんだろう」という涙酒になってきた。痺れを切らしたHが席替えを要求し、俺はとなりのテーブルに移った。カルビと豚トロが来たのはそのあとだ。
 そして、こちらのテーブルこそが魔窟だった。
 同じサークルのAとP(こっちはかぼちゃ先生、さっきのは四潤さん)、そしてC85でAと合同を共にしたBという、まぁ変態揃いも極まれりというメンツだ。
 Aはいちいち幻想少女がドラミングでウッホウッホする話ばかり書くし、Bは仄聞する限り蓮子をひどい目に合せるのが好きという、まあ秘封クラスタの中では割と通常運転のレベルではあるのだが、やはり危険人物。Pは立ち振る舞いも書く話も真っ当なのだが、俺が席に着いた時には「五反田で中国人の娘と6Kで本番出来るんだが、どうだ」という相談をしていた。頭を抱えるしかない。乳首責め専門の風俗店に通っているとは聞いていたが、まさか本当だったとは。
 そんな連中の中で、俺は肉を焼いた。せっかくの食い放題なのだから、食わないともったいないじゃないか。だがなぜ、このような危険人物の中に俺のような善良な市民が紛れているのだろう。仕方がないじゃあないか。金がなくうだつも上がらないリーマンが本を出すには、徒党を組むしかないのだから。
 じゅうじゅうと脂を飛び散らせながら肉を焼いては食い、ウーロン茶で流し込んではまた焼くを繰り返す。気付けば、Aがいなくなり、代わりにMという男が目の前に座っていた。
 このMという男こそが、俺が今この話を書いている原因である。彼は妖夢ちゃんが大好きで大好きで、この席でも「妖夢ちゃん媚薬打たれて半霊と絡んでネチョネチョしろ。後ろでイけ」とか言っちゃう、まあ要するに妖夢狂いで変態なわけだが、ひとつ特徴的なところがある。
 「妖夢には生えている」と主張して譲らないところだ。
 まあ実際問題、魂魄妖夢が実は男の娘であるとか、生えているとかといった話は珍しいものではない。むしろ人口に膾炙していると言ってもいい。それは、かの海原雄山が魂魄妖夢を取り上げ「むしろ生えていない」という意外性で一世を風靡したという例からもお解りいただけるだろう。
 妖夢の話になった。特に、妖夢には生えているのか。生えていたとして、剥けているのか、被っているのかという話を、延々肉を焼きながら語り尽くした。そんなとき、誰かがポロリとこぼしたのだ。そう。
「妖夢は、ひどく勃起した」
 そのフレーズは「走れメロス」の最後の一文をもじったものである。いかに変態揃いといえどそれを解さぬ者たちではない。大爆笑が起こった。俺も膝をぱんぱん叩きながらゲラゲラと笑った。もしかしたら妖夢が全裸でマラソンするという話からスタートしていたかもしれない。だが今となっては、肉と煙の彼方のことだ。確かめようはない。
 いずれにせよ、「妖夢は、ひどく勃起した」というフレーズに端を発し、次々設定は固まっていった。


 かくしてどういう具合か、俺が、妖夢をメロスに見立て、全裸マラソンした挙句、公衆の面前でひどく勃起するSSを書くことになっていた。わけがわからないよ。
 無論、そんな題材を俺が扱って、下手に夜伽にでも発表したらおれの作家生命が終わるだろう。こんな題材を扱って生き延びられるのは二度手間氏か鞘の花氏か、せいぜいYDS氏、あるいは酩酊の過ぎた佐藤厚志氏くらいのものだろう。
 人間向き不向きというものがある。俺のようにろくにエロを書けないものが手を出したら、いっかんの終わりだ。
 そんな訳で、おれは知らぬ存ぜぬを突き通して、今日の今日まで忘れてしまったふりをして、のんきに暮らしていた。
 しかし、忘れようとしても決して忘れられなかった。まるで上野クリニックで切除した包皮のように、俺の心の中にしこりとなっていた。
 ちょうど、よく解んないけど、エイプリルフールということで、創想話がエイプリルフール仕様とかしていた。簡単に言えば、冗談のような話を投稿できるというわけだ。
 そんなわけで俺は、この機会を生かして、投稿してしまおうと考えた。 
 しかし、一向に作品の進捗はない。
「だいたい俺、針巫女使いなんだよなぁ」
 生えているし被っている+使ったこともないキャラクタ という最悪の方程式が組み上がっていた。
「ヤヴェえよ。あと二時間しかない」
 俺は焦った。言う必要のない独り言をいうほど焦った。なお、俺はこのSS執筆のせいで、借りてきた韓国の朝鮮戦争の映画を返しに行くのを忘れ、ひとり娘を迎えに行くのも忘れ、もうやけっぱちになりながらチョコを食って書いている。書いては消して、書いては消している。
 しょっぱいものが欲しいな。
 俺はジャケットを羽織って、扉を開けた。そして、近くのラーメン屋に向かった。
 ばんきばんきばんき、と石鹸屋を歌いながら、俺は国道沿いのラーメン屋に車を停める。
 っていうか、何なのこの状況。のれんをくぐり、泣きながらカウンターに座った。
「東稜高校は粘った姿が立派だったし、いいともは終わっちゃったし、どうするんの。何なの。妖夢のおちんちんって何なの。何がどうなってんの」
 俺の脳裏には、妖夢が真っ裸で鈴仙を人質に差し出す映像が浮かんでいた。そこからどう展開が転ぶのか、誰にも解らないのだ。

 こんな経験は初めてだった。
 いっそ楼観剣ですっぱりいって欲しい気持ちだった。いや死ぬか。白楼剣か。どっちだっけ。死なないか。
 俺の妖夢への考え方が足りないのだろうか。ひょうっとしたら愛が足りないのだろうか。俺はとんこつラーメンを啜りながら考え込んでしまった。

 その時、俺のガラケーが震えた。メールを受信したのだ。
 たびたび挿絵でお世話になっている、Hという兄ちゃんからだった。
『霊夢ちゃんは魔法を信じていますか?』
 隣でラーメン食ってた愛娘に聞いてみる。「チャーシューが一枚増える魔法なら知ってる」そう言って、お父さんのどんぶりからチャーシューをかっさらっていった。泣いた。
 また、ガラケーが震えた。こっちは同じサークルの、これまたHという男からだった。
『霊夢ちゃんはお父さんとギョーザ、どっちが好きなのかな?』
 こいつはなにをいっているんだ。お父さんがギョーザに負けるわけないだろ。
 横でラーメン食ってた愛娘に聞いてみる。「断然ギョーザ」。追加オーダー不可避。


 そうだろうね、ははは。俺は只管馬鹿笑いしながら、家路を走る。どうしようかなぁ。例大祭は一般参加だから、資料集めとか充電に充てるつもりだけど。夏コミ? 俺に娘ひとり残して死ねというのか。でもなあ、こんな状態で出したら怒られるんじゃないかぁ。っていうかなんなの、あのこんぺの投稿数。それはそうと、エージェントライアン、結局観に行けないまま公開終わっちゃったけど、聞く限りだと散々だったみたいで、もう一回ベン・アフレック呼んできたほうがいいんじゃねーのと思うんだけど、とりあえず監督は甘く天国に行ってクランシーおじいちゃんに謝ってきたらいいんじゃないかな。ロボコップは観たよ。娯楽映画しか観ないニワカな俺から見ても、正直微妙だったけど、大口径の銃をバキュンバキュン撃ってるだけでそれなりの満足感があるのであれはあれでいいと思う。ロボといえばパトレイバー、あれなんなの。どういう公開形式なの。不安しかないんだけど。べつにそこまでレイバー好きじゃないからどうでもいいと言えばいいのだけど。霊夢は今日から新学期で、まあクラス替えとかはないけど最終学年だから、悔いなく小学校生活をして欲しいと願うばかりだね。そういえば叛逆の物語ってもうDVDでたんだっけ? まだだっけ? あれは面白かったなあ。わんこと一緒に見に行って、スコーピオンとかイーグルはどーでもよかったけど、MG-42とかMP-40がでたあたりで外人四コマよろしくガタッってなってたな。ワルサーP5が最後まで判別つかなくて、終わった後飯食いながら延々あれはなんだっけとぐだってたら日付が変わった。
 そんなわけでみなさん。面白い映画を観たかったら、まどマギのDVD買うといいですよ。ニュージェネレーション。取り急ぎキルラキルの最終話を娘と一緒に観返しますけん。あれは面白かったよ。俺はトリガーのマジパネェ働きに喝采しながら、この訳の解らないSSの続きを書く。うへぇ大変。

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コメント



0.23333331簡易評価
1.12345678キリ番ゲット!(核笑)削除
ひどいw
他にコメントが浮かばんw
3.12345678M削除
妖夢の股間のそれはそれは可愛らしい棒状のものに私は恋をした。
すぐに勃起してしまうそのペ○スに出会うことができたとき、私は四歳でした。
その味は甘くてクリーミィで
こんな素晴らしいおち○ちんをもらえる私は
きっと特別な存在なのだと感じました
保冷さんにあげるのはもちろん妖夢くんのおちんちん
なぜなら彼もまた特別な存在だからです
4.12345678deso削除
めっちゃ走りきっててナイスだと思います。
私は叛逆の円盤予約しました。週末は叛逆見ながらうひょううひょう叫びつつ触手絵でも描きます。
5.無評価キリ番ゲット!(核笑)削除
内輪ネタか
6.9999999名前が無い程度の能力削除
あ、よく見ると材の字が違いますね。
7.12345678キリ番ゲット!(核笑)削除
総括があるので後ほど屋上へ
8.6666666奇声を発する(ry削除
これはw
9.無評価聖徳太子削除
君たちは魂魄妖夢君の事をなんだと思っているのか。
彼女はまだ年端もいかぬ少女なのだ。加減をお願いしたい。

p・s:まどマギのDVD、是非私に買ってくださいませ。お題は、硬貨では買えない経験にて
10.12345678壮行会だけ参加した方のB削除
うわw。こっちの打ち上げにも行きたかったなぁw。
11.12345678キリ番ゲット!(核笑)削除
「そこまで書いて、俺のブラインドタッチは止まった」で思わず噴き出したww
13.9999999キリ番ゲット!(核笑)削除
ひどい内輪ネタだが、面白かったので、この点数で
15.12345678智弘削除
よくわからないけど、作者さんは一物が粗品なんですか?
16.9999999キリ番ゲット!(核笑)削除
テリーマンwwwあのssを受けてるのかwww